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与謝蕪村の小さな世界 の商品レビュー

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2015/02/02

与謝蕪村の一番の味わいを一番優れて表現している評論をまとめた本。 筆者のことを知らず期待してなかったが大当たり。書名と同じ「与謝蕪村の小さな世界」が白眉だが、その前の序の書き出しから秀逸。つまり 「心になにか屈したものがあるような日、あるいはくたびれてただ呆然と燈火の前にいるよう...

与謝蕪村の一番の味わいを一番優れて表現している評論をまとめた本。 筆者のことを知らず期待してなかったが大当たり。書名と同じ「与謝蕪村の小さな世界」が白眉だが、その前の序の書き出しから秀逸。つまり 「心になにか屈したものがあるような日、あるいはくたびれてただ呆然と燈火の前にいるような夜、與謝蕪村の句集や画集をとりだしてきてあてもなく眺めるのはいいことだ。」 蕪村を心底好きな人ならではの文だ。 それに続く内容は、学者として先達の評も踏まえた上での考察は独りよがりでなく魅力を素直に届けてくれる。細かいことをじっくり味わうように説いているためボリュームはあるが、そういう読み方が蕪村の句には合っていると思う。 学術的であるゆえにためになったのは「北寿老仙をいたむ」の「へげのけぶり」の解し方。

Posted byブクログ