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ミステリ・オペラ の商品レビュー

3.5

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2010/01/29

とにかくいろんな意味で重かった。見立て殺人だの平行世界だの暗号だの密室だのとありとあらゆる要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、これ一冊でもうおなかいっぱい、という感じ。気合いを入れて取り掛からないとかなりしんどい一冊なんだけれど、読んで損はなし。 あと、事件が起こるたびに表紙の...

とにかくいろんな意味で重かった。見立て殺人だの平行世界だの暗号だの密室だのとありとあらゆる要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、これ一冊でもうおなかいっぱい、という感じ。気合いを入れて取り掛からないとかなりしんどい一冊なんだけれど、読んで損はなし。 あと、事件が起こるたびに表紙の装丁にその場面を探すと面白い。

Posted byブクログ

2017/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●厚いそして重い。肩と腰に大ダメージ発生。その割りには・・・な小説。てっきり「幻想(ファンタジー)を多分に含んだ歴史ミステリ」ジャンルだと言う構えで読んでいたら、失敗しました。私が。 ●ひとつ目のマイナスは、関東軍や満映を扱ってるわりに、その辺の登場人物が「らしくない」こと。残念なことに、書き割りの登場人物以上には見えませんでした。次に「音楽」。 この物語にはモーツァルトのオペラ『魔笛』が重要な役割を果たします。 音楽と文章は全く異なるものです。音楽を文章であらわすことも、文章で音楽をあらわすことも、本来、不可能なことなのです。 それでも、『死の泉』しかり、高野史緒の『ムジカ・マキーナ』『カント・アンジェリコ』しかり、行間から音楽が聞こえてくるような小説も一部には存在し得るのです。 音楽をモチーフとして扱う以上、この小説にもそれを目指して欲しかった。 この小説は、歌詞や台本に見られる言葉やストーリーを重要な素材として扱ってはいますが、音楽そのものへの執着がほとんど感じられません。 確かに、ポイントとなるのはストーリーであって音楽ではないのですが、それでも、もう少し音楽への愛情を見せて欲しかったと感じます。ないものねだりだとは思いますが。 ●・・・そんなこんなで私めは、この小説がミステリから逸脱しているのかしてないのか、「幻想」に落ち着くのか「現実」に着地するのか、いろいろ疑いながら、読み通したわけでございます。 なんか作者の思うツボってカンジもしますが。 そして、たぶん作者がいちばん言いたかったと思われる探偵論だか何だかは、所詮ミステリファンではない私には届かずに終わったのでした(笑) お話自体に酔えなかったからなあ。しょうがないでしょ。 逆に言えば、これはちゃんとした推理小説ファンが読んだら面白いんでしょうね。ですよね??

Posted byブクログ

2009/10/04

読む事に疲れた。 ヒュー・エヴェレット(Hugh Everett)「多世界解釈」の波動関数 二重スリット シュレーディンガーの猫」の実験仮説から想起したSFでありそこに昭和初期の混沌を魔笛をかぶせて  奇怪な殺人事件をかぶせていくストーリー  しかし同じ事の繰り返し 惜しいことに...

読む事に疲れた。 ヒュー・エヴェレット(Hugh Everett)「多世界解釈」の波動関数 二重スリット シュレーディンガーの猫」の実験仮説から想起したSFでありそこに昭和初期の混沌を魔笛をかぶせて  奇怪な殺人事件をかぶせていくストーリー  しかし同じ事の繰り返し 惜しいことに平行世界の解釈は間違っています。波動関数と観測点の問題を考えれば 無数の平行社会を幽霊が飛び回ることは不可能なのです 。デルタ関数によって収束されるし 波動は互いに干渉しあっているので平行社会の像は安定しない。量子論で波動を優先させるならば なおさら無理な解釈 すこし期待はずれ でもステレオ的な描写は面白かったですす

Posted byブクログ

2009/10/04

なんとまあ…序盤からこれでもかこれでもかというほどに連発されるのは尋常じゃないくらいな不可能犯罪。というか、探偵小説というものが今までに使ってきたあらゆるガジェットが詰め込まれているのではないかと思うくらい。こんなもん本当に解けるのかと思えたけど探偵小説である限り最後に謎は解かれ...

なんとまあ…序盤からこれでもかこれでもかというほどに連発されるのは尋常じゃないくらいな不可能犯罪。というか、探偵小説というものが今までに使ってきたあらゆるガジェットが詰め込まれているのではないかと思うくらい。こんなもん本当に解けるのかと思えたけど探偵小説である限り最後に謎は解かれなければならない。そしてそれが作者がこの作品で言いたかったことなんじゃないか。これだけの物を読まされると何かただ呆然って感じ。ただ個人的にはこういうガジェット詰め込み式のミステリは好みじゃないかな。

Posted byブクログ

2010/04/19

昭和13年のこの日、満州国・玄圃溝(シュエンプオウ)にある宿命城(シュウミンツエアン) の13番目の小房で事件が起こった。密室の中で善知鳥良一(うとうりょういち)と朱月華(チュウ・ユエホワ)が殺害された。この時点で既に中国人芸人の魏鶴齢(ギ・カクレイ)とこの宿命城の持ち主である真...

昭和13年のこの日、満州国・玄圃溝(シュエンプオウ)にある宿命城(シュウミンツエアン) の13番目の小房で事件が起こった。密室の中で善知鳥良一(うとうりょういち)と朱月華(チュウ・ユエホワ)が殺害された。この時点で既に中国人芸人の魏鶴齢(ギ・カクレイ)とこの宿命城の持ち主である真矢胤光(まやたねみつ)が殺害されており、この事件が三つ目の事件となった―――。 平成元年、萩原桐子は夫であった祐介が机の上に残したカードに遺書めいたものを感じていた。 桐子は夫が死んだこの世界と平行して夫が生きている別の世界……そして小城魚太郎が書いたかも知れない『宿命城殺人事件』の小説世界の中に自分の過去に生きた可能性がある……そんな“平行世界(パラレルワールド)”に取り付かれてゆく。何故ならその世界で桐子は朱月華だったのだから。 桐子は祖父(荻野目豊)の影響を受け、古文書の修復を学び、水無月糺(みなづきただす)の経営するカルチャースクールに席を置いていた。そのカルチャースクールへ検閲図書館の黙忌一郎(もだしきいちろう)の代理人の村瀬という見知らぬ人から善知鳥良一の手記を譲って欲しいと唐突な電話を受ける。 祖父が残したものの中に善知鳥良一が書いた『宿命城殺人事件』の序章原稿とそして手記を見つける桐子。そして桐子はそれを読み始めて行くが…………。 これは、粗筋かけません(笑) あまりにも込み入りすぎて無理&濃厚すぎ&長い。単行本の二段書きで、この頁ですから、文庫本になったら押して図るべしですな。 端的に面白いか?と問われると『これは好みだね』と言うしかない。従って星5つ。 色んな意味でこじつけ要素は多いが、事件は全て残らず明解に解き明かされるので(方法はどうあれ)すっきりとはする。すっきりとはするのだが、読了後に手放しの爽快感はない。トリックがどうのとか、オチがどうのとかという問題ではなくて、なんかまだ作者に騙されてるんじゃあ……という気がするから(笑) これを読む時は、出来るだけ短い期間で読んだほうがいいですね。出来れば2.3日で。 でなきゃ、誰の視点でかかれてて、どこにどう繋がるのか忘れます(混乱します)。 個人的にラストの方の善知鳥良一と、早見風弘の掛け合い(謎解き場面)は好きかな。 こんなにも仰々しく細部に亘って設定(芝居じみた設定←個人主観)に拘るかぁ?ここまで来れば滑稽じゃん。と感じて、お腹いっぱい。でもって、小説特有のトリックももれなく付いてくる。ちょっと過度すぎるきらいはありますがね。 それと犯人は誰!?と、やっきになって追わないことですかね(笑) 前述したように、こじつけが多いので、素直に文章を追っていった方がいいと思われます。 内容があるので読めますしね。つーか冒頭がさっぱりわからなく妙な始まり方をし、序盤辺りも突飛なものが鏤めてありますので、それがどう繋がってくるんだ?と思いながら読んだほうが楽しいです。 誰があんな暗号解けるんだよ……。もう判ったよ「魔笛」の見解わっ。何度も書くなよぉ……。 などと思いつつ、好みの一品です(笑)

Posted byブクログ