タウ・ゼロ の商品レビュー
故障で、どんどん加速…
故障で、どんどん加速する宇宙船。光速に近づくに連れ、宇宙船外の時間がどんどん過ぎていく。SF史上最大スケールの名作。
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事故により加速がとま…
事故により加速がとまらなくなった人類初の植民宇宙船を待ち受ける、大宇宙の奇跡とは。超絶ハードSF!
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日本語訳が遅れてしま…
日本語訳が遅れてしまった隠れ傑作で、ハードSFファンの必読書です。後半は科学的には間違っているのですが、科学的な正しさよりもストーリーの高揚感を採ったこのラストは正解だったように思います。SF性と文学性を両立させた名作です。
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宇宙船で他の惑星を探索&移住する予定だったが、船が故障して止まれなくり… あらすじだけ読むとよくありそうな話だが、スケールが圧倒的すぎる。これまでいろんなSFの小説・映画に触れてきたがこの本のスケールはズバ抜けてスゴイ。 壮大な宇宙で繰り広げられる人間味あふれるドラマも...
宇宙船で他の惑星を探索&移住する予定だったが、船が故障して止まれなくり… あらすじだけ読むとよくありそうな話だが、スケールが圧倒的すぎる。これまでいろんなSFの小説・映画に触れてきたがこの本のスケールはズバ抜けてスゴイ。 壮大な宇宙で繰り広げられる人間味あふれるドラマもよかった。 宇宙での物理理論とかもしっかり描かれていて人間はここまで創造できるのかと思った。
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永遠に1Gで加速し続ける宇宙船で旅を続けたらどうなるか。相対性理論に基づいて話は進み、すごい結末になっています。1970年の作品なので、宇宙観も今と違うし、ダークマターとかもまだの時代。だからこそ、こんな作品ができたのかなと思いました。
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32光年先の恒星系を目指し、50人の優秀な男女を乗せて飛び立った恒星間宇宙船<レオノーラ・クリスティーネ>号。バサード・ラムジェット推進航法で亜高速まで加速し、地球時間で数十年後に目的地に降り立ち調査研究を開始するはずだったが、不測の事故に遭遇し減速機能を失ってしまう。何とかして...
32光年先の恒星系を目指し、50人の優秀な男女を乗せて飛び立った恒星間宇宙船<レオノーラ・クリスティーネ>号。バサード・ラムジェット推進航法で亜高速まで加速し、地球時間で数十年後に目的地に降り立ち調査研究を開始するはずだったが、不測の事故に遭遇し減速機能を失ってしまう。何とかして船を減速し、植民可能な惑星に着陸する方法を模索する中、船外では数百年、数千年、数億年の時間が経過していく・・・外界から完全に隔絶された船内環境の中、圧倒的な絶望感と闘いつつ、乗組員たちが最終的に選んだ選択肢とは? アイディア一本勝負、衒いのない直球ストレート王道ハードSFです。 「亜光速で移動する宇宙船が減速できなくなったらどうなるか」、物語のテーマはただそれひとつ。それ以外のことは、一切描かれていません。 好きな人には溜まらない作品だと思います、が、鴨的にはうーーーん・・・古い・・・。 何よりも、物語の肝でありオチでもある宇宙モデルが、現在では既に古びていること。物語のクライマックスはまさに手に汗握る展開となるんですが、ホーキング以降の現代宇宙論を多少なりとも知っていると、「うわーありえねー」という感想しか出てきません。ハードSFとして、「うわーありえねー」と思われてしまうのは、致命傷となります。 ハードSFとして勝負できなくても、ドラマ展開を見せる、という手段があります。減速するために乗組員たちが悪戦苦闘する過程、悲壮な結果を乗組員にどう伝えるか苦悩する幹部の姿、そうした人間ドラマ的なものも描かれています。が、これがどうにも深みがなくて入り込めません。ステロタイプなキャラ設定をした登場人物がステロタイプな動きをすればこうなるだろうなー、という印象。 このアイディアだけで長編一本書こうとするなら、閉鎖的な物語になるのは当然なわけで、キャラクターの面白みである程度ストーリー展開を引っ張らないと中ダレするわけですよ。そこがつまらないので、中盤は読み進めるのに忍耐を要しました。古いハードSFには有りがちな特徴ですけどね。 この作品の発表当時の視点で振り返ると、ハードSFの最先端にして最高峰だったのだろうと思います。時代によって古びてしまうのはハードSFの宿命ですが、当時リアルタイムで読んだSF者にとっては、これほど面白いSFはなかっただろうなー。しみじみしますわ。
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人類の男女50人を乗せた恒星船<レオノーラ・クリスティーネ号>は第二の地球を求めて、32光年彼方の<おとめ座ベータ星第三惑星>を目指す。しかし、旅立ってから3年後、不足の事態が勃発する。恒星船が小星雲と衝突し、その衝撃で船の減速装置が破壊され、恒星間ラムジェットによって光速に近い...
人類の男女50人を乗せた恒星船<レオノーラ・クリスティーネ号>は第二の地球を求めて、32光年彼方の<おとめ座ベータ星第三惑星>を目指す。しかし、旅立ってから3年後、不足の事態が勃発する。恒星船が小星雲と衝突し、その衝撃で船の減速装置が破壊され、恒星間ラムジェットによって光速に近い速度に到達した船を止める手段が失われてしまったのだ!希望を失った男女50人を尻目に加速し続ける恒星船…果たして彼ら彼女らの運命は如何に… 本書は、ポール・アンダースンの代表作にして、一時代を画したハードSFの金字塔と名高い傑作です。「ハードSFの金字塔」と豪語されるだけあって、本書で言及される科学的描写には、ときに尻込みしてしまいがちですが、案外その辺りはなんとなーくの理解でも何とかなります笑 とはいえ、本書では丁寧なことに、末尾に金子隆一氏の「科学解説」がありますので、ぼんやりとした理解はここで補完できます。ただ、この科学解説は物語のネタバレこそありませんが、重要ポイントは解説されておりますので、本文の前に読むのは少しもったいないかも。しかし、いい解説ですので本文読了後は必読かと。 さて、ハードSFでありつつも、並行して描かれるのは、永遠の旅路へと誘われてしまった船内の人間たちによるドラマであり、その先にあるのは絶望に覆い隠された希望です。この人間ドラマ、振り返ってみると、多少の荒っぽさを感じなくはないですが、個人的には、(まるで恒星船の加速に比例するように)加速度的に進む展開に助けられ、物語の行く末を案じながら読み進めることができました。して、その結末は…それは本書を読むのが正しい判断。ともすれば、「んなアホな…」と呆れられる展開かもしれませんが、彼ら彼女らの身を心配するいち読者からすれば、「おお!まじか!」となるような展開でした。いやぁ、興奮した。
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恒星間宇宙船が、ひたすら加速し続ける羽目になったらどうするか。 ただそれだけの話。 あり得そうで嘘っぽいところが良い。 難点はというか、登場人物とか人間関係が、色々狙いたいところはあるが大して魅力的に感じないところかな。 もう少し残された人間とか、他の文明とかの関わりがあって...
恒星間宇宙船が、ひたすら加速し続ける羽目になったらどうするか。 ただそれだけの話。 あり得そうで嘘っぽいところが良い。 難点はというか、登場人物とか人間関係が、色々狙いたいところはあるが大して魅力的に感じないところかな。 もう少し残された人間とか、他の文明とかの関わりがあってもと思わなくはないが、それだと別の話になるか。
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同業者に、こんな小説を自分も書きたかったと思わせるようなSFがこの『タウ・ゼロ』。 長らく、「未訳の傑作」として知っていたが、遂に訳されたときには、私のほうがSFから遠ざかっていた。 どんな話かというと…… 自転車に乗って坂道を下る。ブレーキが壊れていて止まれない。 ...
同業者に、こんな小説を自分も書きたかったと思わせるようなSFがこの『タウ・ゼロ』。 長らく、「未訳の傑作」として知っていたが、遂に訳されたときには、私のほうがSFから遠ざかっていた。 どんな話かというと…… 自転車に乗って坂道を下る。ブレーキが壊れていて止まれない。 自転車の場合だったら、壁にぶつかるか、川に落ちるか、破局はすぐにやってくるので、考えている暇もなかろう。しかしその坂が永遠に長かったら…… 感覚的にはこんな感じだが、舞台は宇宙。 恒星間ラム・ジェットはすでに1960年に提唱されている恒星間航行法であり、いまだに原理的に可能な唯一のそれである。恒星間の何光年かの宇宙空間を渡りきるためには、宇宙船に積み込む燃料が膨大となってしまって、ほとんど実現不能。このジレンマを解消するため、宇宙空間に希薄に存在する水素をかき集めて核融合用の燃料にしようというものである。 具体的には電磁的な網というか漏斗を宇宙船の前方に広くめぐらし、吸い込んだ水素を核融合炉にぶち込むのである。速度が上がってくれば、より燃料が増え、さらに速度を上げることができる。一定の加速度を保てば宇宙船内に擬似的な重力も生まれる。速度が上がれば、希薄な宇宙空間の物質が宇宙船に衝突してくるのが馬鹿にならなくなるが、吸い込んでしまうのでその問題も解決する。1Gで加速を続けたとすると、中間点で減速にかかれば、相対性効果によって宇宙船内の時間は地球と比して緩慢に流れるので、数光年先の恒星系へなら、十分、乗組員の寿命の範囲内で往復できるのである。 おとめ座ベータ星系の調査と可能ならば移住を目指して、50人の科学者を乗せた恒星間ラムジェットが地球から旅立つが、途中で故障。止まることができなくなる。何とか修理をしたものの、止まるどころか、さらに加速しなければならない事態が生じてくる。タウというのは速度が光速に近づくと限りなくゼロに近づく係数である。よってタウ・ゼロとは光速の謂いである。 宇宙船はタウ・ゼロに近づき、その間に地球上では何万年、いや何百億年という時間が過ぎてしまう。士気喪失に陥る船内、何とか秩序を保とうとする主人公。加速し続ける宇宙船だけでは話にならないので、そういう人間ドラマが繰り広げられるが、それを陳腐とみるかどうかで本書の評価は変わりそうだ。閉塞状況にある現代の宇宙船地球号のお話と読み替えることもできるだろうが。 とはいえ、本書の肝は時空を手玉にとる文字通り桁違いの壮大さである。 しかしその壮大さは人間的なところに回帰するのである。訳者解説に引用されているジェイムズ・ブリッシュの指摘だが、読み終わったあと、もう一度最初の1行を読んで得られる感動には特別な質がある。 「ほら、あそこ──〈神の手〉の上に昇っていく。あれが……?」 いや、これだけを読んでも感動しないのですよ。
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図書館で。面白くないわけではないけれども手放しに面白いとも言えない。評価が難しいな。 ラムジェット推進とかタウとかなんかSFって感じの用語が飛び交っていてそれが面白い。ウラシマ効果とか。光速飛行の代償ってやつですよね、たぶん。という訳でSFの基礎的な所とトラブル発生とそれに対す...
図書館で。面白くないわけではないけれども手放しに面白いとも言えない。評価が難しいな。 ラムジェット推進とかタウとかなんかSFって感じの用語が飛び交っていてそれが面白い。ウラシマ効果とか。光速飛行の代償ってやつですよね、たぶん。という訳でSFの基礎的な所とトラブル発生とそれに対する異常なほど前向きなサバイバル精神が見事。でも地球を代表する知識人の集まりが生き残る努力をしなくてどうする、という力技はなかなか説得力があります。 ただ微妙に人間関係がもたれてるんだなあ…。面倒くさい三角関係とか嫉妬とかが話に関わってきて…。ここでレイモンド(だったかな?)に対抗する勢力とか出てきたらそれはそれで面白かったと思う。あくまで人間関係に重きを置いた作品だったら。でもこの作品はそういうのじゃあなさそうだけど。 なんか副艦長のカウンセリングって身体つかってるだけじゃん?みたいな…なんかこう、モヤっとするものが残ります。まあ価値観とか違うから仕方ないかもしれないけど…
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