家守綺譚 の商品レビュー
奇譚:珍しい話や不思議な話。世にも珍しく不思議な伝説 喋り方や書き方からで、わりと昔の時代の設定なのかな。 植物が喋ったり、私たちが知る生物になったり、狸が化かしてきたり、花が姫に変わり、小鬼がいたり 読んでいて思ったのは、昔の人はスマホも何もない時代だから、考え事や妄想の世...
奇譚:珍しい話や不思議な話。世にも珍しく不思議な伝説 喋り方や書き方からで、わりと昔の時代の設定なのかな。 植物が喋ったり、私たちが知る生物になったり、狸が化かしてきたり、花が姫に変わり、小鬼がいたり 読んでいて思ったのは、昔の人はスマホも何もない時代だから、考え事や妄想の世界の対象が自然や生き物だったのではないかと思った。 今の私たちには、自然や生き物を対象に、こうだったら面白いと思うことなんて無いに等しい。 植物の描き方や、不思議な体験を少し固めの文章でつらつらと書かれている。 なんとなしに、自然と触れ合った気でいるのは私だけのかな。 漢字が難しくて調べながら読んだけど、なかなか勉強になりました。
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タイトルのルビも読まず裏表紙も確認せず “ヤモリの物語だ!”と手に取った。家守の話なんだけど。 手元に置きたいほど良き。
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俗世間を離れた地での気品ある日常系不思議物語。高貴で深遠な世界観。尊い。どうやったらこんな物語書けるんだろうと思う。
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だいぶ前に単行本では読んでいたけれど、すごく好きだったことしか覚えていなくて再読。 ちょうど今、散歩道のサルスベリが満開だ。 高堂が来て、「──サルスベリのやつが、おまえに懸想をしている」と言ったあたりで、もう心をつかまれた。 ああ、これやっぱり好きなやつだと思った。 続編があ...
だいぶ前に単行本では読んでいたけれど、すごく好きだったことしか覚えていなくて再読。 ちょうど今、散歩道のサルスベリが満開だ。 高堂が来て、「──サルスベリのやつが、おまえに懸想をしている」と言ったあたりで、もう心をつかまれた。 ああ、これやっぱり好きなやつだと思った。 続編があると知ったので、そちらも読みたい。 会話文はかぎ括弧がなく、「──」で始まっているからか、征四郎に共感しながら読むというより、一歩後ろから眺めているような、夢の中の出来事のような感覚になった。 川に遊びに行く時、祖父に「河童に尻子玉を抜かれるから深いとこに行ったらあかん。」と言われたことを思い出す。 山あいの小さな村にある祖父母の家は、妖のものがいてもおかしくないようなところだった。 山道のお地蔵様、お寺の境内での盆踊り、ひぐらしのなく夕暮れ、あぜ道で光る蛍。 懐かしい。
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琵琶湖に消えた親友の高堂の家を借りる物書きに起きるさまざまな不思議。 家守シリーズはファンの人も多いのではないかな、と思います。初めて読んだのはずいぶん前になりますが、あっという間にこの世界観に引き込まれました。ちょっと漱石を思わせるリズムの雅な文章と馥郁たる世界観に酔いしれた...
琵琶湖に消えた親友の高堂の家を借りる物書きに起きるさまざまな不思議。 家守シリーズはファンの人も多いのではないかな、と思います。初めて読んだのはずいぶん前になりますが、あっという間にこの世界観に引き込まれました。ちょっと漱石を思わせるリズムの雅な文章と馥郁たる世界観に酔いしれたことをおぼえています。 梨木さんはその土地に埋もれた歴史・ストーリーを掘り出して物語に埋め込むのが得意ですが、色々エッセイを読むとこのシリーズを書くために(あとカヌー)琵琶湖の辺りに事務所を持っていたそうで、それだけ力を入れて書いたのかなあ、と思いました。実際に地図を眺めながら読むととても楽しいのです。 寝入り端にこの本を開いていくつかエピソードを読んで寝落ちする。そんな数日を過ごしましたが、まさに至福の再読でした。
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人もあやかしも動物も そして夢も現実も ぼんやりと同じ世界に 漂うように存在していた感が 読んでいて心地よい そんな時代を知らないけど 知っているような気がする 100年くらい前のお話 しまぶっくにて購入
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2024.6.22 読了 舞台は約100年前、身の回りで起こる様々な事象が科学で解明される以前の自然がもっと身近で人々の想像力が豊かだった時代 綺譚というだけあって河童や人魚はでてくるしサルスベリは焼きもちを焼き狸は恩返しをする。 不思議だけどどこか懐かしい昔話のような心がほっ...
2024.6.22 読了 舞台は約100年前、身の回りで起こる様々な事象が科学で解明される以前の自然がもっと身近で人々の想像力が豊かだった時代 綺譚というだけあって河童や人魚はでてくるしサルスベリは焼きもちを焼き狸は恩返しをする。 不思議だけどどこか懐かしい昔話のような心がほっこりする短編集でした。
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池のある庭、床の間、風鈴。日本の長閑な原風景、そこへ溶け込むように現れる不可思議な存在たちとの静かで穏やかな交流が愛おしい作品。 美しいながらも、どこか弾むような愉しさがこめられた文体。登場人物たちの間で交わされる奥行きのある会話。締めくくりも、タイトル「家守綺譚」へ結実する見事...
池のある庭、床の間、風鈴。日本の長閑な原風景、そこへ溶け込むように現れる不可思議な存在たちとの静かで穏やかな交流が愛おしい作品。 美しいながらも、どこか弾むような愉しさがこめられた文体。登場人物たちの間で交わされる奥行きのある会話。締めくくりも、タイトル「家守綺譚」へ結実する見事さ。時間の流れを緩め、この世界に身を浸していたいと思える物語。すっかりこの世界観の虜です。続編があることを知り、早速本日購入。高堂がお気に入りです。
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芦奈野ひとし先生の コトノバドライブみたいな 少し不思議な雰囲気のように感じて 一気によみました 続編があるようなのでこれも探して 読んでみようと思いました
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家守奇譚とは‥‥家の番をする人の不思議な物語、くらいの意でしょうか? 怪異(全然怖くありません)を交えた身辺雑記ともとれる、とても不思議な味わいの小説でした。 時代は百年前、主人公は駆け出しの物書き・綿貫征四郎。物語は、学生時代に亡くなった親友・高堂の実家に、綿貫が「家守」...
家守奇譚とは‥‥家の番をする人の不思議な物語、くらいの意でしょうか? 怪異(全然怖くありません)を交えた身辺雑記ともとれる、とても不思議な味わいの小説でした。 時代は百年前、主人公は駆け出しの物書き・綿貫征四郎。物語は、学生時代に亡くなった親友・高堂の実家に、綿貫が「家守」として住み込むところから始まります。自然を中心に、ほのぼのとした日常が描かれたエッセイ風の24の掌編が綴られ、その全てに草木のタイトルが付けられています。 床の間の掛け軸から高堂やサギが現れ、庭のサルスベリが綿貫に想いを寄せ、(高堂のお告げで)犬にゴローと名付け‥。さらには、人に化けた狸、狐、小竜、小鬼、河童、人魚などが登場し、現世と異界の境界が曖昧になりながら、綿貫の毎日が過ぎていきます。 四季の移ろい、風や草木の音、匂い、光と影の描写が、どこか温かみと可笑しさのある文体と相まって、懐かしい原風景を観るようです。多様な草木の情景をこれだけ描けるのも、すごいの一言です。 「木槿(むくげ)」の編に、「土耳古(トルコ)に行っている友人の村田〜」のくだりがあり、『村田エフェンディ滯土録』を直ぐ思い出しました。あぁ、同じ百年前当時の和と洋の対比なんだなと、その乙な趣向も興味深かったです。
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