風の盆恋歌 の商品レビュー
越中おわらの「風の盆…
越中おわらの「風の盆」祭り。水の音と胡弓の音色に合わせて、夜通し静かに踊り明かすお祭り。あまりに幻想的なその祭りの描写に魅せられました。しかも、架空の祭りかと思いきや、実際に今でも行われている祭りと知りビックリ。こんな静かな風情漂う祭りもあるんですね。物語は、年に一度その祭りが開...
越中おわらの「風の盆」祭り。水の音と胡弓の音色に合わせて、夜通し静かに踊り明かすお祭り。あまりに幻想的なその祭りの描写に魅せられました。しかも、架空の祭りかと思いきや、実際に今でも行われている祭りと知りビックリ。こんな静かな風情漂う祭りもあるんですね。物語は、年に一度その祭りが開かれる三日間だけに逢瀬を重ねる男女の恋物語。酸いも甘いも知り尽くした大人の恋、ですね。
文庫OFF
美しい文章でうっとり…
美しい文章でうっとりしてしまいます。夏に酔芙蓉が咲く度にこの作品を思い出します。
文庫OFF
表題と帯評価に惹かれ 手に取り 読み始めるが、導入部での日常のありふれた描写に心和み期待したが、其処迄の書であった。
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15〜20年ほど前に読んで以来の再読。以前は自分よりうんと年上の男女の不倫ものということで、あまりどこにも同調できず、若干の気持ち悪さを感じながら読んでいたかもしれない。しかし主人公の2人と同世代になった今、つまり人生の「秋」のようなところにいる今、不倫の是非はともかくとして、し...
15〜20年ほど前に読んで以来の再読。以前は自分よりうんと年上の男女の不倫ものということで、あまりどこにも同調できず、若干の気持ち悪さを感じながら読んでいたかもしれない。しかし主人公の2人と同世代になった今、つまり人生の「秋」のようなところにいる今、不倫の是非はともかくとして、しみじみと沁みてくるものがあった。同世代といえども、時代も違い、この2人のようなしっとりとしたものはまったくない自分だが、風の盆には憑かれるように4回も行っている。あまりにも潔く散っていった2人には、この風の盆の哀しさと美しさがよく似合うと思った。
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TVでは毎年放映するように有名になった その八尾町「風の盆」のにぎわい話題に引かれて (CMのロボットまでおわら節を踊ってすごいね) 「あっ、そうだ」と買ってあった古本を思い出して読んだ。 『マジソン群の橋』のように、もどかしいような小説。 先に読んだ中里恒子『時雨の記』の方が...
TVでは毎年放映するように有名になった その八尾町「風の盆」のにぎわい話題に引かれて (CMのロボットまでおわら節を踊ってすごいね) 「あっ、そうだ」と買ってあった古本を思い出して読んだ。 『マジソン群の橋』のように、もどかしいような小説。 先に読んだ中里恒子『時雨の記』の方がピンと来る。 こちらは作者が男性だからかそうなるのかもしれない。 しかし、風の盆見物はこれで味わったも同然だ。
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石川さゆりの1991年(平成元年)のヒット曲「風の盆恋歌」の題材となった昭和62年に刊行された高橋治著の同名の作品「風の盆恋歌」。おわら風の盆は、毎年9月1日から3日にかけて越中八尾(富山県富山市八尾町)で行われる農作物の豊作を祈る伝統行事で、女性達は揃いの浴衣に編笠の間から少し...
石川さゆりの1991年(平成元年)のヒット曲「風の盆恋歌」の題材となった昭和62年に刊行された高橋治著の同名の作品「風の盆恋歌」。おわら風の盆は、毎年9月1日から3日にかけて越中八尾(富山県富山市八尾町)で行われる農作物の豊作を祈る伝統行事で、女性達は揃いの浴衣に編笠の間から少し顔を覗かせた姿で連なりながら唄い踊る。種を蒔き、田の中の小石を投げ捨て、明日の雲行きを見、稲穂がゆれ、稲を刈る農作業のありようが踊りで表現される。胡弓の音色、酔芙蓉の色の移り変わり、橙色の灯など日本人の五感にそっと働きかける筆致がこの大人の作品に張り詰めた空気と独特の深みを与えている。 「それが日常になる。習慣化する。こちらが慣れる。諦める。振り向いたときには長い歴史が出来てしまっている。男と女って、みんなそんなものじゃないのか」 風の盆恋歌(なかにし礼 作詞、三木たかし 作曲) 蚊帳の中から花を見る 咲いて儚い 翠芙蓉 若い日の美しい 私を抱いて欲しかった 忍び会う恋 風の盆 私あなたの腕の中 はねてはじけて 鮎になる この命欲しいなら いつでも死んでみせますわ 夜に泣いてる三味の音 生きて添えない二人なら 旅に出ましょ まぼろしの 遅すぎた恋だから 命をかけて覆す おわら恋歌 道連れに
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2018年の1冊目。風の盆の描写は素敵で、今年は風の盆へ。と思う一方、私とは不倫に対する考えがかけ離れていて理解不能。
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おわら風の盆に行く前に予習として手に取りました。 中年の心中もんってゆうてしもたらそれまでやねんけど、 八尾で、酔芙蓉ってなまえのお菓子を見つけたときは、ちょっと嬉しかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
別れ別れの長い年月を経て都築とえり子が八尾で結ばれた時は、風の盆の表舞台にまだ二人しか見えていなくて不倫であるがゆえの燃える切なさや抑えきれない恋情に心が揺り動かされた。 ただ後半はそれ以上に、この先ずっと憎しみに囚われる人生を妻子に残してしまった罪深さがひしひしと胸に迫る。 魂が呼び合いむせび泣くような恋と命を燃やすおわらの祭りのマッチングは本当に素晴らしい。だが、その美しい夢幻の世界に素直に浸れなかったのは読んだ時期が悪かったのか、自分は読む立場になかったのか…。独身の頃だったらもっと気楽に読めたと思う。
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わたしはいま、ある女に恋をしている。いい歳こいていまさら恋をするなどとは思ってもみなかった。 いままでずっと仕事で頑張って、家庭のことで頑張って、脇目もふらずここまでやってきた。あともう少し頑張れば安泰な生活が待っているはずである。でも残りの人生を考えたとき、「自分の人生はこの...
わたしはいま、ある女に恋をしている。いい歳こいていまさら恋をするなどとは思ってもみなかった。 いままでずっと仕事で頑張って、家庭のことで頑張って、脇目もふらずここまでやってきた。あともう少し頑張れば安泰な生活が待っているはずである。でも残りの人生を考えたとき、「自分の人生はこのまま終わってしまうのだろうか」と最近むなしさを感じてしまうようになった。 だから「幸せって、いいことなの?人間にとって、生きたって実感と、どっちが大事なの?」という、えり子の言葉に愕然とさせられてしまったのだ。そうなのだ大事なのは生きたという実感なのだ。 残念ながらわたしの想いは女には通じないようである。この歳になってこんな悶々とした日々を過ごすことになるとは思ってもみなかった。現実には、風の盆をともに過ごす都築とえり子のようには、なかなかならない。 【このひと言】 〇幸せって、いいことなの?人間にとって、生きたって実感と、どっちが大事なの?
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