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ローマ人の物語(26) の商品レビュー

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33件のお客様レビュー

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2009/10/04

ローマ帝国といえば五賢帝ぐらいは理系の高校生でも知っているが、本シリーズでは五賢帝の時代を一つの区切りとしては扱ってない。塩野女史の中では、検定の世紀といえば、トラヤヌスからアントニヌス・ピウスまでの治世を指すのだろう。この辺については、一巻に章建てに関するポリシーがまとめられて...

ローマ帝国といえば五賢帝ぐらいは理系の高校生でも知っているが、本シリーズでは五賢帝の時代を一つの区切りとしては扱ってない。塩野女史の中では、検定の世紀といえば、トラヤヌスからアントニヌス・ピウスまでの治世を指すのだろう。この辺については、一巻に章建てに関するポリシーがまとめられていた気がするが、忘れてしまった。それはともかく、ハドリアヌスは治世の末期になると、体力知力の衰えからか、往時の賢帝としての振る舞いを失っていく。それをフォローし、帝国の安定を維持したのが、アントニヌス・ピウスであった。本巻を一言にまとめると、以上のようになるだろう。アントニヌスに関する記述は驚くほど短い。それは、この皇帝が、前二帝の施策を引き継ぐだけで、帝国が完璧に機能したからだとされる。アントニヌスの引き継ぎ能力は、批判を受ける必要のない素晴らしい才能であるが、後代の者にしてみると、伝記的な面白みが少ない点は如何ともしがたい。次巻以降では、またしてもローマ帝国に瓦解の兆しが見え隠れすることになるが、その分エピソードは豊富になるし、マルクス・アウレリウス・アントニヌスは自省録でも知られる哲人であるので、読者にとっては面白い展開が期待できそうだ。

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2009/10/04

黄金の世紀と言われる、トライアヌス帝からアントニヌス・ピウス帝の治世を綴った賢帝の世紀最終章。 5賢帝のハドリアヌス帝とアントニヌス・ピウス帝の物語。 帝国の安全保障の再構築と言う命題を背負って、 治世の3分の2を帝国巡行に費やしたハドリアヌス。老齢になり、体の自由が利...

黄金の世紀と言われる、トライアヌス帝からアントニヌス・ピウス帝の治世を綴った賢帝の世紀最終章。 5賢帝のハドリアヌス帝とアントニヌス・ピウス帝の物語。 帝国の安全保障の再構築と言う命題を背負って、 治世の3分の2を帝国巡行に費やしたハドリアヌス。老齢になり、体の自由が利かなくなり、後継者問題も勃発したハドリアヌスは、徐々に周囲が理解しがたい言動を起こし始める。 最終的には、後の哲人皇帝マルクス・アウレリウスを養子にする条件を付けて、アントニヌス・ピウスを次代皇帝として後継者にし、世を去る。 元老院がハドリアヌスの神格化を拒否するも、 後継者アントニヌス・ピウスは熱心に元老院を説き伏せ、ハドリアヌスを神格化させる。 この彼の行動がピウス(慈悲深い)と呼ばれることになった。 アントニヌス・ピウス帝は、トライアヌス帝が拡大した領土を、ハドリアヌス帝が再構築したため、特別なことは何1つする必要が無かった。 何もしない。これも状況把握能力であると思われる。 人格者であったアントニヌス・ピウス帝は、 後の哲人皇帝マルクス・アウレリウスを養子とし、教育し、慈しんだ。 そして治世は哲人皇帝の時代へと移っていく。

Posted byブクログ

2009/10/04

至高の皇帝トライアヌス。 ローマの平和と帝國の永遠、ハドリアヌス。 秩序の支配する平穏、アントニヌス・ピヌス。 黄金の時代を統治した三人の皇帝、彼らは新秩序の構築を迫られることはなかった。 しかしながら、時代は彼らを相応しいリーダーとして選んだのである。

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