世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上) の商品レビュー
あっと言う間に読みきりました。 読みやすい小説とは言い難いですが読むことを辞められなくなりました。 数年後に読み直したときも同じ感じでした。
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『―そのとき私はこう思ったの。世界って、なんて不思議なものだろうってね。世界には何百億、何千億っていう数のくすの木がはえていて―もちろんくすの木である必要はないんだけど―そこに日が照ったり雨が降ったりして、それにつれて何百億、何千億という数のいろんな鳥がそこにとまったりそこから飛...
『―そのとき私はこう思ったの。世界って、なんて不思議なものだろうってね。世界には何百億、何千億っていう数のくすの木がはえていて―もちろんくすの木である必要はないんだけど―そこに日が照ったり雨が降ったりして、それにつれて何百億、何千億という数のいろんな鳥がそこにとまったりそこから飛び立ったりしているのね。そういう光景を想像していると、私はなんだかとても悲しいような気持になったわ』 『どうして?』 『たぶん世界が数えきれないほどの木と数えきれないほどの鳥と数えきれないほどの雨ふりに充ちているからよ。それなのに私にはたった一本のくすの木とたったひとつの雨ふりさえ理解することができないような気がしたの。永遠にね。たった一本のくすの木とたったひとつの雨ふりさえ理解できないまま、年をとって死んでいくんじゃないかってね。』(p394)
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読んでたんだけど、途中でメガネをなくしてしまい、しばらく本を読まなかったので、また始めから読み直します。
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さらっと一回読んだだけなんでアレですが、いろんなレビュー読んでるとコレが最高傑作と言ってる人が多いっぽいのでまた読み返します。
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全然違う世界の話がだんだんつながってくのが興奮!この本を読んだ時、こういう小説のかたちがあるんだって驚いた。村上さんのおかげで本を読むってことが必然なものになりました!
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全く違う二つの話が少しずつ並行して進んでいくんだけど、少しずーつリンクしていく、それがほんっと巧妙で、どきどきそわそわしながらどんどん先が読みたくなった。
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村上ワールド。 基本的に長編好きなワタシには最高の本。 なんだか悲しいのです、切なくなります。 何回読んでも楽しめる。
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今はオーソドックスな手法だがパラレルな話の展開でかつ完成度の高い作品!「ダンス×3」と並ぶ村上作品の最高傑作かと。 話のイカレっぷりもいつも通りで安心w。
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完璧に語られた不完全性 村上春樹の数ある著作の中で完成度が最も高いのは世間も私も認めるところである。それほどまでに、細部に至るまで精密に計算されつくされている。一章ごとに二つのストーリーがパラレルに展開している。二つの世界は互いに影響しあっている。この二つの物語がつむぎだす緊張...
完璧に語られた不完全性 村上春樹の数ある著作の中で完成度が最も高いのは世間も私も認めるところである。それほどまでに、細部に至るまで精密に計算されつくされている。一章ごとに二つのストーリーがパラレルに展開している。二つの世界は互いに影響しあっている。この二つの物語がつむぎだす緊張感がたまらない。 村上春樹は翻訳家でもある。翻訳というのは一つの物語を頭の中に概念として記録し、それを違う形のものに作り変える仕事である。小説の主人公は頭の中にブラックボックスを持っていてそこで、なにやら作業をする。作業の内容は主人公にもわからない。これは翻訳家である村上春樹だからこそ、思いついた一つの世界認識の方法であるよう気もする。 この作品には考えるべく、問題がたくさんあると思う。しかし、そこを気にしなくても、不思議な冒険物語として気軽に読めるだろう。私は、村上春樹初心者には必ずこの本を進めることにしている。もっとも、読みやすく筆者のテイストも伝わるからだ。村上春樹の最初の一冊に思い悩んでいる人、これから読み始めたらどうですか?
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スパイラルになった世界観。 ハルキワールドの真骨頂的作品。 読み進めていくに連れて徐々に謎が解けていき、点と点は線になり、そしてやがて円になる。
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