荒涼館(1) の商品レビュー
ジャーンデス対ジャーンデス事件の裁判は永遠に続きそうな様子である。後見人のジャーンデスに引き取られたエスタ・サマソンは同じく事件の後見人であるエバとリチャードと一緒に荒涼館で暮らし始めた。ジャーンデス叔父さんは優しく、三人に愛情をかける。エスタは館の鍵を全て預かり家政を取り仕切る...
ジャーンデス対ジャーンデス事件の裁判は永遠に続きそうな様子である。後見人のジャーンデスに引き取られたエスタ・サマソンは同じく事件の後見人であるエバとリチャードと一緒に荒涼館で暮らし始めた。ジャーンデス叔父さんは優しく、三人に愛情をかける。エスタは館の鍵を全て預かり家政を取り仕切る役目を果たしている。ジャーンデス対ジャーンデス事件の周りにさまざまの人々が現れ、さまざまな出来事が起こっている。全四巻だから、まだまだこの巻は序章であろう。
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一体全体どういう話が始まっているのか、さっぱりわからないままに、ずるずる読んでしまう不思議な物語。 当時の上流社会が「善」であり「徳」であり「立派な行為」としていた「慈善事業」に対して「強引な慈善」と言うすばらしい表現を当てはめていたことが印象的。 形式だけの空疎な慈善、つまり偽...
一体全体どういう話が始まっているのか、さっぱりわからないままに、ずるずる読んでしまう不思議な物語。 当時の上流社会が「善」であり「徳」であり「立派な行為」としていた「慈善事業」に対して「強引な慈善」と言うすばらしい表現を当てはめていたことが印象的。 形式だけの空疎な慈善、つまり偽善に対する作者の怒り、不快が繰り返し述べられている。 たぶんこの小説のベースである裁判も、これと同様に形式の上に形式が重ねられた偽善に他ならないのだろうと思われる。 起承転結の早い小説に慣れている読者にはたぶん、読み終えるのが非常にきつい小説ではありそう。
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130810 中央図書館 ナボコフの「文学講義」を先に読んでしまうと、まるでこの長大な物語を既読したかのような気分になってしまった。また、縁があれば。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ジャースディン対ジャースディン事件」の裁判。終わりの見えない裁判。孤児のエスタを育てた伯母。突然荒涼館に招かれたエスタ。エイダ、リチャードとの出会い。2人の被後見人のジョン・ジャースティン。荒涼館での生活。レスタ卿の婦人の秘密を探るタルキングホーン弁護士。デッドロック家に関わる秘密。クルックの下宿屋で死んだ謎の人物。タルキングホーンが追う浮浪児のジョー。ジョーが知ってしまった秘密。
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延々と続く訴訟があり、その中に語り手のエスタの物語や貴族、慈善事業家、弁護士、代書屋、商店などが包含されている枠物語。社会風刺たっぷり。
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荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・? ディケンズの作品は、大学の図書館で見るたびに、いつか読みたい読みたいと思いつつ、なかなか手に取ることができなかった。中でも私がいた...
荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・? ディケンズの作品は、大学の図書館で見るたびに、いつか読みたい読みたいと思いつつ、なかなか手に取ることができなかった。中でも私がいたく題名に引かれていたのが、この『荒涼館』。しかし各400ページの文庫が4冊となると、読み始めるのにも気合いがいる。 とはいえ、もう私も4年生である。ごちゃごちゃ言ってたら、きっとあっという間に卒業してしまうに違いない・・・と思い、読むなら今しかない! と、えいやっと勇気を出して、いよいよ荒涼館に挑むことにした。 なのに、最初の2章がかなり硬い調子で始まり、ディケンズ特有の視点のマクロさにすっかり怖気づいてしまう始末。なんだかあまり文章の意味もわからないし、どうしよー、やっぱ読むの早かったかなぁ・・・と何度もあきらめかけたのだが、それでも根性と持ち前の貧乏性(?)で粘ったところ、3章から語り手が主人公エスタの一人称になり、ぐっと親しみやすくなった。 1巻はまだまだ物語の序章というかんじ。とにかく大勢の人物が出てくる上に、いろいろな伏線が張られまくっているので、読んでいるうちに頭が混乱してくるが、それでも魅力的な登場人物たちとにぎやかな話の進み具合にわくわくする。 しかし1巻を読み終わった時点で、とても登場人物の整理ができなかったので、これを返却して次巻がわかるだろうか・・・と心配になった。そこで、私の読書人生で初めて本の登場人物相関図を作成してみた。すると、主要と思われる登場人物だけでも30人近く名前が挙がり、びっくり。こりゃ混乱するのは当たり前だ、と思った次第だった。
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翻訳が30年以上前のものだからか、原文もそうなのか、少々硬い。 ディケンズってこんなに描写がしつこかったかな、とも思う。 そして、「この本は社会風刺が目的なの?」 と思わせるほど、たくさん当時の事柄を皮肉的に書いてます。 450ページに渡る第一巻を読破しても、まだ何が起こってい...
翻訳が30年以上前のものだからか、原文もそうなのか、少々硬い。 ディケンズってこんなに描写がしつこかったかな、とも思う。 そして、「この本は社会風刺が目的なの?」 と思わせるほど、たくさん当時の事柄を皮肉的に書いてます。 450ページに渡る第一巻を読破しても、まだ何が起こっているのか 核がどこなのか分からない。 登場人物が多いのも、ちょっと戸惑う。 と、批判的のような感想ではありますが、決して詰まらないわけではない。 今現在、第二巻を読み出して60ページ 面白くなってきたんですけどーーーー! です。そー来たかぁ! やっぱディケンズです。社会批判だけな訳が無い。 ちゃんと面白くなってきました(^O^) 全4巻の長いお話。一巻はこんなもんでしょ! それと、も一つ。 この本は19世紀のイギリスという国。ロンドンを知るのに実にいい史料っす。 当時を生きる人が書いた当時の現代本です。 注釈が多いのも助かります。 (H21.9 図)
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