私本太平記(一) の商品レビュー
全巻読んでいます。 関西や関東で縁の場所に足を運ぶ機会があり、 その度にこの本のことを思い浮かべてきました。 また、作者が残した 「あとかたの なきこそよけれ みなと川」 という色紙も目にすることができましたが、 全巻読み終わった後のこの句の響きは特別です。
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(全巻合わせた感想) 文章が読みやすく、状況描写が上手でその場の雰囲気や気持ちが手に取るように分かり、その文章の巧みさに感嘆した。内容は主人公尊氏及び周辺の人々に何らの魅力を見出せなかったので、少しつまらなかった。
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▼本を読んだ理由(きっかけ・動機) もともと吉川英治氏の作品は全て読破したいと思っていたため、いずれ読むつもりであった。 このタイミングで手をだしたのは、山岡荘八氏の『源頼朝』を読んで、鎌倉~応仁の乱を経て戦国に到るまでの歴史を改めて知りたいと思ったから。 「足利尊氏」という人物...
▼本を読んだ理由(きっかけ・動機) もともと吉川英治氏の作品は全て読破したいと思っていたため、いずれ読むつもりであった。 このタイミングで手をだしたのは、山岡荘八氏の『源頼朝』を読んで、鎌倉~応仁の乱を経て戦国に到るまでの歴史を改めて知りたいと思ったから。 「足利尊氏」という人物をぼんやりとしか知らなかったのも動機のひとつ。 ▼作品について 室町幕府を起こした足利尊氏を主人公に南北朝動乱の始まりから鎌倉幕府崩壊後の泥まみれの戦模様が描かれている。 これを読めば、室町幕府が早期に瓦解し、応仁の乱を経て戦国に突入した理由がよくわかる。 ▼感想を一言 切なくなった ▼どんな人におすすめ(気分、状況) 日常に疲れ、厭世観に付きまとわれている人。 「足利尊氏」の晩年の悲しさも最後の「覚一法師」の琵琶問答に救われる。 ▼作者について 歴史・時代作家としては吉川英治氏が描く作品は司馬遼太郎氏のリアリティとは違い、人間愛に溢れている。 作品は最後に”救い”があり、現実の厳しさの中にも一輪の花(希望)を咲かせるような 読む人を励まそうとするような一面があるように思える。
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幕末本を読んでいると、どうしても天皇の歴史を理解する必要があり、先ずは南北朝の時代を知るべきだと思い、読むことにする。 登場人物の繋がりが絶妙で読んでいて飽きない。
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面白かった。 室町時代にどのように突入していったのか、 なぜ鎌倉幕府は倒れたのか、等を政治、軍事的側面から描いている。
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北条政権末期、政治は乱れ幕府の求心力は失われつつあった。再び乱世の観を呈しつつあるこの時代に、後に室町幕府の開祖となる足利高氏が登場する―。 この時代、鎌倉末期・南北朝時代・室町時代についてはよくイメージを持っていなかったのですが、それが全く関係なく、とても面白く読めます。 足...
北条政権末期、政治は乱れ幕府の求心力は失われつつあった。再び乱世の観を呈しつつあるこの時代に、後に室町幕府の開祖となる足利高氏が登場する―。 この時代、鎌倉末期・南北朝時代・室町時代についてはよくイメージを持っていなかったのですが、それが全く関係なく、とても面白く読めます。 足利尊氏、新田義貞、後醍醐天皇、佐々木道誉といった鍵を握る人物達が登場し、生き生きと描かれています。 高氏の秘めた野望がどう帰結していくのか、続きが楽しみです。 吉川作品を読むのはこれで二作目ですが、しかし面白い。おそらく絡めて書くのが上手いのでしょう。素晴らしいエンターテインメントです。
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北方太平記に続いて定番に手をのばしてみた。やっぱりいいですね、吉川英治。読みやすいのに格調高くて、でもやっぱりエンタメしていてすごくおもしろい。 登場人物の一人一人が、美点もあれば短所もあり、単純化されていないのがいいですね。中でもとりわけ複雑なのが尊氏の人物像なんだと思いま...
北方太平記に続いて定番に手をのばしてみた。やっぱりいいですね、吉川英治。読みやすいのに格調高くて、でもやっぱりエンタメしていてすごくおもしろい。 登場人物の一人一人が、美点もあれば短所もあり、単純化されていないのがいいですね。中でもとりわけ複雑なのが尊氏の人物像なんだと思います。多面性の魅力。女がらみでは割とどうしようもないけど。 何せこのすらっと流れていくような文章が心地よくて(なのにときどき思いがけない粘りや熱さに出逢うのがまたいい)、できればもっと長く読んでいたかった。「湊川帖」の次が終章ってものすごい駆け足ですよね。でも、「あとかたもなきこそよけれ湊川」だし、あっさりしているくらいがいいのかもしれません。作者の体調云々は抜きにしても。 1969年出版の吉川英治全集39~41巻で読んだのだけれど、Amazonに登録されていないようなので、とりあえずこちらに。
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吉川文学の味わい深いシリーズだと思います。 歴史の学びにも参考になりますし、男女あるいは当時の夫婦間の情愛の機微も、丁寧に描かれていると思えます。
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幕末,明治の小説はかなり読んできたものの,鎌倉,室町時代については全くのど素人なので,まずはこの時代の王道である太平記を読んでみた。 主人公は概ね足利尊氏で話は進んでいるが,尊氏は何となく優柔不断で人を惹きつける魅力があまりないように感じられた。 それに比べ,楠木正成については,...
幕末,明治の小説はかなり読んできたものの,鎌倉,室町時代については全くのど素人なので,まずはこの時代の王道である太平記を読んでみた。 主人公は概ね足利尊氏で話は進んでいるが,尊氏は何となく優柔不断で人を惹きつける魅力があまりないように感じられた。 それに比べ,楠木正成については,考え方も一貫しており,好きな武将の一人となってしまった。 南北朝時代は武士も節操もなく足利方や後醍醐方の形勢の良い方に取り入っており,侍としてどうなのだろう。忠の字はどこへ行ったのかと思われてならなかった。 しかし,尊氏のすばらしいところは,そんな侍たちも受け入れる度量,赦す心を持っていたのが好きなところだ。 ひととおり南北朝の騒乱は流して見たので,この時代でもう少し詳しい小説を読んでみようか。
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足利尊氏の少年時代から、鎌倉幕府・北条氏の滅亡、後醍醐との確執、楠正成との決別、南北朝の成立を経て晩年に至る、戦乱と裏切りと人殺しと、権力欲と物欲と、そんな中を懸命に生きた人々の物語。
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