動く不動産 の商品レビュー
通天閣近くに住む、デブの司法書士"ブーやん"伸太と義理の妹由佳は、危篤の父の世話のさなかに能勢の土地を2000万で買ったが調べてくれという依頼を受ける。しかしその土地の所有権は、別の人物に移っており、そもそも関わった地面師を含め、関係者の住所が転々と変わってい...
通天閣近くに住む、デブの司法書士"ブーやん"伸太と義理の妹由佳は、危篤の父の世話のさなかに能勢の土地を2000万で買ったが調べてくれという依頼を受ける。しかしその土地の所有権は、別の人物に移っており、そもそも関わった地面師を含め、関係者の住所が転々と変わっていることに気づく…。 いやー、面白いわ。古いし、取り立ててすごい小説でもないんだけど、土地の登記書や住民票の行政の穴を使ったトリックで次々に事件を起こしていく手口で、単純にのめり込んでしまう。 作者が司法書士なのもあり、その専門を存分に活かしつつ、平成初頭のバブルに加え花博~関空が拍車をかける土地高騰に疑問を呈するという、余計なお世話感もある時事ネタも、きれいに作品内に納まっている。 以前に読んだ「死の逆転 京都が危ない」に比べると、上記の専門部分が少々くどく感じてしまうのは、本作のほうがシリーズとしては古いからか。残念ながら、石丸伸太シリーズはその2作だけのようだが。 実は電子書籍なのだが、電子書籍特有ののめり込みの薄さなど一つも感じずに一気に読んでしまった。池井戸潤の銀行シリーズにしろ、こういう作者の専門をうまく取り入れた作品に当たったときは、なかなか嬉しいものである。
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第11回横溝正史ミステリー大賞受賞。 まず、タイトルが笑える。読んでると、ああ、動くね、そういうことね、と思うけれど。 土地高騰して、地上げ屋が暗躍したころの話。住んでる人にとっては、自分の土地が上がってもいいことないのよね。東京は地上げしつくして、大阪が舞台。不動産薀蓄が多くて、推理は二の次。純粋なミステリーって感じではない。 でも、最初の小学校時代の初恋の子にばったり会うところにつなげたり、工夫は見える。 うわー上から目線~
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イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/1750155.html) 横溝正史賞(1991/11回)
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