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鉄道員 の商品レビュー

4.2

147件のお客様レビュー

  1. 5つ

    54

  2. 4つ

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  3. 3つ

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映画と併せてぜひ。

第117回「直木賞」受賞。映画化もされ、その静謐で切ない世界に、涙した人も多いのでは?ある不器用な男の生き方が、死んでしまった美しい女からの手紙が、しんしんと心に染みてくる短編集です。お見事。

abtm

2024/02/28

短編集。 どのお話も穏やかなストーリーで、激しい起承転結はありませんが、余韻に浸れます。私の日常もこんなふうなのだろうか、と。

Posted byブクログ

2022/02/05

8作品全部良かったなー。「ぽっぽや」も良かったけど「うらぼんえ」も泣けた。そこでおじいちゃんが登場!ってビックリだったけど孫を想う人情のあるおじいちゃんだったな。 でも「ラブ・レター」が読後に一番心に残ったかな。留置場から釈放された吾郎は妻が亡くなったと聞かさせるが、実は偽装結婚...

8作品全部良かったなー。「ぽっぽや」も良かったけど「うらぼんえ」も泣けた。そこでおじいちゃんが登場!ってビックリだったけど孫を想う人情のあるおじいちゃんだったな。 でも「ラブ・レター」が読後に一番心に残ったかな。留置場から釈放された吾郎は妻が亡くなったと聞かさせるが、実は偽装結婚であったため顔も知らない相手だった。しかし亡くなった妻、白蘭と言う女性からの手紙を吾郎が読み心が揺れ動いていく。 浅田次郎さんはまだ2作目だけど、登場人物がみんな粋だねぇ。読んでて気分がいい。

Posted byブクログ

2021/08/04

 一九八七(昭和62)年4月1日、日本国有鉄道は、分割民営化され北海道旅客鉃道㈱(JR北海道)となった。 北海道だけが、鉄道とは書かない。「鉄道」が「鉃道」なのです。何とも奇妙な名前です。  終着駅・幌舞は、日に三本しか走りません。 明治以来北海道でも有数の炭鉱の町として栄えた...

 一九八七(昭和62)年4月1日、日本国有鉄道は、分割民営化され北海道旅客鉃道㈱(JR北海道)となった。 北海道だけが、鉄道とは書かない。「鉄道」が「鉃道」なのです。何とも奇妙な名前です。  終着駅・幌舞は、日に三本しか走りません。 明治以来北海道でも有数の炭鉱の町として栄えた。全長二十一・六キロの沿線に六つの駅を持ち、本線に乗り入れるデゴイチが石炭を満載してひっきりなしに往還したものだった。それが今では、朝晩に高校生専用の単行気動車が往復するだけで途中駅はすべて無人になった。  物語は、主人公の佐藤乙松が今年で定年を迎え、過去の回想シーンの投影と現在の出来事が描かれているのです。家族はいない、いや、いなくなった。女房静枝が死んだとき、美寄の病院の霊安室でじっと俯いていた。仙次(乙松の一年後輩)の妻は、乙松は薄情者だという。危篤の報せは何回もしたのに最終の上りでやってきたのだった。結局最期を看取ってしまったのは仙次の妻だ。 (乙さんなして泣かんのね!) (俺ァ、ポッポヤだから、身内のことで泣くわけいかんしょ)  乙松には子がいなかった。  幌舞駅の事務室の奥、六畳二間に台所のついたところが乙松の住まいだった。小さな仏壇には父親の写真とずいぶん若い時分の女房の写真が並んでいる。「乙さんの子、写真はないのかい」「ああふた月で死んじまったでなあ」「俺ァ、ユッコ(雪子)の齢をいまだ算えてるんだわ、生きてりゃ十七だべさ」  医者さえいないこの村に生まれて、すきま風の吹く事務室つづきの部屋に寝かせていたからだ。仕事が子どもを殺してしまったのだと思うと、乙松はやり切れない気持ちになった。十七年前の吹雪の朝に、女房の腕に抱かれたユッコをあのホームから送り出した。  そしてその晩の気動車で、ユッコは同じ毛布にくるまれ、ひゃっこくなって帰ってきたのだった。(あんた、死んだ子どもまで旗振って迎えるんかい)中略(ユッコが雪みたいにひゃっこくなって帰ってきたんだべさ)  妻が乙松に向かって声を荒げたのは、後にも先にもその一度きりだった。  ポッポヤはどんなときだって涙のかわりに笛を吹き、げんこのかわりに旗を振り、大声でわめくかわりに、喚呼の裏声をしぼらなければならないのだ。ポッポヤの苦労とはそういうものだった。  仙次は淋しい正月をともに過ごすため、酒とおせち料理を持ってやってきた。昔話に花が咲いた。仙次と乙松は、厳しい時代を生き抜いた戦友である。しこたま酒をかっ食らった仙次は寝てしまった。  その夜、不思議な出来事が起こったのだ。乙松は、おもわず天井を見上げたまま涙を流した。娘が亡くなった時も泣かなかった乙松が泣いた。  そのわけは何だったのか?  「出発、進行ォー」声をしぼって、仙次は喚呼した。  お薦め作品です。  読書は楽しい。

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2021/10/06

知ってはいたが、何となく読みたくなくて、手に取らずにいた作品。 期待値が高すぎたからか、それほどでもなかった。

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2020/01/14

直木賞受賞作品。8つの短篇はどれも切なく、人の優しさを感じさせる作品でした。映画化もされた表題作よりも「ラブ・レター」「角筈にて」「オリヲン座からの招待状」が非常に良かった。浅田さん初読ですが他の作品も読んでみよう。

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2019/05/05

平成の直木賞受賞作品のひとつとして読みました。 映画の原作でもあり、長編小説だと思って読み始めたので、短編集だったことに少し驚かされました。 家族(親子や夫婦)間の「愛」の形をテーマとした作品集だと思います。 作品としては、表題作の「鉄道員」のほかに、「ラブ・レター」、「角筈に...

平成の直木賞受賞作品のひとつとして読みました。 映画の原作でもあり、長編小説だと思って読み始めたので、短編集だったことに少し驚かされました。 家族(親子や夫婦)間の「愛」の形をテーマとした作品集だと思います。 作品としては、表題作の「鉄道員」のほかに、「ラブ・レター」、「角筈にて」「うらぼんえ」あたりの作品が読後感のよい心温まるストーリーでした。 「悪魔」「伽羅」といった、後味が悪めの作品も、不思議な世界観があって印象的ではありましたが、好みがわかれるかもしれません。 全体として、ストーリー展開に奇をてらった部分はなく、大きなどんでん返しなどで読ませる作品ではありませんが、「人のもつ優しさ」や「家族への愛」を鮮やかに描き出した作品だと感じました。

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2019/02/19

『椿山課長の七日間』を読んで、もっと他の作品も読んでみたいと手に取った短編集。 この中で好きなのは、ラブ・レター、角筈にて、うらぼんえ、オリオン座からの招待状 不法入国した中国人の女と戸籍上だけの結婚をした男が、その妻が病死したと連絡を受け身元を引き取りに行く。そこで手にした...

『椿山課長の七日間』を読んで、もっと他の作品も読んでみたいと手に取った短編集。 この中で好きなのは、ラブ・レター、角筈にて、うらぼんえ、オリオン座からの招待状 不法入国した中国人の女と戸籍上だけの結婚をした男が、その妻が病死したと連絡を受け身元を引き取りに行く。そこで手にした会ったこともない妻からの「ラブ・レター」。 子供の頃自分を捨てた父親の姿を、都会の雑踏の中に見つける。「どうして迎えに来てくれなかったのか?」その問いをやっと父親に問うことができた「角筈にて」。 祖父母に育てられたちえ子。夫の愛人に子供ができた。夫の田舎では夫の祖父の新盆の法事が行われる。そこで舅・義兄から離婚をせまられたちえ子のもとに、死んだはずの自分を育ててくれた祖父が現れる「うらぼんえ」。 子供の頃によく通った、京都西陣の古い映画館「オリオン座」が閉館するという。最後の上映会の招待状が別居中の夫婦のもとに届けられる「オリオン座からの招待状」。 優しく、悲しい短編集です。 電車の中で読むのは厳禁。絶対に泣きます。

Posted byブクログ

2017/11/02

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA3065656X

Posted byブクログ

2017/10/25

ドラマや映画化がされるのがよくわかる。人物像もよく描けているし、短編の中にこめられたものが深い。鉄道員もいいけど、ラブレターも切なくていい。うらぼんえ もファンタジーでよい。オリオン座から~も映画化されていた。浅田さんは文章がうまいなあ。

Posted byブクログ