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北村透谷 の商品レビュー

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2019/12/02

北村透谷の人生と文学を、著者自身の人生観・恋愛観とリンクさせながら語った本です。 現実(リアル・ワールド)と自分自身との折り合いのつけ難さに悩んだという著者は、「実世界」と「想世界」を対比し、想世界のうちに「内部生命」の閃光を見ようとする透谷の発想に共感を示しています。同時に、...

北村透谷の人生と文学を、著者自身の人生観・恋愛観とリンクさせながら語った本です。 現実(リアル・ワールド)と自分自身との折り合いのつけ難さに悩んだという著者は、「実世界」と「想世界」を対比し、想世界のうちに「内部生命」の閃光を見ようとする透谷の発想に共感を示しています。同時に、現実から絶え間なく「逃走」し続けることへと読者を誘ったニュー・アカデミズムの旗手・浅田彰の思想と対照しながら、その魅力を語っています。ただし個人的には、こうした問題設定はいかにも古臭いと感じてしまいました。 また、透谷と石阪美那(子)との情熱的な「恋愛」については、透谷の側に「甘え」のあったことを著者は認めていますが、その一方で、透谷の近代的恋愛観を批判するフェミニストの上野千鶴子に対して、透谷の独善は「生身の独善」であって「観念の独善」ではなかったと切り返しています。これについても、「生身の独善」と「観念の独善」との違いがあまり明瞭に理解できませんでした。 全体を通して、対象との距離の取り方がうまくいっていないような印象を受けます。

Posted byブクログ