ナゲキバト の商品レビュー
両親を事故で亡くし、田舎町で祖父と二人で暮らす少年が主人公。章ごとに一つの事件を扱い、その中で祖父が少年に「いかに生きるか」を教えて行く連作短編風の仕立てです。 ネットで調べると非常に高い評価を受けている本ですが、私はちょっと。。。 私の感覚は「小中学生向けの教訓的な民話」です。...
両親を事故で亡くし、田舎町で祖父と二人で暮らす少年が主人公。章ごとに一つの事件を扱い、その中で祖父が少年に「いかに生きるか」を教えて行く連作短編風の仕立てです。 ネットで調べると非常に高い評価を受けている本ですが、私はちょっと。。。 私の感覚は「小中学生向けの教訓的な民話」です。物語としては素朴、悪く言えば稚拙。良い話なのだけど、わずかに押し付けがましさを感じる。 あとがきには、最初は自費出版で、口コミでベストセラーになったと書かれています。著者の来歴を調べてみると宣教師だったこともあるようで、なるほどそんな感じがます。 説教臭いと感じるか、良いと思うか、読み手の精神状態によって評価が分かれるのだと思います。
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短いのに、内容がギュッと詰まったとてつもない一冊だった。 (帯より) 人はいかに生きるべきか? 小さなぼくに教えてくれたのは祖父だった。 両親を失った少年は祖父と暮らすことになる。 祖父は(物語の最後に祖父の過去がわかるのだが)、孫に生きる上で大切なことを日々教える。その教...
短いのに、内容がギュッと詰まったとてつもない一冊だった。 (帯より) 人はいかに生きるべきか? 小さなぼくに教えてくれたのは祖父だった。 両親を失った少年は祖父と暮らすことになる。 祖父は(物語の最後に祖父の過去がわかるのだが)、孫に生きる上で大切なことを日々教える。その教えが、とても深く、一つ一つ恐ろしいほどに心に突き刺さってくる。 苦しいことがない人生なんて無意味だ。 嘘ってどういうものなのか。 親が子を思う気持ちって、どんなものなのか。親の愛を知ると、自分だって、ちゃんとした大切な人間に思えてくる。 そんなことを教えてくれた。 幾つになってもダメなままな自分も、苦い経験を積むことにより少しは良い生き方ができるようになればいいのに、…できてないな。改めて自分のダメさを痛感した今日に、この本が教えてくれたものは大きかった。
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親をなくしたハニバルに,話上手な祖父が語り掛け,人生で大切な事を教えてくれる。ナゲキバトを撃った話や悪友チャーリーの苦渋の選択が胸を打つ。読後,深く静かな感動に浸る。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ふと手に取った一冊 Mourning Dove 、和名はそのままでナゲキバト その鳴き声が悲しそうなのでつけられたとか 北米にはありふれた鳥だけれど日本にはいないとか アイダホ州に住む祖父に引き取られた少年の思い出 祖父は、やさしい言葉で自分のすべての想いを伝えていく その行動や言葉に読み手は心をつかまれる 静かなお話 ふとしたこの本との出会いに感謝 ≪ 与えられ 生きて愛する このチャンス ≫
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9歳のハニバル少年は、両親を事故で亡くして祖父ポップに引き取られた。 豊かではないが、祖父の静かな情愛を受けて日々を過ごしていた。 祖父は言う。 「空には、太陽だけでなく、月も、星も、明るく照らしてくれる。辛い時は夜空を見上げれば必ず光がある」 「喧嘩をするより、平和を作る...
9歳のハニバル少年は、両親を事故で亡くして祖父ポップに引き取られた。 豊かではないが、祖父の静かな情愛を受けて日々を過ごしていた。 祖父は言う。 「空には、太陽だけでなく、月も、星も、明るく照らしてくれる。辛い時は夜空を見上げれば必ず光がある」 「喧嘩をするより、平和を作る人のほうがずっといい」 「(神様のことを)自分の都合良いときだけ信じるのかい?神様をどこかへおっぱらおうったってそうはいかないよ」 「嘘そのものに命はない、その嘘に命をやるのは言った人間だ。嘘を生かすためには全部覚えていなければいけない。嘘を生かしておくためにまた別の嘘を言わなければいけなくなる」 「人に良いことをされたら、それを覚えておくだけでいい」 ハニバルは祖父の猟銃に憧れを持ち、ある日「畑を荒らす鳥がいる」と嘘をついて銃を撃たせてもらえることになった。得意になるハニバル少年だが、自分が撃った小さく美しい鳥がぐにゃりとした死体に為って転がっている姿を見てぎくっとする。「ナゲキバトだよ。近くに巣があるんだろう」祖父は静かに告げる。 それは母鳥で、二羽の雛がいた。残された父鳥だけで二羽は育てられない。祖父はどちらかだけでも助けるために、どちらかを締め殺すようにいう。それを静かに成し遂げたハニバルの心にこの情景は残り続ける。 友達と呼べるのは、隣家の2歳年上のチャーリーだけだった。 チャーリーの父は飲んだくれで、暴力をふるい、息子のチャーリーに学校に行かせずに自分のかっぱらいや強盗の手伝いをさせている。 ハニバルは、チャーリーのしていることが良くないことだと分かりつつもどうしようもない。 クリスマスの少し前に、祖父はハニバルにある話をする。 日々を真面目に生きる優しい兄と、貧乏ぐらしに嫌気が差し家のものを盗んで都会で自堕落な生活を送る弟の話だ。 兄と父は全財産をなげうって弟を助ける。 だが二人は火事に巻き込まれてしまう。父親が助けられるのはどちらか一人だ。さあ父親はどちらを助けたのだろう。 祖父と少年ジャンル(勝手に命名)の中でもかなり良い中編。 全面的に静かで穏やかで、しかしラストで、そこに至るまでの苦しみが静かに姿を現す。 ハニバル少年は決して優等生タイプではなく、嘘をついたり、見えを張ったりしてしまうこともある。しかしまっすぐ進る目を持っている。 静かに語られる物語。
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両親を亡くして祖父に引き取られるハンニバル。祖父の愛情の中で、時に悪さや間違いを犯して悲しみ苦しみ悩みながらも、助けられながら自分の頭と心を使って乗り越えて成長していく。傷や後悔を抱えていない人はいない。おじいちゃんそうだった。そういう経験を胸に抱えて人は生きていくんだな。
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娘の夏休みの宿題。 指定図書の一冊。 読了した時、衝撃と感動で体が痺れた。 幼くして両親を亡くした少年ハニバル。 祖父のホップと二人で暮らし始める。 これは少年ハニバルの物語と思って読んでいた。 なんて可哀想なハニバル。愛情に満ちたおじいさんと暮らせてよかったって。 でも...
娘の夏休みの宿題。 指定図書の一冊。 読了した時、衝撃と感動で体が痺れた。 幼くして両親を亡くした少年ハニバル。 祖父のホップと二人で暮らし始める。 これは少年ハニバルの物語と思って読んでいた。 なんて可哀想なハニバル。愛情に満ちたおじいさんと暮らせてよかったって。 でも、これは祖父ホップの物語。 私の人生がいつか誰かのためになるのなら、 苦しみにも本当に意味があると思える。 苦しい時は何にもわからない。本当に何も見えなくなるからね。
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両親を突然亡くした主人公が祖父と暮らすように。 心に響く祖父の言葉の数々、そして衝撃のラスト。 中学生には是非読んでほしい。小学校にも入れたいけれど。。。 最寄りの公共図書館では閉架になっていた本。 購入して何度も読み返したいと思います。
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事故で両親を亡くした9歳のハニバル。祖父に育てられるる中で色々な人との出会いを通して、また生き物を通し人生の在り方について、命の尊さ、色々な学び経験します。とても考えさせられるお話で子供にも読ませたいと思います。とても、悲しく切ないお話で何度も涙してしまいました。
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友人の一平ちゃんが超オススメってんだから読まぬわけにもなるまい。早々とナゲキバトの事件が起きる。なんでヒナの一方を始末しなけりゃならんの?父鳥が2羽育てるかもしれんし、それができんなら父鳥が判断するのに。と、ハンニバルの祖父ポップのこの指導に関しちゃ不服であった。ハンニバルどころ...
友人の一平ちゃんが超オススメってんだから読まぬわけにもなるまい。早々とナゲキバトの事件が起きる。なんでヒナの一方を始末しなけりゃならんの?父鳥が2羽育てるかもしれんし、それができんなら父鳥が判断するのに。と、ハンニバルの祖父ポップのこの指導に関しちゃ不服であった。ハンニバルどころか、俺なんてしょっちゅう嘘ついてたし、いたずら大好きだったし、平和をつくりだすよりもけんかしてた。ハンニバルなんてすいぶん“良い子”なんだけれど、それでも自らの弱さに悩むならば、ポップが温かく諭してくれる。ポップが語るある昔話、素晴らしい家族愛ではあるがとりわけ心打たれるものでもない。と、最後にそうきましたか。人生訓うんぬんよりも、最終段落で人びとを感動に導いたのね。
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