死者の書 の商品レビュー
伝記作家が取材のため…
伝記作家が取材のため訪れた街での出来事。ホラーのような直接的な恐怖は描かれないが、得体の知れないゾクゾク感が味わえる。
文庫OFF
一人の天才作家が終生…
一人の天才作家が終生愛した町。ぼくは彼の伝記を書くために逗留している。でも知らなかった。この世には行ってはならない町があることを。衝撃のダーク・ファンタジイ。
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半分くらい読んだところからぐっと引き込まれた。ブルテリアが話し出してから止まらなくなって、最後の締めくくりは最高だった。 洋書の表現に頭がついていってない感があって悔しい、でも面白かった。
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ダーク・ファンタジーの代表的作家と称されるキャロル、1980年発表の処女作。 数々の名作を遺した伝説の童話作家マーシャル・フランス。高校教師トーマス・アビイは、少年期から憧れ続け、若くして逝った児童文学者の伝記を書くことが夢だった。そんな折、古書店で同作家の大ファンである女サク...
ダーク・ファンタジーの代表的作家と称されるキャロル、1980年発表の処女作。 数々の名作を遺した伝説の童話作家マーシャル・フランス。高校教師トーマス・アビイは、少年期から憧れ続け、若くして逝った児童文学者の伝記を書くことが夢だった。そんな折、古書店で同作家の大ファンである女サクソニーと出会う。探究心豊かな彼女から刺激を得たアビイは、執筆に取り掛かる決意を固めた。人嫌いで写真やインタビュー類も些少、その人生は謎に包まれていた。ミズーリ州ゲレイン。フランスが心臓麻痺により44歳で死ぬまで一生の大部分を過ごした町。そこには今も作家の家が残り、一人娘アンナが住んでいた。アビイは、のちに関係を深めて恋人となったサクソニーと共に、ゲレインへと向かう。街の人々は、誰もがフランスとアンナのことをよく知っていた。美しいアンナは気難し屋という前評判とは逆に、アビイらを快く歓迎した。作家に関わる伝聞や資料も溢れていた。 だが、奇妙な出来事が徐々に起こり始めた。人間が凧に変わり、犬が喋った。単なる妄想なのか。やがて、アビイはフランスの未発表の原稿を手に入れ、驚愕の事実を知る。 「ダーク・ファンタジー」と呼ばれる分野に疎く、そもそも興味も薄いため、読み手として私は〝不適格〟な部類に入る。その上でのレビューとなるが、現実と幻想が交差する〝闇の領域〟を軸に構築した物語を指すのだろうと、読了後に漠然とイメージだけは掴んだ。タイトルからはホラーテイストの暗い世界を想像していたが、本作に〝恐怖感〟を呼び起こす要素はなく、全体的にタッチは明るい。中盤までは大した動きもなく、終盤に差し掛かりようやく事の真相は明かされるものの、肝となるアイデアに新鮮味がなく、生かし方もこなれていないと感じた。何でもありのファンタジーと括れば説明不要という〝大前提〟が受け容れられるかどうかで、本作の評価は変わるだろう。 十代の多感な世代が読めば、それなりに面白い小説だろうが、巻末後書きで翻訳者が絶賛するほどの内容ではない。 主人公を含め登場人物は総体的に軽く、いいように流されるだけの怠惰な印象しかない。核となる童話作家の造形にも、その作品にも、さっぱり魅力を感じず、伝記作家となる若者の熱い思いに共感できなかったこともマイナス要因となった。結末も唐突で、違和感しか残さない。つまり、私はこの作品の〝良い読者〟ではない、ということだ。
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トーマス・アビイは父が有名な俳優だったので、いつもそれを話題に出されるのでくさっていた。高校の英語教師をしているが、生徒のエッセーの添削をするのにも疲れている。彼には夢があった。マーシャル・フランスという作家の伝記を書くことだ。子供の時に父がくれた「笑いの郷」という本でフランスの虜になった。ある日の午後、稀覯本を扱う書店でフランスの「桃の実色の影」の初版本が置いてあるのを見たが、その本は既に買い手がついて、買い手が戻ってくるまで預かっているという。そしてその買い手であるサクソニー・ガードナーが戻ってきた。その後、サクソニーとトーマスはフランスの伝記を書くという旅に一緒に出掛けることになる。そして、その旅の行方には思いもかけなかった出来事が…。
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ホラー?ファンタジー? とても面白かったです。前半は設定や登場人物の 説明が多くてつっかえ気味になりましたが 最後の展開の畳みかけは疾走感にあふれていました 少し前の映画のような小説でした エピローグが怖かったです
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津原やすみがHPで書いていて、興味を持った。 童話作家の伝記を書こうとする主人公が、作家の住んでいた田舎町ゲイレンでホラーな目にあう、という話。 サクソニーというパートナー、 アンナという魔女的な一面を持つ作家の娘、 ネイルズとペタルズという犬……。 作家マーシャル...
津原やすみがHPで書いていて、興味を持った。 童話作家の伝記を書こうとする主人公が、作家の住んでいた田舎町ゲイレンでホラーな目にあう、という話。 サクソニーというパートナー、 アンナという魔女的な一面を持つ作家の娘、 ネイルズとペタルズという犬……。 作家マーシャル・フランス、 主人公の父で有名な俳優のスティーヴン・アビイ。 いかん、何を記述してもネタバレになりそう。 それくらい伏線がすごく巧妙に張り巡らされている。 いや張り巡らされてりるというと、細かな伏線がちりばめられているというニュアンスになってしまうが、違う。 ひとつの大きな謎があるために、主人公の気分を表現する字の文や記述が牽引されている。 つまりひとつの巨大な伏線がどしんと構えている、という感じ。 ネタバレなしに読めてよかった、と幸福さえ感じる傑作。 キングをモデルにカーペンターが撮ったある作品に似ていると少しだけ思ったが、 本作の主人公は、いたって冷静。 精神的バランスを欠いているものの、幻想や幻覚に陥った記述をしないのである。 そして主人公の性格や感情の在り方を暗示する文体や、ユーモアのある軽妙な文章。 それだけに、作中の状況の不安、じっとりとした恐怖、疑惑、異様さが際立つ。 すごい作品に出合った。 ブルテリアってどんな犬だっけ、と検索したら、 こりゃそうとう間抜けな顔だ! 笑うしかない。 それなのに驚愕のモチーフのひとつになっているとは。 恐るべし。 ※邦題には疑問。 ※「~してた」という「い抜き言葉」が少し不満。
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本屋さんのおすすめの棚でたまたま手に取った本。 ホラーは好きじゃないんだけど、こういうタイトルにはちょっと死んだあとの世界をどう描くのか、気になったりする。まったく内容は違ったけど。 途中で町の老人(かわいそうに名前がない)が主人公に向かって世界観を話す。その内容に「うーーーん、...
本屋さんのおすすめの棚でたまたま手に取った本。 ホラーは好きじゃないんだけど、こういうタイトルにはちょっと死んだあとの世界をどう描くのか、気になったりする。まったく内容は違ったけど。 途中で町の老人(かわいそうに名前がない)が主人公に向かって世界観を話す。その内容に「うーーーん、そうなのか」って唸ってしまった。どうなんでしょう?
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ぼくの目の前で少年がトラックにはねられた。事故のあと町の人間が聞いてきた。「あの男の子、はねられる前は笑ってました?」笑って?……ここはアメリカの小さな町。一人の天才作家が終生愛した町。ぼくは彼の伝記を書くために逗留している。でも知らなかった。この世には行ってはならない町があることを。衝撃のダーク・ファンタジイ。 という紹介文に惹かれて読み始めたが、この場面にたどり着くまでが長い。 物語は主人公の一人称で語られる。翻訳の文体が地の文まで「い」抜き言葉なのがどうしても気持ち悪くて最後まで乗れなかった。訳者あとがきによれば、原文が口語体に近い文章とのことなのでそれを表現するためだったのだろうが、もっと他のやり方はなかったのかと残念だった。この点で☆1つマイナス。 出版時にスティーブン・キングが絶賛したらしいと聞いてなんとなくわかる気がした。
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3/31 読了。 フィルムの中に閉じ込められて永遠の生を生きる映画俳優の父を持つ息子(趣味は仮面のコレクション)と、マリオネット職人の女が、創造にまつわる恐ろしい魔法を隠した町で、ある作家の伝記を書こうと試みる。 最後の最後まで全く勇気や意気地の欠片も見せてくれないトーマスのキャ...
3/31 読了。 フィルムの中に閉じ込められて永遠の生を生きる映画俳優の父を持つ息子(趣味は仮面のコレクション)と、マリオネット職人の女が、創造にまつわる恐ろしい魔法を隠した町で、ある作家の伝記を書こうと試みる。 最後の最後まで全く勇気や意気地の欠片も見せてくれないトーマスのキャラ造形が気に入った(笑)。緻密に計算された文章と、散りばめられた沢山の映画や小説、ポップソングの名前によって、ゲイレンという町に不気味な実在感を与えている。不快な予感が重低音のようにずっと警報を鳴らし続け、会話によって居心地の悪さを演出する見事な手腕は、シャーリィ・ジャクスンのそれに近いと感じた。
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