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プラトーノフ作品集 の商品レビュー

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2023/10/13

巻末の解説に「自然派」との表現があった.確かにそういった趣の作品もあるが,本書の根幹である中編「ジャン」は,そういった表現にはとどまらず,南米のガルシア=マルケスやバルガス=リョサにも通じるような,不思議な作品だ.ただ,南米の作家の作品はジャングルのまとわりつくようなムッとする空...

巻末の解説に「自然派」との表現があった.確かにそういった趣の作品もあるが,本書の根幹である中編「ジャン」は,そういった表現にはとどまらず,南米のガルシア=マルケスやバルガス=リョサにも通じるような,不思議な作品だ.ただ,南米の作家の作品はジャングルのまとわりつくようなムッとする空気が感じられるのだが,「ジャン」の舞台は砂漠.飢えと乾きに苦しみ死と隣り合わせの砂漠.幻想ではなく死の白昼夢である.

Posted byブクログ

2018/12/28

代表作の「ジャン」を始め、「粘土砂漠」「三男」「フロー」「帰還」から成る中短編集。好!き!だ!「ジャン」と「粘土砂漠」は、共に中央アジアの寂寞とした世界が舞台。空腹と乾きは決して去る事なく、「選ぶ」という自由も贅沢もなく、死と生の綱渡りを続ける登場人物達の過酷な日々が、シリア難民...

代表作の「ジャン」を始め、「粘土砂漠」「三男」「フロー」「帰還」から成る中短編集。好!き!だ!「ジャン」と「粘土砂漠」は、共に中央アジアの寂寞とした世界が舞台。空腹と乾きは決して去る事なく、「選ぶ」という自由も贅沢もなく、死と生の綱渡りを続ける登場人物達の過酷な日々が、シリア難民支援に携わっていた当時の自分が毎日相対していたケースとあまりにも似ていて、感極まって泣いてしまった。人は心を空にしても、何かを注いでも、何かを零しても、生きられるだけ生きる、そんな強烈なメッセージを孕んだ上記二作以外にも、大好きなヒューマニズム溢れる作品ばかりだった。特に「粘土砂漠」と「帰還」が好き。どの作品も、登場する子供達だけが異様で、嫌に大人びているのは、自由や創造性を奪い去った社会主義を暗に批判しているのだろうか。考察の余地が沢山ある作品だけど、額面通りに受け取っても良い。繰り返し読む度に新しい発見がある、オススメの一冊です。

Posted byブクログ

2016/02/29

プラトーノフの作品は初めてだったが、砂漠に住む少数民族を描いた「タクィル」と「ジャン」が良かった。両方とも、貧困と厳しい環境の中、必死で生きようとする主人公の姿が胸を打つ。 (2016.2)

Posted byブクログ

2009/10/04

「ジャン」しか読んでいないのだけど、忘れられない、ほんとうに忘れられない本。他のどんな表現とも違う読後感があり

Posted byブクログ