シェリ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もう本当好きすぎます。何もかもすばらしい。虚飾、退廃、耽美、怠惰、生きる力の希薄な人間、現実逃避、瞬間のきらめき、真実の愛。フランス文学のこういうところが好き。 手をのばした瞬間指の間をすりぬけていく真実の愛。 たまりません。 続編があるそうなので読みたい。
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レアとシェリの恋はさておき、レアとマダム・プルーの女同士の複雑な友情、腐れ縁の描写に感じる部分が多かった。
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たった一言 今までの二人の関係の終わりを告げる一言 二人の決別のきっかけとなったその一言 彼女がそれを発したことに気が付いてしまった時 彼は決して哀れむのではなく ただその人が自分にとって如何に特別だった事を語りだす 綺麗という表現が陳腐に聞こえるような それでい...
たった一言 今までの二人の関係の終わりを告げる一言 二人の決別のきっかけとなったその一言 彼女がそれを発したことに気が付いてしまった時 彼は決して哀れむのではなく ただその人が自分にとって如何に特別だった事を語りだす 綺麗という表現が陳腐に聞こえるような それでいて取っ付き辛いわけでもない ただ 自然に読み進めることができた クライマックスの時に部屋に流していたSteve ReichのOctetがとても良くあっていた事を憶えている
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フランス文学の中でとても好きな作品。 元高級娼婦だった49歳のレアと25歳の恋人シェリの恋愛の物語。 年の差なんて感じさせないくらいレアが素敵な女性で、シュリが素敵な青年で… 文字だけを読んでいるのに頭の中にものすごく美しいシーンが広がるの。
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正直言ってまたよく理解のできない自堕落なアウトローの小説か、と思ったが良い意味で裏切られた。あらすじからの官能的な印象と異なり純な精神を扱っている。衰えかけた美を抱いたレアの心の機微が読み応えある。
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素敵だ。世界観、その表現、その愛、そしてその愛の失い方。この表現の美しさは、コレットその人の精神の精錬さをそのまま表現している。 ジッドをして、無駄と言わしめた最後の章だが、あれは女の苦しみとして、言葉で刻まれることに意味がある、とは思うもののそれはコレットへの敬意を払うものであ...
素敵だ。世界観、その表現、その愛、そしてその愛の失い方。この表現の美しさは、コレットその人の精神の精錬さをそのまま表現している。 ジッドをして、無駄と言わしめた最後の章だが、あれは女の苦しみとして、言葉で刻まれることに意味がある、とは思うもののそれはコレットへの敬意を払うものであり、実は畏れ多くもジッドと同じ感想を抱いたことは口にしないこととしたい。 若さとは、老いとは、何と切ないものか。愛よりも恋よりも真実を映し出す。
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偶然だが、先日ドキュメンタリーを読んだココシャネルが生きていた頃と同時代の、パリを舞台にした小説。正直、シェリには魅力を感じなかったし、レアの生き方にも共感できなかった。ただ、末尾の解説を読んで作者のコレットの生き様を知り、コレットがこの本を通して自らの経験、思いなどを表現したの...
偶然だが、先日ドキュメンタリーを読んだココシャネルが生きていた頃と同時代の、パリを舞台にした小説。正直、シェリには魅力を感じなかったし、レアの生き方にも共感できなかった。ただ、末尾の解説を読んで作者のコレットの生き様を知り、コレットがこの本を通して自らの経験、思いなどを表現したのだろうと思うと、等身大のコレットが見えてきて、その人間くささに親しみが持てる。
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この「シェリ」と「シェリの最後」ともって、1つの作品とみるべきかもしれない。 40代女性と20代男性という、恋愛としては稀少な組み合わせのこのお話、もっと稀少なのは、夢中になるのが年上の女性のほうではなく年下男性のほう、というところ。それを、あくまで崩れのない硬質な文体で描く。...
この「シェリ」と「シェリの最後」ともって、1つの作品とみるべきかもしれない。 40代女性と20代男性という、恋愛としては稀少な組み合わせのこのお話、もっと稀少なのは、夢中になるのが年上の女性のほうではなく年下男性のほう、というところ。それを、あくまで崩れのない硬質な文体で描く。 恋愛がより燃えあがるためにはいくつかの障壁が必要だが、昔の定番であった「家柄」「貧富の差」「戦争」などに始まり、「不治の病」「三角関係」「国際」「年の差」「不倫」「遠距離」「バツイチ」「子連れ」「同性愛」などを経て、今ではその障壁も出尽くした感。障壁らしい障壁はもう残っていないものと思われる。 年の差恋愛も、男性が年上、女性が年下であれば、最早大した障壁にはならない(石田純一などにより親子級まではクリア済み)。 「持てる者」が「持たざる者」に分け与える、「持たざる者」が「持てる者」を求め、焦がれる、という恋愛の王道を踏み外していないからである。 逆に女性が年上、男性が年下であっても、多少ならば障壁にならず、女性が年上で大差(親子級)の場合のみ、「持てる者」「持たざる者」のバランスが崩れるので、まだいくらか障壁として有効なようである。 一山も二山も越えてきた若さを失いつつある女性が、無知で純情な若い異性に惹かれ、「持てる力」でかどわかす、のならば、まあたまにあるよねの下世話な話になるところ、「シェリ」では、誰もが振り向く美青年シェリのほうが、40代のレアに夢中になっていく。 財産も教養も知恵も「持てる者」しかし若さを「持たざる者」レアが、 財産も教養も知恵も「持たざる者」しかし若さ(と美貌を)「持てる者」シェリを引きつける、 という構図でひねりが入り、うまくバランスを崩して不均衡を生む。心が揺れ動く。 硬質な文体と、シェリに、”悔しいのは、彼女の年齢じゃない、(彼女に比べて若すぎる)自分の年齢なんだ”と言わしめることで、他の恋愛小説と一線を画している。
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フランス文学のなかでも特に好きな作品です。 49歳の元高級娼婦レアと25歳の恋人シェリの恋愛が美しく描かれています。フランスの恋愛小説の王道のようでいて新しさを感じさせるのはコレットがフランスでは数少ない女流作家だからでしょう。女の欲情がきちんと描かれています。 シェリの美しさ...
フランス文学のなかでも特に好きな作品です。 49歳の元高級娼婦レアと25歳の恋人シェリの恋愛が美しく描かれています。フランスの恋愛小説の王道のようでいて新しさを感じさせるのはコレットがフランスでは数少ない女流作家だからでしょう。女の欲情がきちんと描かれています。 シェリの美しさには本当にため息が出る。冒頭で真珠のネックレスをねだる彼がかわいらしくて大好きです。レアも本当にいい女で憧れます。 コレットは美食家だったそうで作品中にさまざまなお料理が登場します。そういったところを見るのも楽しいかも。 続編として「シェリの最後」が出ています。
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2010.10.07.試写会(ニッショーホール) 映画タイトル「わたしの可愛い人〜シェリ」 まだDVDがないので、原作本で登録。 非常に美しい映像だった。ベルエポックの時代の、アールヌーボー建築やココットの衣装が堪能できる。 親子程も歳の違う男性との恋愛、女性側の愛し方や執着...
2010.10.07.試写会(ニッショーホール) 映画タイトル「わたしの可愛い人〜シェリ」 まだDVDがないので、原作本で登録。 非常に美しい映像だった。ベルエポックの時代の、アールヌーボー建築やココットの衣装が堪能できる。 親子程も歳の違う男性との恋愛、女性側の愛し方や執着は、想像はできてもまだ腹で理解できる境地にはないけれど(観ていて、こんな男性いやだ、とイライラしてしまった…;)、また自分が歳を取ると味わいが違うのかもしれない。
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