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二・二六暗殺の目撃者 の商品レビュー

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2023/10/05

二・二六事件の真相

本書は、1936(昭和11)年2月26日に勃発したいわゆる二・二六事件で犠牲となった一人、内大臣斎藤實と縁戚関係にあり、偶然にもその襲撃情況を目撃した著者が、自らの取材結果から事件の真相を告発しようとしたドキュメントである表題作と、事件後生家で余生を送り、少女にかえってしまった斎...

本書は、1936(昭和11)年2月26日に勃発したいわゆる二・二六事件で犠牲となった一人、内大臣斎藤實と縁戚関係にあり、偶然にもその襲撃情況を目撃した著者が、自らの取材結果から事件の真相を告発しようとしたドキュメントである表題作と、事件後生家で余生を送り、少女にかえってしまった斎藤實の未亡人の姿を絡めながら、書くのに疲れた小説家の後半生の生き様を描いた私小説風の短編の二編から成る。表題作における著者の認識・主張は明確であり、「二・二六事件は革命ではなく人殺しだ」ということである。事件の目撃者としての実体験に加え、軍人ではない一市民としての論述からは、物事の本質を見抜き、人々に真実を伝え残そうとするジャーナリストでもあった著者の使命感や執念が強く滲んでいる。

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