三浦綾子全集(第6巻) の商品レビュー
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全体的に切ない話が多かった。 ◆細川ガラシャ夫人 織田信長、豊臣秀吉、明智光秀の印象ががらっとかわった。 これをよんでいたら歴史の授業おもしろかっただろうな。。 もっとはやくよみたかった ◆石の森 うーん…複雑! あまりぴんとこなかったけど、主人公が自殺を考えて行動するシーンは、死の淵にたつときこそ、生への欲が強くなるんだなあと思った。 ◆毒麦の季 愛人と父によって壊される家庭と振り回される子供たちの話。悲しすぎる。えーってなる。えー… 嫉妬をすると意地悪になるんだなあ ◆逃亡 タコ部屋でのエピソード。 これもまた悲しい…。特殊な環境におかれたら異常な精神状態になってしまうよね。。 親分も、一歩外にでれば純粋に恋する人だったし、、 恐怖で人をおさえつけると、逃げてしまう。↓のやりとりがとってもよかった 「しかしよく始終にげられるもんだなあ。虎。人間、居心地のよいところからは、決して逃げねえもんだ。命がけで逃げるのは、よっぽどつらいからだろう。タコも人間だぜ。人間、情には従うが、棒や鞭には従わんもんよ」 「な、なにを…?」 「何が何をだい。虎。第一、その鉄砲はなんだ。まさか熊や狼をおっているわけではあるめえ。人夫に逃げられたくなきゃ、まず鉄砲をすてて飴でも持つんだな。じまんじゃねえが、俺んところの若えもんは、俺のためなら、鉄砲持ってるやつらに、素手で向かう命知らずの野郎ばかりよ」 ◆赤い帽子 これはまじで悲しすぎた。。 愛人さん(しかも知らないうちに)だったばかりに、差別される親子。なにもわからない子供がかわいそうすぎ。。 誰かの気まぐれが、人の不幸を作ってしまうんだな。。 ◆足跡の消えた女 嘘つきの友達の話。 「自分にはなんの落ち度も欠点もないような言い方だったね」という夫氏、めちゃかっこいいなあ。 一方から聞く話を鵜呑みにするのではなくて、本人と実際に話して本人の人柄をしるべきだなあ ◆片隅のいのち これ、ほんとつらすぎる。なんでこんな意地悪な結末なのーとなった。。これが現実なのかなあ。。 細川ガラシャ夫人で明智光秀もいってたけど、人の値はその心根で決まるんだってことを忘れないように人と接したい。 ◆壁の声 これもなんか理不尽に感じる。。 なんでこんなに救いがないんだーー こういう主人公を陥れるような人たちへの、作者の怒りなのかな。。実際にこういうことがあったから、現実はこうだということをかいているのかなあ。。 ◆尾橙 いやああああああ、切なさやばい。 優しいお父さんが、社交辞令をいう元会社の同僚や息子や妻に傷つけれらる話。。 ひどいはなしだ。。ってなった。。切ない。。 お母さん、行かなくて正解。
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著者初の歴史小説「細川ガラシャ夫人」、青春の孤独を描いた傑作「石の森」そして「毒麦の季」他、短編の名手としての力量を存分に発揮した6編を収める。「逃亡・赤い帽子・足跡の消えた女・片隅のいのち・壁の声・尾燈」
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