働くということ の商品レビュー
日本経済新聞連載を再構成し、単行本化された本書はこんなフレーズからはじまる。 平岡は問う。「何故働かない。」代助は答える。 「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。」 平岡は言う。 「君は金に不自由しないから不可ない。生活に困らないから、働...
日本経済新聞連載を再構成し、単行本化された本書はこんなフレーズからはじまる。 平岡は問う。「何故働かない。」代助は答える。 「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。」 平岡は言う。 「君は金に不自由しないから不可ない。生活に困らないから、働く気になれないんだ。」 代助は答える。「働くのも可いが、働くなら、生活以上の働きでなくちゃ名誉にならない。 あらゆる神聖な労力は、みんなパンを離れている。」 (夏目漱石『それから』) 自分は何のために働くのか。働いている様々な人々を綿密に取材し、 現在の日本の社会が直面している変化を浮き彫りにしている。 そして、横並びの会社組織が崩壊する中で、個人と会社が今後どうあるべきかを提示している。 最も印象に残った言葉は以下。 働くことは生きること。その意味をつかんだ時、人は最も輝く。答えは悩みの中に。。 扉を開けるのは自分自身だ。 ■目次 はじめに——いま、「働くということ」の意味を考えたい 第1章 2つの価値に揺れる 1世のためと私のため 2猛烈とスローライフ 3汗とバーチャル 4自立と歯車他 第2章 世代のズレに悩む 1JR2期生の憂鬱 2豊かさが生んだ「後期子供」 370歳定年制 4育児休業すき間風他 第3章 不安と向き合う 1期限5年のフリーパス 243歳のフリーター 3モーニングコール出社 4幸之助翁の遺言他 第4章 会社との距離を探る 1産業医の告白 2カイシャを照らす 3取った資格は53 4新人に「辞め方講座」他 第5章 その喜びを伝える 13代目の原点 2弟子はビデオカメラ 3OBからの贈り物 4無人島研修他 第6章 「常識」を疑い壁に挑む 1あなたがライバル 2年俸600万円の新人 3勉強部屋は運転席 4りそな銀行残留組他 第7章 答えは悩みの中にある 1輝き続けられますか 2逆境を克服できますか 3立ち止まったままですか 41歩前に踏み出せますか他 おわりに——「働くこと」は生きること
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連載時から気になっていた特集をまとめ読み。会社は仕える場所ではなく,使い倒す場所,そんな時代になってきたようだ。組織は所属するものではなくアフィリエイトするものという『フューチャリスト宣言』を思い起こさせる。就職先としてインハウスも視野に入れざるを得ない状況下で,サラリーマンの現...
連載時から気になっていた特集をまとめ読み。会社は仕える場所ではなく,使い倒す場所,そんな時代になってきたようだ。組織は所属するものではなくアフィリエイトするものという『フューチャリスト宣言』を思い起こさせる。就職先としてインハウスも視野に入れざるを得ない状況下で,サラリーマンの現状を知ることができ,なかなか有意義だった。自分にとっても会社は経験を積んで専門性を高める場との認識なので,この感覚が一般化してくる状況は歓迎したい。他方で,会社にとっては組織を維持するのが厳しい時代になるのだろう。もちろん,経済活動の主体はこれからも会社だが,その前提として,より個人主義化する労働力を上手く組織化し機能させることが重要となる。ひとりひとりが個人と会社の関係を個別に調和させていく社会へとシフトしていければ,社会全体にとってハッピーなことだと思う。
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今後のキャリアに悩んで手に取った本。様々な人たちの働く姿が描かれている。「働く価値を取り戻すカギは『それぞれの失敗』に潜んでいる」「おカネではない何かに働く意味を見出そうとする人が日本を支える役割を担う。」「人生は一つではない。様々な生きがいを貪欲に追求する。そんな生き方が働く人...
今後のキャリアに悩んで手に取った本。様々な人たちの働く姿が描かれている。「働く価値を取り戻すカギは『それぞれの失敗』に潜んでいる」「おカネではない何かに働く意味を見出そうとする人が日本を支える役割を担う。」「人生は一つではない。様々な生きがいを貪欲に追求する。そんな生き方が働く人々、そして社会を豊かにする。」(08年3月8日)
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就活中に読んだ。多様な職業、いろんな人の働き方、仕事観を知ることができ、自分なりの現段階での答えが見つかったと思う。
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就職活動中は「働くなんて真っ平ゴメン」って思っていたけど、いざ働いてみると、人間として大きく成長できることが多いことにやっと気付きました。「何のために働くの・・・?」こんな問いに対し、沢山の方のリアルな人生を綴ることにより、自分の人生を見つめなおす一冊。
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本当にさまざまな就業観が書いてあって、自分はどういう姿勢で仕事にあたればいいかを考える参考になりました。ひとつの会社に所属していたら、普通はその会社の就業観しか分らないけど、この本を読んで、会社や周りの人間の考え方に流されず自分の考え方で仕事に取り組もうと思いました。
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たしかに細々とした個々の小さなエピソードに元気ややる気ももらったけど、書名から想像していた内容と違っていてがっかりした。 最初の頁で書かれていた「意味を考えたい」というのは、読みながら一緒に考えていきましょう。という表現だと思ったのだが、実際は各々が読んで感じたことを考えていって...
たしかに細々とした個々の小さなエピソードに元気ややる気ももらったけど、書名から想像していた内容と違っていてがっかりした。 最初の頁で書かれていた「意味を考えたい」というのは、読みながら一緒に考えていきましょう。という表現だと思ったのだが、実際は各々が読んで感じたことを考えていってください。というような体裁だ。 考えや論理を展開して、だからこうだ。という答えがあると思っていたのに、どこまで読んでも個人の実体験の紹介で現在進行形な話ばかり。結びは必ずこれからどうするかが課題だというような終わり方で、読むことでたくさんある中のひとつの答えを得たかったのに、それは自分で考えてね。と突き放されるのですっきりしない。2006/10月
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来年から社会に出る一人として、自分のキャリアプランを見つめ直してみようと思った。何の為に働くのか、誰のために働くのか、実際の社会から学んでいきたい。
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==十人十色の『働く』== 日経新聞の記者が緻密なインタビューと可能な限り「実名」で働く人たちの生き様を取材した『日本の働く』をイキイキと綴った名著です★☆★ SEから刑事になった人。タクシー運転手から司法試験合格した人。サントリーで青いバラを開発した人。彷徨うフリーターと金髪・...
==十人十色の『働く』== 日経新聞の記者が緻密なインタビューと可能な限り「実名」で働く人たちの生き様を取材した『日本の働く』をイキイキと綴った名著です★☆★ SEから刑事になった人。タクシー運転手から司法試験合格した人。サントリーで青いバラを開発した人。彷徨うフリーターと金髪・ピアスから覚醒し店舗マネージャーになった若者。技術の伝承に命をかける団塊世代UPの人。ネット会社から民間人校長になった人・・・。この本ではいろんな働く人の価値観を伝えています。働くってことはきまった道を進むことではない!働く=個々の生きがいである!!という考えに日本社会は変化している(つまり年功序列の崩壊やフリーターの増加とか)ということがヒシヒシと分かりました。 これから社会人になる人や働くって何?と困惑している人にスーパーおススメな書物です★☆★ 短編集のような構成であるので、どこから読んでもOKな一冊です。
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