失敗学実践講義 の商品レビュー
失敗学 実践講座 東京大学名誉教授で失敗学の第一人者 畑村洋太郎 氏の著書です。 過去に起きた事故事例9件を例にそこから学ぶべき内容を論じています。 【本書で学べること・考えること】 - 失敗まんだら(失敗の要因分析ツール) - 全ての失敗はヒューマンエラーから起こる -...
失敗学 実践講座 東京大学名誉教授で失敗学の第一人者 畑村洋太郎 氏の著書です。 過去に起きた事故事例9件を例にそこから学ぶべき内容を論じています。 【本書で学べること・考えること】 - 失敗まんだら(失敗の要因分析ツール) - 全ての失敗はヒューマンエラーから起こる - 「30年の法則」 - 「ハインリッヒの法則」 - 制御安全はあくまで補助 - 安全技術の伝達の途切れに注意 - 想定されることは起こる前提で取り組む - 人間の注意力には限界がある(優先順位が必要) - マニュアルは形骸化しやすい - 縦割り組織は隙間領域に注意 - 企業文化は短時間では醸成できない - トラブルは優先順位の低い些細な場所で起こる - DRも形骸化しやすい - 事後の対応が大事 - 効率化と手抜き - 「現地」「現物」「現人」が理解の基本 - 事故を社会の共有財産に 読んでみての感想です。 良書で、一読の価値があると思います。 失敗はつきものですが、過去の失敗に学び、今後に備える重要性を学ぶことができます。危機は色々と形を変えてやってくるので、この本が書かれた後に起こった事故にも同様のことが言えると思います。 自分が仕事で失敗した時は、前から変えていない場所をチェックしていなかったら、図面の不備で変わっていたことに気がつかず、不具合を起こしたことですね。 前と同じ、変えていないは危険だと痛感しました。
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●同じ失敗が繰り返される「30年の法則」 ●「本質安全」の確保 事故を起こさないための努力を続けながら、それでも事故が起こることを前提にして「最悪の事態」だけは「絶対に」避ける備えをする。「制御安全」はあくまで補助的なもの ●確認作業は「パッシブ」型でなく「アクティブ」型であ...
●同じ失敗が繰り返される「30年の法則」 ●「本質安全」の確保 事故を起こさないための努力を続けながら、それでも事故が起こることを前提にして「最悪の事態」だけは「絶対に」避ける備えをする。「制御安全」はあくまで補助的なもの ●確認作業は「パッシブ」型でなく「アクティブ」型であるべき パッシブ型では、頭の中の単純知識群(メモリ)が増えるだけなのに対し、アクティブ型では、メモリから取り出した知識を使って、頭の中のCPUで実際に演算し、さらにその結果を検証する作業を通じて、その知識に関する思考回路を自分の頭の中に確立することができる。 使える知識が増えるというのは、つまり自分自身で頭の中に思考回路を作るということ。 ●”ヤイノヤイノ”に対しては、わかりましたと返事だけきちんとしながらも、注意されたことに全力で取り組まず、本当に大事なことをおろそかにしないよう気をつけながらも、“要求されたことに適度に対応する”のが正しい対処 ●中間管理層の活動の多くは内部向け ●確認すらしないで印だけ付ける →ペケペケペケ ペケペケペケが起こりやすい形骸化したマニュアルは見直す。 マニュアルは守るためにある、されどマニュアルは変えるためにある。 ●縦割り組織に横串をさす 若い組織:両方が自分の仕事と思う領域が重なり、オレがオレが・自分がやって当たり前 成熟した組織・年老いた組織:分担の間に隙間が生じ「遠慮の塊」が発生し、向こうがやるだろう・誰かがやるだろうという領域ができる 腐った組織:主張は「オレがオレが」実行は「向こうがやるだろう」 ●甘い共存策 三行合併で、新しいシステムを作るはずが、途中から「3つを合わせればできる」になってしまった。状況が大きく変化したときには、新しく要求される機能や新しい制約条件、安全性などをトータルで見ながら、全くゼロから全体を組み立てなおすしかない。 「トータル設計」一度全部捨ててから、本当にいるものを拾いなおす 人間の性癖として「今あるものの中から、どれがいらないか」を考えることが苦手なものである。だから、結局、あるものを生かすというつもりが、いらないものまで残ってしまいがち。いったん全部捨ててゼロから組み立てなおすほうがよい。
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5年ぶりにもう一度読んでみました。 原発の事故が起きる前から存在する本ですが、中にJCOの事故が取り上げられていることが暗示的です。 失敗や危険を許容しない世の中で、失敗はそれでも起きます。「あってはならない」と目をつぶるだけでは、同じことが起きるだけだと読み手を説得するだけの事...
5年ぶりにもう一度読んでみました。 原発の事故が起きる前から存在する本ですが、中にJCOの事故が取り上げられていることが暗示的です。 失敗や危険を許容しない世の中で、失敗はそれでも起きます。「あってはならない」と目をつぶるだけでは、同じことが起きるだけだと読み手を説得するだけの事実がこの本には提示されています。 二度と同じことを起こさないための教訓、それは、世の中の共有財産として失敗を位置づけられるかどうかにかかっていることがよくわかるはずです。 実際、一度得られた失敗分析の数々は、何年たってもそこから学ぶべきことの気づきの宝庫になっています。
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http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2135930
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【失敗】前回の「失敗のすすめ」につづき、第二弾の失敗学シリーズを読了。今回は具体的に過去起きた事故を例にして、どのような背景で失敗が起きたのか、失敗にいたってしまった主な原因は何なのかを、まんだらと呼ばれるこの本で特徴的な方法でカテゴライズし、失敗について深く考察している。一つの...
【失敗】前回の「失敗のすすめ」につづき、第二弾の失敗学シリーズを読了。今回は具体的に過去起きた事故を例にして、どのような背景で失敗が起きたのか、失敗にいたってしまった主な原因は何なのかを、まんだらと呼ばれるこの本で特徴的な方法でカテゴライズし、失敗について深く考察している。一つの大失敗が起きるまでには29のちょっとした失敗があり、270のミスが生じているというハインリッヒの法則は既に一冊目で言われていた事だが、個別の失敗例を見ていくとやはりこの法則に従っていることが多いなという印象だった。加えて、悲惨な失敗が起きてしまう背景には、親会社&子会社の関係の劣悪化や、組織内のインタラクティブなコミュニケーションの不足など、人間性に大きく依存した失敗が多いのも印象的であった。毎日多くの失敗がマスメディアによって報道されるが、失敗に対する態度を変えていこうというよりかは失敗したものたちをただただバッシングしているだけに感じてしまう。そうではなくて、この本で述べられているようにもう少し前進的な取り組みが必要なのではないか。失敗に対する見方が変わる一冊だと思う。
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畑村創造工学研究所というサイトの「失敗知識データベース」で過去の事故事例が分かり易くまとめられています
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失敗は繰り返される。30年単位でとある。失敗(事故)事例データベースが公開されているようだ(科学技術振興機構(JST)のサイトで)。原因、行動、結果と詳細に分析して公開することで、共有化が図れる。今後は事故を減らすことが出来る。本当にそうなのか? データベースは広く“利用者”が使...
失敗は繰り返される。30年単位でとある。失敗(事故)事例データベースが公開されているようだ(科学技術振興機構(JST)のサイトで)。原因、行動、結果と詳細に分析して公開することで、共有化が図れる。今後は事故を減らすことが出来る。本当にそうなのか? データベースは広く“利用者”が使いやすいことが必要であり、事例をまとめただけでは活用できない。 三現(現地、現物、現人)vs三ナイ(見ない、考えない、歩かない)の対比はとても参考になった。動態保存も必要であろう。
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★読む目的 失敗にについて学ぶ! ★読書レベル シントピカル読書 ★メインブランチ 『注意力の限界』 『ゼロから直す』 『それぞれの立場』 『基本』 ★INPUT ・大切なのは失敗から何を学ぶか。全ての失敗はヒューマンエラーから 起こるといって過言ではない。(原...
★読む目的 失敗にについて学ぶ! ★読書レベル シントピカル読書 ★メインブランチ 『注意力の限界』 『ゼロから直す』 『それぞれの立場』 『基本』 ★INPUT ・大切なのは失敗から何を学ぶか。全ての失敗はヒューマンエラーから 起こるといって過言ではない。(原因・行動・結果・検討) ・安全に慣れすぎて、人間の危険感知の領域が狭くなったことで、起こる事故が 増えている ・30年の法則:過去に経験した失敗は、ほぼ30年ごとに繰り返される場合が多い ・ハインリッヒの法則:労働災害の発生確率は1対29対300である。1件の重大な 災害が起こる背景には29件の軽災害があり、さらにその背景には300件のヒヤリ とさせられる体験が存在している。大事故の前には必ず予兆がある ・直列思考(何か起きてから考える)でなく、並列思考(起こった後にどのように、対応 するか仮想演習・逆演算する) ★ウガンダの感想 1〜19歳までの子供の死因第一位は、不慮の事故である。身の回りに危険が増えて いる時代なので、身の回りの具体的な危険に焦点あて考えなければならない。 この本は、図解や事例を載せてあり非常に、勉強になりました。 ★一言で言うなら 『他人の失敗を自分のものにする』 ★OUTPUT ・3現(現地、現物、現人)意識する:意欲的に現場へ行き、見て、話を真摯に聞く ・事故を起こさないための努力を続け、それでも起こることを前提に、最悪の事態 を避ける備えをする。『あり得ることは必ず起こる』を前提に立って安全対策考える ・作業者が交替する時、大事な知識の伝達が行われない。だから注意する。 ・マニュアルを作成する(マニュアルはいくら使っても、賢くならない。しかし、作成した 人はその分だけ賢くなる) ・付加設計(条件変化に対し、小出しで機能を付けたす)でなくトータル設計(条件変化 に対し、1度全て捨て本当に必要なものを拾いなおす) ・使える知識を増やし頭の中に思考回路を作る。(結果を検証し、その知識に関する 思考回路を確立する) ★BookCrossingしたい度 『★★★★☆』
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失敗学が目指すのは司法や報道が行うような責任追及ではない。 考え得るあらゆる要素を客観的に分析し,その結果得られた知識を広く共有して,二度と犠牲や損失を発生させないようにすることにこそある。 本書は9つの事例について筆者が自ら現地で検証し,その発生原因とそれを生み出した組織内要因...
失敗学が目指すのは司法や報道が行うような責任追及ではない。 考え得るあらゆる要素を客観的に分析し,その結果得られた知識を広く共有して,二度と犠牲や損失を発生させないようにすることにこそある。 本書は9つの事例について筆者が自ら現地で検証し,その発生原因とそれを生み出した組織内要因を分析している。 こうした失敗から得た知識を広く共有して役立てなければ,それこそ社会としての大損失である。 事件事故は毎日のように発生し,その度に世間を賑わせる。「他山の石」という言葉は誰でも知っている言葉であるが,果たしてその言葉が文化として根付いている組織はどれだけあるのか。 社会の基盤産業に就いている人や,組織の中心にある人には,本書のように「失敗は繰り返さない」という気概を是非持っておくべきである。
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実際に事故の現場を見に行き、自分で考えて分析している。 ・回転ドア:本質安全(制御安全ではない) ・日本航空:真面目にやるほど問題が大きくなる ・JR福知山線:安全性より定時制 ・金融システム:ゼロから作り直すことの大切さ ・リコール隠し:優先順位の低いものがトラブルを起こす(車...
実際に事故の現場を見に行き、自分で考えて分析している。 ・回転ドア:本質安全(制御安全ではない) ・日本航空:真面目にやるほど問題が大きくなる ・JR福知山線:安全性より定時制 ・金融システム:ゼロから作り直すことの大切さ ・リコール隠し:優先順位の低いものがトラブルを起こす(車のケーブル) ・火災:考えの壁 ・JCO臨界事故:発注元、受注先の力関係 ・ロケット:トップの孤独 ・JR羽越線:共有力
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