カンガルー の商品レビュー
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ロレンス8番目の長編小説。第一次世界大戦中に祖国イギリスで受けた権威主義軍国主義的でヒステリックな迫害で民主主義に幻滅し、オーストラリアにやってきたサマーズ夫妻の物語。オーストラリアでは左派右派入り乱れての生臭い政治闘争が暗躍しており、孤高の生き方を望むサマーズはそれぞれの大物から協力を求められるものの、思想的な違いから距離の取り方に悩み、結局は追われるようにアメリカに去る。長大な作品で、本筋とは無関係な内容の切り貼りが多く、またロレンス個人の哲学的主張が繰り返し述べられ、読むのはかなり苦痛。
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