シベリヤ抑留兵よもやま物語 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ピースおおさか 大阪国際平和センターにて斎藤邦雄先生のアニメが放送されており、興味を持ち読了。 筆者の語り口にユーモアがあるので軽く読めてしまうが、縁もないソ連はシベリアに騙される形で抑留された人々を思うと胸がつまされる。 私が知りたいのはそこで暮らした人々の生活であった。この本にはラーゲリ(収容所)単位でのそれが書かれており、そこには終戦後の戦争があった。 日本国旗はじゃが芋5つと交換され、マダムの頭に巻かれた。また僅かな黒パンで1日塩工場での重労働が続き、盗んででも空腹を逃れたいと窃盗は茶飯事であった。 このような状況に置かれ私などはあっという間に狂乱してしまう想像がつく。 「夜と霧」も書かれたように、収容所においても優しさを失わなかった者は存在し、先生もまたその1人であった。 興味深かったのは先生が「シベリア病」と称した病にかかりにくい人間は「技術者」であったと記された部分だ。 機械工や電気工、溶接工は重宝され、また食事量も倍はあり、優遇されていた。 また「シベリア抑留など大したことはなかった」と述べるのもこの人たちであった事に深く注意しなければならない。それぞれに事実がある。 幸せの価値基準に迷った時必ず再読したい。
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シベリヤ抑留といえばその過酷さについて語られる事が多いが、この本は挿絵の絵柄のせいか、エピソードのせいか、悲惨さは薄め。 サボったり盗んだり投げ飛ばしたりして、更にそれが見つかっても、大概お咎めなしなのが本当に不思議。ソ連はそういう所厳しそうなのに。
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