影の現象学 の商品レビュー
影があるから光がみ…
影があるから光がみえる・・・当たり前のようで当たり前でないんですよね。引き立て役って言葉があるけど 誰かが前に出るためにはその他大勢の影が必要なんですよ 絶対に!!
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「もう一人の自分」と…
「もう一人の自分」という影を自覚する人間の心の現象について。様々な文学作品を引用しながら説明してあったので、読みやすかったし、なかなか面白く読めた。
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現代人にとって実に興…
現代人にとって実に興味深い本の1つでしょう。最後の方に映画「戦場のメリークリスマス」の原作の「影の獄にて」についての解説が載っていますが、「戦メリ」が気になる人には一読の価値があります。
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(「BOOK」データベースより) 影はすべての人間にあり、ときに大きく、ときに小さく濃淡の度合を変化させながら付き従ってくる。それは、「もう1人の私」ともいうべき意識下の自分と見ることができる。影である無意識は、しばしば意識を裏切る。自我の意図する方向とは逆に作用し、自我との厳し...
(「BOOK」データベースより) 影はすべての人間にあり、ときに大きく、ときに小さく濃淡の度合を変化させながら付き従ってくる。それは、「もう1人の私」ともいうべき意識下の自分と見ることができる。影である無意識は、しばしば意識を裏切る。自我の意図する方向とは逆に作用し、自我との厳しい対決をせまる。心の影の自覚は、自分自身にとってのみならず、人間関係の上でもきわめて重要であり、国際交流の激しくなってきた今日においてはますます必要である。
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Twitterで、自分の中の影や地獄を認識してない者は、周りに地獄を生み出すという言葉があり、その参照先として、こちらの本が紹介されていた。
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短くなった通勤時間の間で読んでいるので、半分ほども理解していないし、1割ほども記憶していない。遠藤周作が読後に感じたであるような充実感もなかった。いつか読みたいと思いつつ読めていなかった本書をオンラインブックオフで見つけて購入し読んでみた。村上春樹の中の影であったり、シェイクスピ...
短くなった通勤時間の間で読んでいるので、半分ほども理解していないし、1割ほども記憶していない。遠藤周作が読後に感じたであるような充実感もなかった。いつか読みたいと思いつつ読めていなかった本書をオンラインブックオフで見つけて購入し読んでみた。村上春樹の中の影であったり、シェイクスピアの道化であったりと今後出会ったときに読み方が変わるかというと、いくらか意識はしてもそれほど大きくは変わらないのではないだろうか。夢の話が多く登場する。僕もここ数年、夢の記録を続けているが、本書に登場するような衝撃的な夢とはまだ出会っていない。ここにある夢はあたかも神話か昔話のようである。奇妙奇天烈、それはありえないという話が多い。相当に精神的に苦しんでいる人々の夢であろうから、似たような夢を見ていない自分は実は幸せであると言えるのかもしれない。終りの方で取り上げられたポスト著「影の獄にて」。あらすじを読んでいるうちに「戦場のメリークリスマス」であることに気付いてハッとした。ビートたけし演ずる軍曹ハラは「生きた神話」だったのか。道化の続きでトリックスターが登場するが、このことばが特に頭に残る。ちょうど「すずめの戸締まり」をテレビでやっており録画したものを見ていた。その中のダイジンはトリックスターと言っていいのだろうか。SNSで勝手にダイジンと名付けられただけだと思うのだが、なぜ最後まで、本人までもがダイジンと呼ぶようになったのか、そこがちょっと腑に落ちない。最終的にはいいやつとして描かれていた。ところですずめの名は鈴芽と漢字で書くのか。少し間をおいて「中空構造日本の深層」も読もう。他にも何冊かエッセイや対談をまとめ買いした。
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もとは1976(昭和51)年に単行本として刊行。 「トリックスター」について調べていて田熊友紀子著『現代のトリックスターと心理療法』(2021)で本書がけっこう言及されていたので読んでおくことにした。 ユング派の精神分析医・研究者の河合隼雄さんの本は昔から何冊か読んできた。が...
もとは1976(昭和51)年に単行本として刊行。 「トリックスター」について調べていて田熊友紀子著『現代のトリックスターと心理療法』(2021)で本書がけっこう言及されていたので読んでおくことにした。 ユング派の精神分析医・研究者の河合隼雄さんの本は昔から何冊か読んできた。が、どうもユングやユング派の心理学は物語志向が強く、「文学」になってしまいがちな危うさを感じてしまう。ユングを面白がる人も多いのだが、私の場合、どうも良いタイミングでユングに出会えなかったようだ。 本書は、それでも平易すぎるほどでもなく、臨床例がしばしば具体的に挙げられているので、ずっと興味を持って読み通すことができた。トリックスターについてはごく短い章で簡単に触れられている程度だが、それでも本書のテーマ「影」(たとえば、認めがたい自己の半身)はだんだんと面白くなってきたし、読み応えがあった。
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村上春樹の作品と合わせて読むと尚面白い。 もはや解説本みたいに思えてくる。 読んでみて、自分を捉える視点が増えた気がする。 影の存在を認めながら、道化の言葉にも耳を傾けて、柔軟に自分と向き合っていきたい。 河合隼雄の他の作品も読んでみたくなったし、ユングのことをもう少し知りた...
村上春樹の作品と合わせて読むと尚面白い。 もはや解説本みたいに思えてくる。 読んでみて、自分を捉える視点が増えた気がする。 影の存在を認めながら、道化の言葉にも耳を傾けて、柔軟に自分と向き合っていきたい。 河合隼雄の他の作品も読んでみたくなったし、ユングのことをもう少し知りたくなった。
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ユング心理学で語られる無意識構造の中に存在する「シャドウ」、その影の存在にフォーカスした本書。 影の概要から、それが原因となる病理、そのタイプ・事例、立ち向かい方を記述されている。 中身は興味深く面白かったが、先生も記述されているように引用が実際の臨床ではなく、過去の文学作品...
ユング心理学で語られる無意識構造の中に存在する「シャドウ」、その影の存在にフォーカスした本書。 影の概要から、それが原因となる病理、そのタイプ・事例、立ち向かい方を記述されている。 中身は興味深く面白かったが、先生も記述されているように引用が実際の臨床ではなく、過去の文学作品からが多かったのであまり現実との接点が感じられなかったのが少し残念だった。
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ユング派心理学者が、人間の影の部分=オルターエゴを考える。 本書では〈影〉を研究にするにあたって基本的には小説や過去の心理学者が発表したものを例に取り、自身が臨床医として接した具体例には詳しく触れていないが、クライアントが見た夢はたくさん紹介されていてそれが面白い。「影の逆説...
ユング派心理学者が、人間の影の部分=オルターエゴを考える。 本書では〈影〉を研究にするにあたって基本的には小説や過去の心理学者が発表したものを例に取り、自身が臨床医として接した具体例には詳しく触れていないが、クライアントが見た夢はたくさん紹介されていてそれが面白い。「影の逆説」の章に載っている狼の夢などはよくできた昔話みたいだし、ユングが報告しているという真っ黒な装いの「白の祭司」と全身真っ白な「黒の祭司」の夢なんか象徴主義の絵のように謎めいて美しい。 よく「他人の夢の話を聞いてもつまらない」と言ったりするけど、多分それは映画やアニメーションで〈他者の夢〉を見ることに慣れてしまった現代人の感覚で、昔の人は解釈の分かれる幻想小説のように楽しく聞いていたに違いない。子どもに聞かせるには残酷に思えるような展開のおとぎばなしも、夢という〈影の世界〉からやってきた物語として受け入れていたのじゃないだろうか。 本書のまえがきには遠藤周作『スキャンダル』への言及があり、解説も遠藤が担当しているのだが、そのなかでキリスト教の教義とドッペルゲンガー、二重人格の関係性を実体験と共に語っている。河合は本文中で、西洋で生まれた心理学を日本人の心に適用するためのヒントをちりばめているが、日本人かつキリスト教徒の遠藤の文章によってもうひとつ大事な補助線が引かれているように思う。学部生時代にゼミで『スキャンダル』を取りあげたことがあったのだが、当時本書と遠藤の解説にたどり着くことができなかったことを残念に思った。
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