1940年体制 の商品レビュー
自民党の55年体制というが、今の日本の体制の根底には1940年体制、つまり戦時中に作られた制度や考え方が今まで残ってきたことに起因しているという話 中身自体は興味深いのだが、分量が多く読むのが大変ではある
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現在の日本経済で改革を成し遂げるために大きな障害となっているシステム‐「日本型システム」-は、戦時経済体制に向けて1940年前後に集中して構築された。太平洋戦争に突入する直前、総力戦を戦うために形成されたこのシステムを「1940年体制」とし、この仕組みが如何なるものであるかを解明...
現在の日本経済で改革を成し遂げるために大きな障害となっているシステム‐「日本型システム」-は、戦時経済体制に向けて1940年前後に集中して構築された。太平洋戦争に突入する直前、総力戦を戦うために形成されたこのシステムを「1940年体制」とし、この仕組みが如何なるものであるかを解明するのが、本書である。1940年体制の大まかな構成要素は下記5つ。 ・日本型企業 従業員の共同利益のための組織体制。終身雇用、年功序列。 ・間接金融 戦時下、資源を軍需産業に傾斜配分させることを目的としたもの。 ・官僚体制 経済活動に対する官僚体制や行政指導、 そのためのツールとしての業界団体、営団、金庫。 ・財政制度 源泉徴収制度、法人税など直接税中心の税制。 税財源を中央集権化し、補助金を地方に分配する仕組み。 ・土地制度 食糧管理法に端を発する、地主の権利が著しく弱い仕組み。 市場、ひいては国民生活の自由度を制限する現在日本の体制は、日本古来のものではなかった。しかし、「日本語が変えられぬように日本型システムは変えられない」という一種の開き直りの論理を前提に敷いてしまい、この延長線上で改革を行ってきた結果、高度経済成長以降の閉塞を打破できない現状がもたらされている。 本書では、上記1940年体制は総力戦遂行という特定の目的のために導入された、歴史的観点においても特殊な体制であり、必ずしも日本人の特性に基づいたものではないこため変革可能であることを説く。 そのうえで、中央集権から地域・個人の自由な経済活動を保障する体制への変革、そして個々人それぞれが創造的に自由に夢を持ち、邁進できる社会へシフトする必要性を主張する。
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証券、銀行、保険、カード、ローン、リースなど「金融」に携わるビジネスマンは必ず読むべき、イヤ読まないといけない本やと思う。また、今の日本の経済や政治に対して何らかの疑問や不満を持つ人もこの本を読んで、なぜ今のこの日本のカタチが出来上がっているのかについて理解が出来ると思う。 浅...
証券、銀行、保険、カード、ローン、リースなど「金融」に携わるビジネスマンは必ず読むべき、イヤ読まないといけない本やと思う。また、今の日本の経済や政治に対して何らかの疑問や不満を持つ人もこの本を読んで、なぜ今のこの日本のカタチが出来上がっているのかについて理解が出来ると思う。 浅くは知っていたが、知らない事や勘違いしていた知識の修正、アップデートになりました。 この本を推奨して下さったライフネット生命の出口社長には感謝。
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日本の経済構造/仕組みが1940年前後に作られているという著者の指摘は鋭く、データに裏打ちされたロジックはとても的を得たものだと思った。戦時の国家総動員で事に当たるために作った法律は戦後も機能していく。戦後の日本を理解する上でとても興味深い本である。
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マクロ政策論争は議論百出、面白いですね。傍観者で申し訳ないですが・・・。 1940年代に作られた「戦時体制」があり、その中心にすえられているのが借地・借家法や食糧管理制度、そして戦後にわたってこれらの制度を存続させてきたのが通商産業省・大蔵省などの経済官僚を中心とする経済政策で...
マクロ政策論争は議論百出、面白いですね。傍観者で申し訳ないですが・・・。 1940年代に作られた「戦時体制」があり、その中心にすえられているのが借地・借家法や食糧管理制度、そして戦後にわたってこれらの制度を存続させてきたのが通商産業省・大蔵省などの経済官僚を中心とする経済政策である、といった感じでしょうか。そして、その体制は2002年の段階でもなお生き残っている、と。 政治過程論においてこのテの官僚論があるのかよくわかりませんが、リクルートメントの段階から考えると、この仕組みの礎には「東大法学部卒の選ばれたエリートによる計画主義」が思想的底流に存在している点を指摘することができるでしょう。このことは、御厨貴先生や立花隆氏が度々論じておられる日本近代(特に日露戦争後:戊辰詔書以降)の日本の制度的滞留と関係があるのではないかと思われます。計画主義の終焉とは経済学的にはケインズ主義の終焉・マルクス主義の崩壊、日本政治史的には、東大卒官僚エリート主義の崩壊、とまとめてよいのではないかな。このようにフレーズにしてしまうと、「1940年体制は残存し、日本の停滞の元凶となっている、これを変えていくことが真の構造改革である」という野口氏のテーゼには説得力がありますね。 一方で、エリート主義はエリートにたかる「惑星・衛星」を無数に持つ太陽系的システムなんでしょう。東大に対する「学問の京大」「政治・ジャーナリズムの早稲田」「財界の慶応」、そうした惑星に群がる「衛星」としての学閥・地域閥・閨閥。こうした文脈からは、田中角栄ですら、この太陽系で最大の超惑星に過ぎなかったといえるでしょう。こうした惑星・衛星の構造が年功序列や「上意下達」「体育会系」だののノリを生んでいるのでしょうか。それは社会を渡り歩いたわけではない私にはわかりません。が、日本における「身分制度」の一部に学歴やノリが利用されている事はいえるのではないかと思います。1940年体制とやらの改革は、GHQにもできなかったものであり、野口氏の言うように更なる危機の中でしか起こりえないのかもしれません。 果たして、この太陽系を「漸進的に変える」事ができるのでしょうか。あるいは、レッセ・フェ−ルはパターナリズムに取って代わる魅力を持ちうるのでしょうか。僕はこの点には若干の疑問を禁じえません。たとえば農業分野において、急進的で農業を崩壊させて再編するような選択は、食の安全や自給率や多面的機能に右往左往する国民の選択肢に上るとも思えないのです。そこに巣食う官僚主義が問題だとしても…。しかし、「終わりなき日常を生きろ」になってしまうと農業経済学者は存在意義を失います。ジレンマですね。
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?日本型企業:終身雇用/年功序列賃金/企業別労働組合 ?間接金融 ?直接税中心税制 ?中央集権的財政制度
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