歴史教育と歴史学 の商品レビュー
発行が1991年とずいぶん古い本ですので、内容に新鮮さはありませんが、この本の執筆者のような先生方の努力によって(十分ではないかもしれませんが)それまでの様々な問題が克服された教科書が今の生徒達に使用されているということを思いますと、感謝せずにはいられません。例えば2ページ目の「...
発行が1991年とずいぶん古い本ですので、内容に新鮮さはありませんが、この本の執筆者のような先生方の努力によって(十分ではないかもしれませんが)それまでの様々な問題が克服された教科書が今の生徒達に使用されているということを思いますと、感謝せずにはいられません。例えば2ページ目の「問題は・・・価値観自体を持つことが悪いのではなく、主観が直接に歴史の叙述に反映された場合、学問としての歴史学の存立が失われかねないという点にある。・・・「歴史の陥穽」とも言うべき、この問題は、叙述主体たる自己の問題意識(主観的価値判断)を、対象に内在する論理であるかの如く打ち出そうとする点にある。このことは、歴史学が「考証のための考証」というミクロ主義に陥ることや、逆に「実証なき政治主義」という状況を生み出すことへの警鐘ともなろう。」という指摘は、現在でも世界で最も客観的であろう日本の歴史教科書に対しさらなる改良を常に求め続け、よりよい歴史教科書作りを推進します。また最後の章では歴史学における様々な視点(社会史や民衆史、心性史や歴史地理学など)をどのように歴史教育に応用すべきかを述べています。日本の歴史教育における名著と言ってもよいと思います。ただし、最初にも述べましたがなにぶん20年近く前の本であるということは常に念頭に置かなければなりませんが。
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