シェリ の商品レビュー
女心、男心のひだひだ…
女心、男心のひだひだまで虚飾なしに実に見事に描写している、ものすごくうまい小説。24歳も女が年上、と言う恐るべき年齢差の二人の、息詰まるような恋の駆け引きがゴージャスな雰囲気の中語られます。男の愛を取り戻した、と思った女が見せた一瞬の油断に反応する男心・・・。美貌の元高級娼婦レア...
女心、男心のひだひだまで虚飾なしに実に見事に描写している、ものすごくうまい小説。24歳も女が年上、と言う恐るべき年齢差の二人の、息詰まるような恋の駆け引きがゴージャスな雰囲気の中語られます。男の愛を取り戻した、と思った女が見せた一瞬の油断に反応する男心・・・。美貌の元高級娼婦レアと、残酷でキレイな男の子シェリの愛をご堪能下さい。
文庫OFF
十九歳のときから読みはじめて何回読んだかわからないくらい好き。翻訳されているコレット作品はほとんど読んでどれも好きだけれどシェリは断トツ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんか、背筋を伸ばした美しい女性でありたいなと読んでいる間中、思った。レアの本当の気持ちが結局のところシェリにはわからなかったんだろうなぁ。一番最後のところの、レアが見てしまった、何処かから逃げてきた人間のように深く深呼吸したシェリの姿ほど、レアの心を引き裂くような突き落とすようなものは、無いな。膝から崩れ落ちてしまったレアが見えるようだった。若く弾けるようなシェリと、各所に老いを感じるレア。つらみ。
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大学のフランス文学の授業で扱われたので読みました。描写が繊細。映画も一部見ましたが、とても原作を表現出来ていると個人的には思います。
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真珠がなす意味を見つけました。 若い青年と夫人の禁断の恋が美しくも破滅的。 カーテンがふわり風になびく春の日に、顔の青白い美青年が自分の目の前にも存在している気分になります。
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若いときの美しさは儚い あとで振り返ると歩いてきた道は全て夢のように柔らかい薔薇色で包まれているのではないだろうか。 ラストが非常に印象的だった。老いを実感しつつも遅すぎるシェリへの愛の実感がレアを醜くしていて、鼻をツンと突き上げて歩いていたような女性がみっともなく嫉妬や悲しみや...
若いときの美しさは儚い あとで振り返ると歩いてきた道は全て夢のように柔らかい薔薇色で包まれているのではないだろうか。 ラストが非常に印象的だった。老いを実感しつつも遅すぎるシェリへの愛の実感がレアを醜くしていて、鼻をツンと突き上げて歩いていたような女性がみっともなく嫉妬や悲しみや疲れや愛に振り回されてしまうのが悲しく、しかしリアルだった こんなにも胸に刺さる愛を語るフランス文学は私にとって他にないかもしれない。 そしてあとがきが非常に面白く、コレット自身についても調べたくなった。 女性が主人公な物語、かつ作家も女性であるのでフランス文学に見られる「女性の神聖化」みたいなものが見られず、欲や駆け引きで奔放に生きるレアを見て勇気が出た 純文学とは言い難いかもしれないが、美しく強い物語であったが、何かに解放されたかのように息を吐き出すシェリを見てレアはそのあとどのように部屋に戻るのだろうかと考えると居た堪れない。 文体がフランス文学らしい回りくどさや美しさが表現されていて、原文で読んでみようと思う。フランス語勉強してよかった
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光文社のものと読み比べ。続編の「シェリの最後」が岩波からしか出てなかったので、それを読むなら同じ岩波のをと思って。こちらの方が昔に訳されているのだと思うけど、だからこそなのか訳は光文社のものの方がリアの言葉遣いが気にならない。ああ、フランス語で読めたらどっちの雰囲気が近いのか感じ...
光文社のものと読み比べ。続編の「シェリの最後」が岩波からしか出てなかったので、それを読むなら同じ岩波のをと思って。こちらの方が昔に訳されているのだと思うけど、だからこそなのか訳は光文社のものの方がリアの言葉遣いが気にならない。ああ、フランス語で読めたらどっちの雰囲気が近いのか感じられただろうに!分からないからのよさもあるだろうけど!
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青年と年上の女という、よくある設定にも関わらず、登場人物のキャラクターのうまさと、情景描写の素晴らしさが、この作品を陳腐なものにならしめない。翻訳も秀逸で、原文にあたったことはないものの、作品の雰囲気をいっそう高めているように思う。 (2015.7)
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美青年シェリと50歳弱の元高級娼婦レアの美しい恋物語。格調高い文章と華麗な描写に2人の愛の形を読み取ることが出来た。レアが素晴らしい。他登場人物も面白く読み易い。お薦め。
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ロマンティックすぎるフランス文学です。 高級娼婦という想像が難しい存在ですが、ゆったりとして無駄の多い(いい意味でね)独特の空気感が作品を包んでいます。 レアの言葉だとか、年齢ゆえの余裕さには女性でもうっとり~
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