新・平家物語(一) の商品レビュー
『MASTER PIECE』
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」っ...
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われちゃって…。
クラシカルなMK
清盛やそれに関わる人の台頭、覇権争いが見て取れた。歴史小説なので読みにくいところはあったが、現代にも通ずる場面もありなかなか読み応えがありました。
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大河ドラマとアニメ平家物語を観ながらそういえば平家物語って授業で習った祇園精舎の鐘の…以外よく知らないなぁと思って読み始めました。 吉川英治の本を読むのは三国志ぶり?水滸伝ぶりか。 やっぱり面白い!
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清盛20代のお話。学友が犯罪者になったり、はたまた、別の友が出家したりするけれど、これって完全に伏線予感。平時忠ってあの名台詞の時忠?こんなきっかけで知り合うのか…と。比叡山の強訴に対抗する漢気のあるエピソードは若々しさがあるれている。それにしても、藤原家、天皇家、平家、源氏そこ...
清盛20代のお話。学友が犯罪者になったり、はたまた、別の友が出家したりするけれど、これって完全に伏線予感。平時忠ってあの名台詞の時忠?こんなきっかけで知り合うのか…と。比叡山の強訴に対抗する漢気のあるエピソードは若々しさがあるれている。それにしても、藤原家、天皇家、平家、源氏そこそこ登場人物すでに多い…完全に忘れていく。そして2巻は保元の乱から始まる予感。
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かの有名な「祇園精舎の鐘の声」から始まる、平清盛を中心とした平家の盛衰を著した本。元々は琵琶法師が弾き語りながら物語る、現代で言う連続ドラマのような立ち位置だっただけあり、令和の時代に読んでも面白い。 第一巻のテーマは「親子」である。遠藤盛遠から自らの出自を聞かされた清盛。白河...
かの有名な「祇園精舎の鐘の声」から始まる、平清盛を中心とした平家の盛衰を著した本。元々は琵琶法師が弾き語りながら物語る、現代で言う連続ドラマのような立ち位置だっただけあり、令和の時代に読んでも面白い。 第一巻のテーマは「親子」である。遠藤盛遠から自らの出自を聞かされた清盛。白河法皇・鳥羽上皇の権力闘争に巻き込まれ、実の父親から蔑ろにされた崇徳天皇。新院と新帝の争いに巻き込まれ、実の父と刃を交える事となった義朝。今以上に家柄が重視された世にあって、血縁者と言うものは切っても切れないかけがえの無い物であり、これを巡って苦悩に巻き込まれた彼らの心情たるや、想像もつかない。出来る事なら、清盛の如く一族を大切にし、出世に目が眩むあまり頼長・忠通兄弟の様な骨肉の争いに巻き込まれぬように自戒したい。 兎にも角にも、一瞬で読みきってしまう位面白かった。次巻にも期待。
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平安時代、藤原政権の退廃は、源平の台頭をもたらしました。 従来の平家物語を描くだけではなく、さまざまな古典や史実も配し、まさに「新」平家物語にふさわしい、重厚な超大作です。 平太清盛の生い立ちから、藤原氏の暗躍、やがて保元・平治の乱へ突入する、その前までを描きます。
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ちげぐさの巻 清盛(平太)の20歳頃から30歳くらいまでが描かれる。貧乏武士の長男である平太の父(平忠盛)、母(祇園女御)、学友の遠藤盛遠(のちの文覚)、佐藤義清(のちの西行)らの関係の中で成長し、頭角をあらわし始めるまでの序章である。 それまでの貴族の時代に武士が台頭した理由は...
ちげぐさの巻 清盛(平太)の20歳頃から30歳くらいまでが描かれる。貧乏武士の長男である平太の父(平忠盛)、母(祇園女御)、学友の遠藤盛遠(のちの文覚)、佐藤義清(のちの西行)らの関係の中で成長し、頭角をあらわし始めるまでの序章である。 それまでの貴族の時代に武士が台頭した理由は、院政による宮廷勢力の不安定に対して僧兵たちの力が抑えきれない状態になり、宮廷が護衛のために召し抱えた武士の地位を重んじるようになったというものである。 忠盛は平太の本当の父ではない。真の父は白河院か八坂の悪僧であることを盛遠から聞かされ、自分は誰であるのか葛藤し、不貞な母を嫌悪する。しかしその後の平太は、良くも悪くも生き方を大きく変えてゆく学友らを見て、自身も成長してゆく。時子と結婚し子をもうけ、六波羅に居を構える。そして僧団の強訴に対して破天荒な事件を引き起こすところで話は終わる。
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何度も読みかけては挫けていたが、ようやく1巻を読み終えた。 前半はほとんど動きがなく、清盛の人物描写や時代の空気を描くのに終始する。最後の方になってようやく清盛の活躍の場面が出てきて俄然面白くなってきた。 佐藤義清って何か聞いたことがあるような気がしていたら、そうか、例の人だった...
何度も読みかけては挫けていたが、ようやく1巻を読み終えた。 前半はほとんど動きがなく、清盛の人物描写や時代の空気を描くのに終始する。最後の方になってようやく清盛の活躍の場面が出てきて俄然面白くなってきた。 佐藤義清って何か聞いたことがあるような気がしていたら、そうか、例の人だった。 清盛と同時代の人だったとは思わなかった。 2巻からは展開が早くなる予感がするが、本を読むまとまった時間が取れたらいいのだけど。
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以前、途中まで読んで止めてしまったが、山岡荘八『徳川家康』の次はこれだろうと思い、再び読み始めた。 『徳川家康』と違い、最重要人物である平清盛は既に20歳になっている。 本巻は貧乏時代の平氏から保元の乱の前夜まで。 山岡荘八と違い、客観的に淡々と書かれているように見えるが、...
以前、途中まで読んで止めてしまったが、山岡荘八『徳川家康』の次はこれだろうと思い、再び読み始めた。 『徳川家康』と違い、最重要人物である平清盛は既に20歳になっている。 本巻は貧乏時代の平氏から保元の乱の前夜まで。 山岡荘八と違い、客観的に淡々と書かれているように見えるが、権力を巡る公卿どうしのドロドロした争いが読み取れて興味深い。
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いまさらながらの平家物語。そして、いまさらながらの吉川英司。 文庫16冊という、この大作に手をつけるかどうか、迷うばかりであったが、いまこれに取りかかることに決めた。 悩むことはなかった。数ページを読んで、たちまちこの作品と出会ったことに感謝の気持ち。この読み手を一瞬に惹きつ...
いまさらながらの平家物語。そして、いまさらながらの吉川英司。 文庫16冊という、この大作に手をつけるかどうか、迷うばかりであったが、いまこれに取りかかることに決めた。 悩むことはなかった。数ページを読んで、たちまちこの作品と出会ったことに感謝の気持ち。この読み手を一瞬に惹きつける力こそが吉川英司の凄みであるといえよう。 たんなる歴史小説なのではない。そこに書かれているのは、想い・苦しみ・悩み・愛憎・妬み・裏切り・確執などから逃れられない、生身の人間の姿。ひとりひとりの生きざまが歴史というものをつくりあげていく。 【このひと言】 〇愛情はすべてを越えた愛情であるときに、ほんとの美しさを持つ。冷たい母子も、あたたかい母子となってくる。 〇むずかしい説教や書物に訓えられないでも、女体の本質が、知っていた。時により肉体と本心を、二つに持つことを、余儀なくでも、悟っている。 〇無知な願いかも知れないし、憐れむべきかもしれないが、しかし、善良ではある大部分の衆生は、何かを、心に持ちたかった。持たずには、今を、生きていられない人びとであった。 〇「なんの、陽がかければ、月が出る。月が沈めば、陽が出る。あすの陽が、出ないわけでもあるまい」清盛は、たえて不平顔を見せたことがない。
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