完本・太平洋戦争(二) の商品レビュー
太平洋戦争約四年の道のりを、当事者たちの様々な文書によりつづる全四巻の記録。 第二巻はガダルカナル攻防戦からラバウル・ニューギニア・マリアナ・インパールと、攻勢限界点を超えついに押し戻されてゆく各地の苦闘をつづる。後退が始まると途端に目立つのは、貧弱な兵站・物資の欠乏、戦略思想の...
太平洋戦争約四年の道のりを、当事者たちの様々な文書によりつづる全四巻の記録。 第二巻はガダルカナル攻防戦からラバウル・ニューギニア・マリアナ・インパールと、攻勢限界点を超えついに押し戻されてゆく各地の苦闘をつづる。後退が始まると途端に目立つのは、貧弱な兵站・物資の欠乏、戦略思想の不足に戦争指導のまずさと、日本の抱える根本的な問題の数々。一世紀近く経っても容易に想像できるその姿は悲しみでしかない。 甲乙つけがたい文書の中から、この巻で選びたいのは、ビルマ戦線の落日を描いた"月白の道"。始まりの現地指揮の不統一から、終盤に大本営から現地へ送られる命令電報の酷さまで、今の日本にも通ずる姿に、怒りよりも悲しみが勝る。なぜ責任を取らず、部下に犠牲を強いる(しかもあくまで部下が自分で決めるように仕向ける)卑怯な人間が高級幕僚なのか。そういう人しか上にあがれない、もしくは組織の中ではそういう人にならざるを得ないのが、今も昔も日本の変わらない病理なのだろうか。 <収録内容> ・第一次ソロモン海戦従軍記者記録 ・戦艦金剛ガダルカナル砲撃記 ・ガダルカナル機動部隊決戦記 ・第三次ソロモン海戦駆逐艦夕立奮戦記 ・ルンガ沖海戦記 ・伊十九潜空母ワスプ撃沈記 ・ガダルカナル撤退作戦記 ・山本五十六連合艦隊長官回想記 ・キスカ撤退作戦座談会 ・ムンダ・アルンデル戦日米回想録 ・ベラ・ラベラ沖酸素魚雷活躍記 ・タラワ玉砕生還記 ・ラバウル航空戦記 ・ラバウル籠城記(戦場移行後の持久戦記) ・ビルマ作戦の全貌 ・北ビルマ、ミートキーナ防衛戦記 ・インパール作戦の全貌 ・東部ニューギニア戦記 ・ニューギニア、アイタペ攻防記 ・マリアナ沖海戦記 ・空母大鳳の最後 ・サイパン島玉砕 ・竹槍記事顛末
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あとからならいくらでも言える……と、それでも彼らの手記は過去を見つめている。 軍人の方が前向き。最後の記者の手記は苦笑い。今も昔も記者というのは変わらんのだと思う。自分だけに正義はあるみたいな書き方。笑うしかない。
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