大西洋の脅威U99 の商品レビュー
ドイツ海軍ユーボートのエースクレッチマーの評伝。 撃沈船舶総トン数でダントツの量を誇る彼に取材したノンフィクション。 作者は英国人であるけどもクレッチマーのことを武人として尊敬しているようだ。ほかの有名なUボート乗りのライバルのことを良くは書いていない。 彼の戦いをさまざまなエピ...
ドイツ海軍ユーボートのエースクレッチマーの評伝。 撃沈船舶総トン数でダントツの量を誇る彼に取材したノンフィクション。 作者は英国人であるけどもクレッチマーのことを武人として尊敬しているようだ。ほかの有名なUボート乗りのライバルのことを良くは書いていない。 彼の戦いをさまざまなエピソードを交えて描写している。 彼が考えついた戦術の威力を説明。 昼間は目標船団を追尾して夜になると浮上しごく短距離から魚雷一発で確実に仕留めるという大胆な戦法だ。潜水艦の搭載魚雷本数は10本ちょっとだから無駄には使えない。ただし英国側の対策がうまくいきだして大戦半ばからほとんど戦果をあげられ無くなった。 その前にクレッチマーは英国海軍に捕らえられ終戦まで捕虜としてすごすことになる。捕虜でありながら母国との暗号で情報をやりとりし脱走計画を指揮していた。 Uボートについての文庫本は数少なく、その中で重要な本であるといえる。 個人的に資料としては良いと思うが読み物としてはどうだろうかと感じた。エピソードは意外さやリアリテイを感じていいのだが戦記ものとしてはまあ普通だし(贅沢なことだが)、語り口?に疑問を感じた。古い本だし巧みな小説家が書いたものでないのは分かってるんだが。
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