貘夢奇談 の商品レビュー

椹野道流(著者)

正しくは「貘夢奇談」…

[文庫ＯＦＦ]

正しくは「貘夢奇談」。シリーズ15作目「ばくゆめ奇談」。今回の天本家は千客万来。貘というからには勿論、河合も大活躍します。更には例のあの人が、またちょっかいを出してきて一気に憂鬱にさせられました…。

舞台は森と敏生の家。…

[文庫ＯＦＦ]

舞台は森と敏生の家。ある日、突然尾沢が尋ねて来た。イギリスである箱枕を貰い、それを枕にして眠ったところ、記憶の一部を失ったという。／ついに、森の父親が身近に登場します。謎の多い父親の一面が明らかにされますが、さらに不気味な空気に包まれる一冊です。

2009/10/04

思いがけない人物の登場で、とても切なく悲しい、それでも心の奥底で灯がともるような暖かさを感じられるこの１冊。
今回は美代子さんの恋人である尾沢さんに起きた怪事件の謎に迫ります。取材に訪れた先で箱枕をもらった尾沢さん。もらったその日に箱枕を使って眠ると、少女と獏に出逢って記憶を喰われてしまい…。
天本さんのお父さんも登場した今回。天本さんの過去にまた一つ謎が増え、お父さんの不気味さにも不安を覚えてしまいます。
それでも、人の想いの暖かさも寂しさも、悲しさも喜びも。そういうものを感じられましたし、切なさや悲しさに思わずうるっときました。
それでも最後には暖かくて優しい、二人の幸せを見付けられますよ。