6ステイン の商品レビュー
心に沁みる
いずれも「防衛庁情報局」が絡む、連作短編集である。公にはできない地下組織に所属しながら、「任務」と「個人としての自分」の間でもがく工作員たちを描く。その人間くささが、痛みを伴いながら、心に沁みる……。
yui
福井晴敏氏の著書は初めて読みました。 スパイ物。正確に言えば、自衛隊公安にかかわる人々の短編集です。 公安にかかわる人々の、 国防ではなく人としてのありようが非常に真摯に伝わる作品でした。
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この人の本はどれも面白いし、 引き込まれるので大好きです。 今回短編集で、いつもと違うかなと思ったけど、 どれも話に引き込まれるし、 一部、話がリンクするところもあり、 それがまた面白く。 アクション映画を見ているようなハラハラ感を 味わえました。
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愛する男を待ち続ける女。 隠居した天才的スリ。 タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。 心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。 あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。 最後の1作には、亡国のイージスに登場す...
愛する男を待ち続ける女。 隠居した天才的スリ。 タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。 心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。 あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。 最後の1作には、亡国のイージスに登場する、如月行も出てきます。 思わずにやりとしてしまいます。
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久々に福井晴敏を読んだのでまとめて登録 この短編集、何となく引き込まれて一気に読んだ 特に「畳算」はいいねえ Don't fall in love with me
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図書館より 防衛庁情報局市ヶ谷の人々の活躍を描いた短編集。 印象的なのは『畳算』 とある任務のためにさびれた旅館に向かう市ヶ谷の男性職員が主人公。 彼の交渉相手となる老婆のイメージが鮮烈です。男らしくもありそれでいてとても女らしく彼女の半生を考えるととても切なく感じます。 『...
図書館より 防衛庁情報局市ヶ谷の人々の活躍を描いた短編集。 印象的なのは『畳算』 とある任務のためにさびれた旅館に向かう市ヶ谷の男性職員が主人公。 彼の交渉相手となる老婆のイメージが鮮烈です。男らしくもありそれでいてとても女らしく彼女の半生を考えるととても切なく感じます。 『920を待ちながら』は先の読めない展開の続くミステリー要素の強い作品で、良かったです。過去の記憶を引きずる主人公の描写もハードボイルド的でかっこいい! どの短編もアクション要素やハードボイルドの要素を詰め込んだ作品でした。ただ短編として書くには情報量やスケールが大きすぎたためか少し読みにくい文体だったかなあ、という印象も残りました。 日本推理作家協会賞〈短編部門〉候補作『畳算』収録
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前出の2作と比較するとえらくあっさりした感じの作品集です。 しかし、共通の世界観があったり、他の作品の登場人物が出てきたりと、 福井ワールドにどっぷり浸かっている私には非常に面白い作品です。 かといって、他の福井作品を読んでいないと入り込めない訳ではなく、 むしろ、福井作品への入り口にしても良いくらいです。 収録作品数は6作。 全てにおいておなじ組織が関与しているのが特徴ですね。 その組織、これからの日本には本当に存在していてもおかしくないと言うか むしろ、必要になってくるのでは?と思ってしまう組織です。 まあ、自分は関わりたくないですけどね。
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『魂』について考えさせられました。生き死にの魂ではなくて、心の中に潜めている熱さ。何かをやり遂げようと死に物狂いで走り抜けること。 やられました。何の見返りもないし、辛いことばかりでやるせない、苦しいのに、それでも向かって行かなければならない人たち。 街のどこかに彼らはいる。さっきすれ違った人。そんな風に思えるほど、リアルでした。
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「6ステイン」福井晴敏 アクション短編集。特になし。 福井さん十八番の自衛隊モノ、短編6編。 設定と勢いと緻密なストーリー展開でどかーんと読ませてくる大作作家のイメージが強い福井さんなんですが、今回初めて短編集を読みました。 印象としては「大きいストーリーの中の一部分を...
「6ステイン」福井晴敏 アクション短編集。特になし。 福井さん十八番の自衛隊モノ、短編6編。 設定と勢いと緻密なストーリー展開でどかーんと読ませてくる大作作家のイメージが強い福井さんなんですが、今回初めて短編集を読みました。 印象としては「大きいストーリーの中の一部分を切り取ってきた感じ」です。 息つく間もなく盛り上がってそのまま走り去っていく、という感じではなくて、やはりいつもの通りワケありの過去をかかえた主人公達が大なり小なりの事件に出会い、そしてこれからも生きていく。 それぞれが完全に独立した短編集ではないので、それぞれの話の共通点を見ていくと面白いかも。 もちろん舞台が一緒ですから他の長編ともつながっています。 どの短編も好きですが、「断ち切る」「920を待ちながら」が特に好き。 他のものも含めてやはり情況描写が巧い! 長編ものを読んでからの方が楽しめると思います。(4)
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防衛庁のAPが主人公の短編集。普段は他の職業をこなしながら、召集がかかると任務につく人たちの物語。短編として独立しても楽しめるが、前後でつながりがあったり、如月行が登場したりと楽しめる。また個人的には故郷の懐かしい鉄道が舞台の物語があり、嬉しかった。
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