新・平家物語(二) の商品レビュー
『MASTER PIECE』
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」っ...
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われちゃって…。
クラシカルなMK
源氏と平氏の争い合いの火種になるエピソードも後半になってあった。後の歴史に残るような出来事や謀反も盛り込まれていた。まだまだ物語は序盤に過ぎないと思いました。
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保元の乱が勃発。朝廷と院、貴族と貴族の争い武家は源平混合して各々の陣営につく。清盛はおそらく35歳〜40歳と推定。 清盛の兄弟を中心に平家一門がそれぞれ世の中に出て行く。 そして保元の乱後、重用される平家、冷遇される源氏。これは次の乱の発端となる
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保元の乱に始まり平治の乱に終わる、乱世極まる巻。第一巻にも言える事だが、盛者必衰の理が多分に表されていたと感じる。 例えば信西入道。保元の乱で天敵頼長が倒れ、窓際族から一躍出世を果たすも、信頼の謀反により倒れる。その信頼も、過激なやり方に反発を抱かれ、刎頸の交わりを結んだ者たち...
保元の乱に始まり平治の乱に終わる、乱世極まる巻。第一巻にも言える事だが、盛者必衰の理が多分に表されていたと感じる。 例えば信西入道。保元の乱で天敵頼長が倒れ、窓際族から一躍出世を果たすも、信頼の謀反により倒れる。その信頼も、過激なやり方に反発を抱かれ、刎頸の交わりを結んだ者たちに裏切られた事で、今や朝敵である。鳥羽上皇や頼長に振り回され、最後は京を呪う悪霊と化した崇徳天皇などに至っては、憐れというほか無い。乱世の中にあって、世を治める事の難しさを感じた。 また、保元の乱とは違い、平治の乱は平氏と源氏の争いという側面が強く、これを持って公家社会から武家社会へと移行した様に感じた。とは言え、義平と重盛の一騎打ちの様に、「武士の誉れ」という貴族的側面は残っており、近代の戦争の様な大量殺戮的側面は見られていない事も、平安時代という時代背景からなのだろう。 面白かった。次巻に期待。
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関白忠通と左大臣頼長の兄弟の権力争いの火だねが、後白河天皇と崇徳上皇の兄弟の争いへと飛び火していく。まったくもって人間社会というのは権力が絡んでくると、醜いものなる。保元の乱の勃発である。父子、親族が敵味方に分かれて戦うという地獄絵図。そして戦いの決着がついた後には相手方の処刑と...
関白忠通と左大臣頼長の兄弟の権力争いの火だねが、後白河天皇と崇徳上皇の兄弟の争いへと飛び火していく。まったくもって人間社会というのは権力が絡んでくると、醜いものなる。保元の乱の勃発である。父子、親族が敵味方に分かれて戦うという地獄絵図。そして戦いの決着がついた後には相手方の処刑と、きわめて陰惨なる風景が展開される。負けた側の崇徳上皇は讃岐へ流罪となる。禍根は残っていく。こんな悪夢の中で、水守の麻鳥の存在に救われる。なんの欲得もなく、ただ崇徳上皇に付き従う麻鳥の姿にこそ、われわれは人間の真心の美しさを知る。 【このひと言】 〇しかし、清盛がいったとおり、花見ではない、合戦なのだ。白刃と乱箭(らんせん)と炎の下に、名誉や出世だけが拾えるものと夢みているとしたら度し難いばかである。もう一ぺん、家郷を思い、妻子を胸にえがいてみるがいい。生命にも、悔いはないか、自分自身に訊いてみろ。 〇たれの場合も、出発は正しくて美しい。晩年の、太政入道清盛は、まるで、別人みたいな存在になったが、壮年のかれには、そんな理想もあったのである。 〇貴族でもない、武者でもない、麻鳥のような身分の軽い者に、どうして、そんな真心があるのか。官位や栄爵も欲しない---何の代償をも望んでいない---みすぼらしい身一つの人間がそんな美しい心ねをもっているのか。それが、新院には、おわかりにならない。いや、真心は真心として映らずにいないので、直後には、すぐ麻鳥の純なる敬愛の気持ちを、新院も、お汲みとりにはなった。そして、こういう素朴な野の民のうちにこそ、なんの裏表も醜さもごまかしていない、きれいな一つの精神の花が、この国の四季の中にはあったのだということを---まことに遅くではあったけれど---いま初めて、ここで、お習びになった。 〇悪左府、悪別当、悪右衛門、悪何々---といったような呼び方は、めずらしくもなんともない。そのころの人の間では、アダ名ぐらいにつかわれていた。それは悪人とか、悪党とか、決定的な極印を打つ意味ではなく、むしろ憎悪のできない悪、道徳の規矩以外から人間的には愛称される悪、かれにもあるが自分らにもあるとはっきり共感のもてる悪、ほんとはとても善いやつなのにその反対のボロを出して世間からたたかれてばかりいる悪---などの単純でいて実は際限なくむずかしい"善と悪"なるものの差別にたいする一種の庶民称といったようなものである。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
保元の乱から平治の乱にかけての話になり、いよいよ面白くなってきました! 天皇家の悲哀が特に切ない。文章に天皇家に対する敬意も感じられて、その時代の人間の感覚に近づける気がする。 崇徳上皇と麻鳥の関係に権力争いに翻弄される一番の被害者である天皇家の悲しさが表現されていたと感じました。 一方の公家は滑稽なまでにおろか。 もう公家の時代ではないというのがひしひしと伝わる。 武家の棟梁としての清盛と義朝の対比も面白い。 端整な重盛VS悪源太義平の嫡男対決もわくわくする。 ついに13歳の頼朝も登場するし、長期戦でのんびり読むつもりだったけど、早く続きが読みたいです。
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保元の乱と平治の乱の巻。 保元の乱は、血を分けたもの同士が敵味方に別れ戦うという、悲劇的な乱。 吉川英治も、その本文の中で「まことに、保元の乱を書くことは苦しい。」 と述べている。崇徳上皇がとても無念。 吉川英治の創作らしい、阿部麻鳥の存在で、やや救いを感じる。 叔父を自ら斬ら...
保元の乱と平治の乱の巻。 保元の乱は、血を分けたもの同士が敵味方に別れ戦うという、悲劇的な乱。 吉川英治も、その本文の中で「まことに、保元の乱を書くことは苦しい。」 と述べている。崇徳上皇がとても無念。 吉川英治の創作らしい、阿部麻鳥の存在で、やや救いを感じる。 叔父を自ら斬らなければならなかった清盛も悲劇だけど、 最後までどちらにつくか迷っていた父を斬らなくてはならなかった、 義朝は特に悲劇だった。 平治の乱では、熊野詣から引き返す際の家貞の用意周到さに心躍った。 源氏の人々がこれからどうなるのか、読み進めるのが楽しみ。 保元の乱、平治の乱をこの小説で、 武士の武力に寄り添って政変が起こる様子を読んで、 これまでの平安の歴史からがらりと変わったなという感じがした。
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保元の乱から平治の乱までを描いています。 貴族と武士の力関係が逆転するきっかけとなった時代の節目だけに興味深い。それ以上に負けた側と勝った側の人間模様も考えてしまいますね。 敗者の崇徳天皇の讃岐での悲哀。奢り高ぶる信西と権力の中枢から滑り落ちる藤原頼道。その信西も源氏により殺さ...
保元の乱から平治の乱までを描いています。 貴族と武士の力関係が逆転するきっかけとなった時代の節目だけに興味深い。それ以上に負けた側と勝った側の人間模様も考えてしまいますね。 敗者の崇徳天皇の讃岐での悲哀。奢り高ぶる信西と権力の中枢から滑り落ちる藤原頼道。その信西も源氏により殺されてしまう。それも文覚のこの一言に集約されていると思う。 「人間にとって何よりの毒は権力だよ。」 親兄弟でも、反目しあい、殺しあう時代。「今日の友は明日の敵」の世界。後に頼朝が人間不信になってしまうのも分かる気がします。しかし、大河ドラマの世界と言うのは一度、小説などを読んでから見ないと歴史認識が誤りますね。
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平家物語ってこんなに面白かったんだ! 2巻は保元の乱直前まで。源氏擁護の頼長と清盛擁護の信西の対立、近衛天皇への入内を巡る藤原忠通と頼長の対立、崇徳上皇と内裏の対立に伴う平清盛と叔父忠正の対立、源義朝と父為義の対立・・・政争の裏にはそこやかしこに身内が別れてのそれぞれの想いがあっ...
平家物語ってこんなに面白かったんだ! 2巻は保元の乱直前まで。源氏擁護の頼長と清盛擁護の信西の対立、近衛天皇への入内を巡る藤原忠通と頼長の対立、崇徳上皇と内裏の対立に伴う平清盛と叔父忠正の対立、源義朝と父為義の対立・・・政争の裏にはそこやかしこに身内が別れてのそれぞれの想いがあって目が離せない。
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保元の乱が書かれてある。家族や親戚同士の戦いが泥くさかった。三国志も平安末期も、実質的な権力者と形式的な権力者の構図が似ている。すなわち、天皇か武人かということで、天皇とかお上の力を利用して、武人は戦いの大義名分を作って権力を牛耳っている。書かれた時代が戦争時期のため、天皇の表現...
保元の乱が書かれてある。家族や親戚同士の戦いが泥くさかった。三国志も平安末期も、実質的な権力者と形式的な権力者の構図が似ている。すなわち、天皇か武人かということで、天皇とかお上の力を利用して、武人は戦いの大義名分を作って権力を牛耳っている。書かれた時代が戦争時期のため、天皇の表現が非常に丁寧だ。作者である吉川英治の、権力についての洞察がさらりと書かれてあった。曰く、「人を狂わせるものだ」と。 しかしまあ読んでいて、清盛始め、「~盛」がつく人物が多かったり、「~頼」とか似たような名前ばかりが出てきて、非常に頭に入りづらい。だから大河ドラマを見て、映像でイメージをつけてから読むことにする(^.^) すると同時期の「義経」も興味が出てきた。それも観ようと思う。
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