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夜のパパ の商品レビュー

4.1

12件のお客様レビュー

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2024/02/24

図書館でたまたま見かけて、子どもの頃読んだことを思い出した。 夜のパパという不思議な存在(今読むとベビーシッターとわかる)、交互に語るという構成、そして挿絵から感じる夜の空気…どれも懐かしく感じながら読むことができた。内容はほとんど忘れていたので、初読の気分も味わいつつ。 ユリ...

図書館でたまたま見かけて、子どもの頃読んだことを思い出した。 夜のパパという不思議な存在(今読むとベビーシッターとわかる)、交互に語るという構成、そして挿絵から感じる夜の空気…どれも懐かしく感じながら読むことができた。内容はほとんど忘れていたので、初読の気分も味わいつつ。 ユリアと夜のパパが交互に記述を進める(でもお互いの書いたところは読まないルール)という構成が面白くて、二人が本を書いている時間軸と、そこに書かれていることを経験した時間軸が並行している。なので、登場人物の追体験をするというよりは、第三者になって二人から話を聞いている感覚になれる。二人の語り口から察するに、親密な第三者になれたような。 この構造のため、全ての場面が明らかに語られる訳ではないので、逆に、ここにない場面が二人の間にはもっとあるんだろうなと想像でき、そこからより二人の間の信頼感や親密性みたいなものも感じることができる。 面白い〜続巻も続けて読みたい。 子どもに勧めるなら、ある程度読む力がある子でないと難しいかもしれない…けど、良い本好きな本。

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2023/05/29

「未婚で夜勤看護師をしているユリアの母親が、夜、ユリアの面倒を見てくれる人(夜のパパ)を募集すると、やってきたのは、石に関する本を執筆中の男の人でした。しかもその人は、スムッゲルというフクロウをつれてきたのです。  もう子供じゃないんだから、夜のパパなんかいらない、と怒ったユリア...

「未婚で夜勤看護師をしているユリアの母親が、夜、ユリアの面倒を見てくれる人(夜のパパ)を募集すると、やってきたのは、石に関する本を執筆中の男の人でした。しかもその人は、スムッゲルというフクロウをつれてきたのです。  もう子供じゃないんだから、夜のパパなんかいらない、と怒ったユリアは、「じゃましないでください!立ち入り禁止!」と貼り紙をして、自分の部屋にこもります。ところが、奇妙な鳴き声が聞こえてきて、興味をひかれたユリアは・・。 10歳の女の子の感覚を、内面(ユリアの日記) )と外面(夜のパパの日記)から、生き生きと描いた物語。」 (『大人のための児童文学講座』ひこ・田中著 より)

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2019/05/17

以前読んだ「鳴りひびく鐘の時代に」も好きすぎたけど、またぜんぜん違った、現代のお話しで、なんともユニークで、いいなぁ。 看護師のママが夜のお仕事の時に、娘が一人にならないようにと、夜の子守りを雇うことになる。しっかりものの女の子はママが勝手にきめたので、頭にきている。夜のパパな...

以前読んだ「鳴りひびく鐘の時代に」も好きすぎたけど、またぜんぜん違った、現代のお話しで、なんともユニークで、いいなぁ。 看護師のママが夜のお仕事の時に、娘が一人にならないようにと、夜の子守りを雇うことになる。しっかりものの女の子はママが勝手にきめたので、頭にきている。夜のパパなんていらないし、私の部屋には絶対に入らなせないで!なんて言っていた。。 ところが、やってきたのはふくろうを連れたなんだか気になる人。。 意地をはるというか、自分をしっかり持ったまま、夜のパパと接していく姿がとても可愛らしく、また夜のパパも女の子(ユリア)のことを変に子ども扱いしたりはしないところが凄くいい、2人の関係。 そして、夜のパパを証明するために2人は本を書くとにする… なんていう、変わったおはなし。夜を印象的にさせるために、ふくろうがいたり、夜だけに咲く花のエピソードがあったり、よくできてるなー。そして、2人の会話が本当に素敵✨ 「秘密ってものはね、人におしゃべりしてこそ、はじめて秘密になるのよ」 「夜ふかしすることを『ふくろうみたいに起きてる』って言うんだよ」 やっぱり子どもを見守る素敵な大人の存在、いいなぁ。児童文学の醍醐味。 #児童文学 #マリアグリーペ

Posted byブクログ

2018/12/24

看護師のお母さんが夜勤をしている間、ユリアのいる家で夜を過ごす「夜のパパ」。 自分の仕事をしてもいいし、寝ていてもいい。 お母さんが帰る少し前に自分の家に戻るという条件で雇われた「夜のパパ」は、警戒しているユリアの心を少しずつ開けていきます。 ユリアが警戒していたのは、お母さん...

看護師のお母さんが夜勤をしている間、ユリアのいる家で夜を過ごす「夜のパパ」。 自分の仕事をしてもいいし、寝ていてもいい。 お母さんが帰る少し前に自分の家に戻るという条件で雇われた「夜のパパ」は、警戒しているユリアの心を少しずつ開けていきます。 ユリアが警戒していたのは、お母さんが自分に相談なしにそういう人を雇ったということ。 でも、「夜のパパ」はユリアの意見をちゃんと聞いて尊重してくれるし、ペットのフクロウもつれてきてくれる。 二人は一緒に夜空を眺めたり、散歩したり、お話をしたり。 学校の友達とうまくいかないユリアは、「夜のパパ」と交替で日記を書くことで自分の心を整理して、悩みを昇華していく。 そして、「夜のパパ」も子どものように素直にユリアの言葉を受け止め、一緒に悩み、解決の道筋を考える。 母とユリアの関係は書かれていない。 学校のユリアと夜のユリア。 最初「夜のパパ」はユリアの心の中にだけいるのかと思ったけれど、どうもそうではないらしい。 だとすると、これだけユリアという少女の心に添える「夜のパパ」を見つけ出したママの目が素晴らしい。 じんわりと心に沁みる作品だけど、今の子どもたちに伝わるかな。 それとも寂しい今の子どものほうが、感じる部分が多いのかな。

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2013/02/06

夜になると私のうちにやってくる夜のパパ。 私ね、夜のパパのほんとうの名前を知らないの。 でも夜のパパも私のほんとうの名前は知らないのよ。 だって私、ほんとうはユリアって名前じゃないもの。 でもね、ほんとうの名前を知らないなんてこと、そう大した問題なんかじゃないわ。 ...

夜になると私のうちにやってくる夜のパパ。 私ね、夜のパパのほんとうの名前を知らないの。 でも夜のパパも私のほんとうの名前は知らないのよ。 だって私、ほんとうはユリアって名前じゃないもの。 でもね、ほんとうの名前を知らないなんてこと、そう大した問題なんかじゃないわ。 私と夜のパパ、それにふくろうのスムッゲルと夜の女王がいれば、それはほとんどが素敵な時間に変わってしまうの。 *** 不思議と広がる温かくも神秘的な雰囲気に魅せられて、 読み終えてしまうのがもったいないというか、終わらないでって気持ちになりました。 読後は物語がというよりは、その雰囲気が印象として深く残る感じ。日本では「月光美人」という名だそうですが、夜の女王が花開くシーンなんかは もう本当に神秘的で美しいと思いました。

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2012/09/14

子供の頃、図書館で借りてマリア・グリーペさんの本を何冊か読みました。子供が読むにしては分厚くて、出てくる女の子もちょっと影のある子が多かったけれど、わたしにはそこがあっていたようです。また読んでみたいなぁ…森の少女ローエラもお勧め。

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2011/04/22

ユリアと夜のパパが交替で(それを互いに見せ合わない体で)書いていくという形式はいいと思う、あと、夜のパパと親しくなるまでは面白かった。しかしウッラたちのことを書きだしてから、ドンドンつまらなくなった。友だちだと思っていなければほんとうのひとりぼっちになってしまう、というユリア(あ...

ユリアと夜のパパが交替で(それを互いに見せ合わない体で)書いていくという形式はいいと思う、あと、夜のパパと親しくなるまでは面白かった。しかしウッラたちのことを書きだしてから、ドンドンつまらなくなった。友だちだと思っていなければほんとうのひとりぼっちになってしまう、というユリア(あるいはウッラ)のデリケートな心の揺れを表現できているかというとできていないと思う。そこにこの本が書かれる理由があるわけだから、強がりをイタズラに書きあらわしているのが嫌だった。訳にも問題があるのかもしれないが。

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2011/03/07

ここにレビューを書きました。 http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/54eb0ccd15a6b22205641c5b6f3d5f5f

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2009/10/04

とても不思議な感覚になる。夜のパパは小説家なのかな? 気になる。 夜のパパも、本を書くためにたくさん本を読んでいる。「読まないと書けない」 やっぱりこれは真実らしい。

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2009/10/04

パパのいない主人公ユリアの元に、ママに雇われた夜のパパがやってくる。反発するユリアだがやがて二人の間には友情のようなものが芽生えてきて・・・。一人と一人が真摯に向き合う事の大切さ、美しさ、かけがえの無さ、そんなものが詰まった宝石箱のような(あるいは本当の秘密のような)物語でした。...

パパのいない主人公ユリアの元に、ママに雇われた夜のパパがやってくる。反発するユリアだがやがて二人の間には友情のようなものが芽生えてきて・・・。一人と一人が真摯に向き合う事の大切さ、美しさ、かけがえの無さ、そんなものが詰まった宝石箱のような(あるいは本当の秘密のような)物語でした。孤独感に苦しむ子供達にも是非読んで欲しいと思いました。

Posted byブクログ