老いてはカメラにしたがえ の商品レビュー
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2002年発刊の本書。著者がまだ60代半ばで元気に街歩きしているころのフォトエッセイ。トマソン物件を、楽しく撮影している。 記録と記憶の写真というジャンル。誰がどこまでの価値を見いだすものだろうか、と写真をながめてつらつら思う。町の裏路地で見上げた何気ない空に、電線が縦横無尽に走る。いかにも日本の風景。 「空がもし豆腐だったら、コロコロとサイコロ状に落ちてきて、もうそのまま味噌汁だ。」 この文章があればこそ、この写真は活きる。 丸い雨の雫が無数に付いた物干しのハンガー。丸いものは「神社の鏡」、「お供え餅」、あるいは禅宗の坊さんが描く丸と、神々しいものであるとし、 「だから水滴に両手を合わせてもいいと思う。ぼくはとにかく水滴にピントを合わせた。」 語呂がいいのでクスリとする。 そんなたわいもない日常のフォトエッセイ。写真の表現の方法は無数にあるものだ。むしろ、著者は写真だけで何かを表現したいのではないのだろうなとも思える。あるいは、できあがった写真の中に楽しみがあるというよりも、それら被写体との出会い、そのための街歩き、仲間との撮影旅行や交流、そこに著者の楽しみがあるのだろうと思う。 あとがきに、こうある。 「お前はカメラが好きなのか写真が好きなのかと問い詰めてみたら、いまは「写真だ」と答えるだろう。でももう少し前のもっと若いころだったら、明らかに「カメラだ」と答えていたはずだ。」 カメラを所有することの楽しさもあるのだろうなあ・・・。 自分は今も昔も「写真」と答えるだろう。 また自分が表現したいものの核は写真そのものなのか?と問われたら、それも「否」だなぁと思う。著者が、写真の周辺に楽しさを求めたように。 なんてことを、つらつらと思いながら、気軽な気持ちで読める一冊。
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また、カメラ( -_・)?もつて、町に出たくなった。デジカメは写りはいいけど、、、と思うが、一台ほしい。
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