TVピープル の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「TVピープル」と聞いて、どんな人を想像するか? TVの中でしか存在できない、別世界の人。 TVに夢中になりすぎて、TVの中に取り込まれてしまう人。 現実世界の「こっちの人」と、TV世界の「あっちの人」の交流を期待して読み始めると、「ん?何か違うぞ!」と期待を裏切られる。 人間よりいくぶん小さい「TVピープル」は、テレビを部屋に運び込み、設置し、点検していく。しかも、ソニーのカラー・テレビだ。 いったい、何のため? 最初のうちは、一言も口をきかず、ただ、テレビを設置していたが。。。 あれ? 今、誰か目の前を通っていった??
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
川上未映子が絶賛していた”眠り”が収録されているので読む。 ”眠り”歯科医を夫に持つセレブな妻が眠れなくなって2週間くらい一睡もしないのに眠くなく”アンナ・カレーニナ”を予後と読みふけり夜のドライブをし、不穏な感じで終わるんだけど、女性の心理描写がほんとに上手い。想像力でこれだけ書けるものだろうか。 しかも、この短編集みんな面白かった。 最近の長編よりもむしろ面白かった。
Posted by
短編集。幻想?ホラー? 不思議な作品たち。 「我らの時代のフォークロア」は『ノルウェイの森』を思わせる雰囲気。 「加納クレタ」と「ゾンビ」は、ショート・ショートほどの短さのホラー。 表題作が一番謎だった。
Posted by
二度目の「眠り」が染みた。 きっとこの女性は昏睡状態か何かにあって、眠れない日を17日間過ごしているのだ、という仮定で読み進めると、「傾向」にずっと自分の時間を奪われてしまって、本来の自分らしさを損なっていることに気づく物語なんだとわかって、今の現代人になんてぴったりなんだろうと...
二度目の「眠り」が染みた。 きっとこの女性は昏睡状態か何かにあって、眠れない日を17日間過ごしているのだ、という仮定で読み進めると、「傾向」にずっと自分の時間を奪われてしまって、本来の自分らしさを損なっていることに気づく物語なんだとわかって、今の現代人になんてぴったりなんだろうと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「TVピープル」 ある日、テレビのない家にテレビを運んでくる男3人組、またまた訳のわからない小説だ。 結局、最後まで訳の分からないままで終わる。 いったい何なんだ? 「飛行機-あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」 副題に”いかにして”とあるが、結局それはわからないまま。 何を言いたいのか? 「我らの時代のフォークロア-高度資本主義前史」 みんなのレビューを見ると、一番人気のようである。 処女性というか、そういう女性のひとつの生き方を提示する話。 みんなこんなのが好きなのか? 「加納クレタ」 とても魅力的な女性がたびたび男から犯されることから、 それに対処する方策に関してのお話。 あまりに現実離れ(この話しだけではないが)しているため冷めた目で読んでしまう。 「ゾンビ」 マイケル・ジャクソンのスリラーのPVのようなお話。 終わり方も同じ展開。 「眠り」 これも人気の作品のようです。 この作品の中に出てくる「アンナ・カレーニナ」は誰もが聞いたことのある トルストイの名作。 僕も小学生のときから気になっていたものの本の分厚さからなかなか読むのが おっくうになっていてまだ読んだことがない。 僕だけでなくいろんな人が今一度読んでみようかな?と考えるそうだ。 それはさておき、この「眠り」も終わり方が気に入らない。
Posted by
主人公が女だったり、語り手が登場人物ではなかったり。 村上さんの作品にしては珍しいが それだけで、特におもしろくはなかった。
Posted by
以前、読んだことがあるはずなのに、こんなに新鮮に読めるのはなぜなのでしょう。私の記憶力が落ちているということもあるけれども、それだけ、この本の中身が日常からかけ離れているせいではないでしょうか。つまり、記憶に残そうとしても、記憶がすがりつく壁がないというか、何というか。あるいは...
以前、読んだことがあるはずなのに、こんなに新鮮に読めるのはなぜなのでしょう。私の記憶力が落ちているということもあるけれども、それだけ、この本の中身が日常からかけ離れているせいではないでしょうか。つまり、記憶に残そうとしても、記憶がすがりつく壁がないというか、何というか。あるいは、逆に言うと印象に残りにくい、よく言えばシンプル、悪く言うと淡泊というような面があるのかも。 とにかくすごいのは、絶対あり得ないことなのに、何の状況の説明もないこと。例えば、最後の「眠り」では、1週間も2週間も眠らずに過ごす女性が登場しますが、どうしてそうなったのか何の説明もありません。いやそれどころか、当の本人も理由が分からないまま話は突き進むのです。しかも、話が終わっても何ら解決しない(笑)。普通そこまでされると、違和感があってストーリーに入り込めないのですが、ハルキ・ワールドではノープロブレム。がんがん入り込んでしまいます。 一度、村上氏の作品で国語の授業を受けてみたいな。小学校でも中学校でも、高校でもいいから。みんなで段落ごとに読んでいって、意味の解釈をしたり、主題を考えたり、国語の先生にじっくり解説して欲しいです。 きっと、昔より国語の時間が好きになると思います。(でも、テストの点は取れないかも)
Posted by
ちょっと抽象的すぎて難解であった。 長編の方が、抽象的ながらも作者の言いたいことがわかりやすい気がしました。 でも東京奇譚集は面白いですけど。
Posted by
実家に帰ったついでに本棚の奥から取り出して、再読した。再読といっても、最後まで読んだのか、途中で放り出したのかほとんど覚えていない。ましてやそれぞれの短編のストーリーは全く記憶の外である。 改めて、読み直して見て、それぞれの短編が後の長編、多くはネジマキ鳥クロニクルに散りばめられ...
実家に帰ったついでに本棚の奥から取り出して、再読した。再読といっても、最後まで読んだのか、途中で放り出したのかほとんど覚えていない。ましてやそれぞれの短編のストーリーは全く記憶の外である。 改めて、読み直して見て、それぞれの短編が後の長編、多くはネジマキ鳥クロニクルに散りばめられている材料の断片ばかりだということに気づいた。また、どの小説もはっきりとした結論がなく、中途半端な状態で小説が終わっている。これは村上春樹の小説の特徴なのか。
Posted by
社会の隙間から引っ張り出してきたみたいな短編の集まり。「我らの時代のフォークロア」「眠り」が好き。見えない悪が描かれ(ているように思う)、「ねじまき鳥〜」「1Q84」の土台と感じられる。
Posted by
- 1
- 2