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タウ・ゼロ の商品レビュー

4.1

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

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  5. 1つ

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2011/12/11

久しぶりのSF。ビッグバンと痴話喧嘩が同じ目線で語られる壮大なパースペクティブ。ところで昔読んだなこれ。うん。

Posted byブクログ

2011/03/09

この本に限らず世代宇宙船なるものが登場するSF小説には、理由もなくのめり込んでしまうのですが、この本に登場する宇宙船は厳密には世代宇宙船ではないです。本から読み取れる描写には、その機能を備えていますが、この船が遭遇するシチュエーションは、世代に渡って宇宙を旅するよりもっと過酷で凄...

この本に限らず世代宇宙船なるものが登場するSF小説には、理由もなくのめり込んでしまうのですが、この本に登場する宇宙船は厳密には世代宇宙船ではないです。本から読み取れる描写には、その機能を備えていますが、この船が遭遇するシチュエーションは、世代に渡って宇宙を旅するよりもっと過酷で凄まじいものです。実際にどう飛んでいるのかは途中から想像できなくなりましたが、相対性理論の浦島効果と同時性の(と自分でもよくは理解してないのですが。。。)パラドックスを最大限に活用したもの凄いSF小説だと思います。 いつも思うのですが、海外のSF小説はなぜこうも発想が豊かで、時間や空間の捉え方のスケールが違うのでしょうか。正直、日本で互角に対抗できる作家は小松左京ぐらいしか未だにいないのではないでしょうか。 小説の構成は停まることができなくなった恒星間宇宙船が、宇宙の終わり(と新しい宇宙の始まりまで)に至る時空を旅する中での船の中での人間模様が中心に描かれています。こういう設定だとリアル感が欠けて、設定だけで強引にすすむ感じがしますが、この本の凄いところは、背景に描かれた設定の丁寧さと人間描写の迫力に尽きると思います。この作者の著書は初めて読みましたが、SF小説としても発想が素晴らしいですが、普通の小説を書いても面白いものを書くのではと感じる筆力があります。 一つだけ注文を付けると、ラストの描写があまりにも少ない!紙面の都合があったのかも知れませんが、この設定と人間描写の確かさであれば、上下巻で、最後の結末ももう少しじっくり描いても立派な大作になったと感じます。

Posted byブクログ

2023/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界各国の優秀な男女25人ずつを乗せた星間探検船<レオノーラ・クリスティーネ号>は32光年離れたおとめ座ベータ星第三惑星を目指して地球を後にした。もしその惑星が居住可能なら彼らは最初の移民として子を成し永住して生活していくことになる。資源と空間が限られている船内で徐々にたまっていくフラストレーション。男女の問題。 ・・・そして重大なトラブル。船が小さな星雲を強引に突っ切った結果、減速システムが破壊されてしまったのだ。亜光速で飛び続ける<レオノーラ・クリスティーネ号>は宇宙空間の水素との衝突を避けるための電磁流体力場で覆われている。船外活動で減速システムの修理を行う為には力場を切る必要があるが、バリアがなくなった船は水素原子の衝突で放出される致死量に十分すぎるほどのガンマ線にさらされることになる。加速することしか出来ない棺桶で希望を失い自暴自棄になる船員たち。そこに提示される唯一の希望。つまり宇宙のガスを利用して加速し続けタウをゼロに近づけ(注1)、船内時間にして数年かけて銀河団、超銀河団の外に飛び出し、水素の存在する確率が極めて低い高真空で減速システムの修理をするのだ。 減速する目的でひたすら加速する<レオノーラ・クリスティーネ号>。光速に限りなく近づき、地球時間で何十億何百億年という時間が過ぎた。もはや地球も太陽系も消え去ってしまっただろう。そして、加速し続けた船についに「宇宙の死(収縮)」が訪れていた。 なんというスケールのデカさ。なんという極限状態。なんという絶望。 そしてあまりにも大きすぎる困難を乗り越えていくために、不屈の意思を持って、運命を共にする人々の団結を促す護衛官レイモント。彼の孤独な戦い。人間の弱さと強さ。 ハードSFの金字塔と評される本書は、ハードSF成分と人間ドラマがよい具合に融合している。まさに読み応えは抜群。宇宙の果てに挑む壮大なスケールに圧倒されてほしい。 インフレーションを含む現在主流の宇宙論からすればありえないと思ってしまうが、本書が1970年(正確に言うと原型である短編は1967年)に発表されたことを踏まえれば、驚くことしか出来ない。とまあ、私なんかがこの小説の科学的な側面を評価してもしかたないないだろうから、詳しいところは金子隆一氏による解説を是非。

Posted byブクログ

2009/10/07

スピードは距離を超え、世界を超え、時間を超える。結末にいたる速度は宇宙船の速度を超え過ぎて唐突に感じた。

Posted byブクログ

2009/10/04

物体は光速に近づけば近づくほど時間の流れが遅くなる。 宇宙船が他の恒星系へ移住するために亜光速飛行を開始。 するとなんと逆噴射装置が損傷。無重力なので減速するわけもなく、宇宙船は飛び続けます。 修理しようにも、外は原子1個にぶつかるだけで死んでしまう亜光速の世界。 その間にも外は...

物体は光速に近づけば近づくほど時間の流れが遅くなる。 宇宙船が他の恒星系へ移住するために亜光速飛行を開始。 するとなんと逆噴射装置が損傷。無重力なので減速するわけもなく、宇宙船は飛び続けます。 修理しようにも、外は原子1個にぶつかるだけで死んでしまう亜光速の世界。 その間にも外は100年、1000年と時を刻んでいきます… そして万策尽きた彼らが選択した、最後の手段とは…! 設定の時点で面白い。そしてその現状をどうするかというより、それをどう受け止めるかという人間心理を濃く書いています。 最後のオチも嫌いじゃないです。

Posted byブクログ

2009/10/07

32光年彼方の乙女座ベータ星めざし、50人の男女を乗せて飛びたった恒星船〈レオノーラ・クリスティーネ号〉。だが不測の事態が勃発した。宇宙船は生れたばかりの小星雲と衝突し、バサード・エンジンが減速できなくなったのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らは大宇宙を飛び続けるしかないの...

32光年彼方の乙女座ベータ星めざし、50人の男女を乗せて飛びたった恒星船〈レオノーラ・クリスティーネ号〉。だが不測の事態が勃発した。宇宙船は生れたばかりの小星雲と衝突し、バサード・エンジンが減速できなくなったのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らは大宇宙を飛び続けるしかないのか? ハードSFの金字塔。

Posted byブクログ

2009/10/04

個人的には、ポールアンダースンの最高傑作のひとつだと思っています。 わりと壮大な時空間をあつかう話というのはSFの真骨頂だとおもうのだけど、この作品のすごさは同じ登場人物達を使って宇宙の終わりから再生までも見事に描ききっているところ。何度読み返しても面白い作品。

Posted byブクログ