大空のサムライ(下) の商品レビュー
上巻よりどんどん戦況は厳しくなって、仲間の死を目の当たりにしたり、自分自身も怪我をしたりというシーンが増えてきます。 圧倒的な物量の差に驚きではなく、素直に空恐ろしい気持ちを吐露されたりと人間らしさがチラホラ。 目を負傷されてから、撃墜王たらしめていた早期敵機発見ができなくなり...
上巻よりどんどん戦況は厳しくなって、仲間の死を目の当たりにしたり、自分自身も怪我をしたりというシーンが増えてきます。 圧倒的な物量の差に驚きではなく、素直に空恐ろしい気持ちを吐露されたりと人間らしさがチラホラ。 目を負傷されてから、撃墜王たらしめていた早期敵機発見ができなくなり、危ないシーンもみられるように。 その後内地に戻り新たに戦地に着く若手を育成していくが、自分自身が行けない事を悔みつづけるのもかわいそうです。 何度もこれが戦争なんだと自分自身を納得させている。 そして三郎さんが飛行機乗りとして大成するには目が大事だと考え、日頃から深酒しない、夜更かししないや、夜普通なら見えない星を見るような挑戦を続けたり、またバッタやハエを捕まえる訓練を続けられたそうです。 自分の持つ才能をより沢山引き出す努力を怠らないと言うのは、簡単かもしれないが、本当に意識して続けるのは難しいでしょう。 が、自分自身も、ひとつくらいは意識して続ける良い習慣を持ちたいものです。
Posted by
下巻。 一番の見所は、頭や腕を撃たれ、血みどろになり、朦朧としながらも零戦を操縦し、なんとな基地に戻ってきたというエピソード。これによって坂井さんは戦闘機乗りの命である視力を大きく落としてしまうのですが、本当に手に汗握るエピソードでした。この部分だけでも大いに読む価値があると思い...
下巻。 一番の見所は、頭や腕を撃たれ、血みどろになり、朦朧としながらも零戦を操縦し、なんとな基地に戻ってきたというエピソード。これによって坂井さんは戦闘機乗りの命である視力を大きく落としてしまうのですが、本当に手に汗握るエピソードでした。この部分だけでも大いに読む価値があると思います。 戦友である笹井中尉との別れや、可愛がっていた若い戦闘機乗りが死んでいく様。圧倒的な物量を前に、敗戦を、死を覚悟すること。 この死生観は、この時代の日本独特なものなのかもしれない。
Posted by
敵機を一つでも多く堕とすこだけに命を賭けて、そのためだけに日々鍛錬を怠らない姿は身につまされた。 硫黄島での米軍の物量攻撃と艦砲射撃は壮絶すぎて読みづらかった。全ての零戦を撃墜され、唯一残った故障機に乗り込んで敵の大群に向かう坂井さんは、やはり生粋の戦闘機乗り、兵士というより...
敵機を一つでも多く堕とすこだけに命を賭けて、そのためだけに日々鍛錬を怠らない姿は身につまされた。 硫黄島での米軍の物量攻撃と艦砲射撃は壮絶すぎて読みづらかった。全ての零戦を撃墜され、唯一残った故障機に乗り込んで敵の大群に向かう坂井さんは、やはり生粋の戦闘機乗り、兵士というよりサムライなのだなあと思った。 戦争や海軍そのものに関する見解がほとんど書かれてないのは、出版された時代の事情かな。
Posted by
「永遠の0」を読んで、零戦のこと、ゼロ戦パイロットのことを知りたくて買った。操縦の腕もある人のようで、随所に自信(自慢?)が感じられる。「永遠の0」の主人公は戦争が嫌いだったのだろうが、この坂井三郎は戦争が性に合っていたと思う。また違った視点で零戦のことを知ることができた。
Posted by
日中戦争から大東亜戦争で活躍した撃墜王の自伝。当時の戦闘機乗りの気持ちや気概がよくわかるとともに空戦が臨場感をもって書き表されている。太平洋戦争をひとりの下士官の視点で描かれるため現場ではどうなっていたかが伝わってくる。
Posted by
太平洋戦争に活躍した坂井三郎氏の手記。戦闘機乗りを志、軍に入り歴戦を繰り返し硫黄島から本国に降り立つまでの激闘の描写や気持ちを非常に細かく、わかりやすく表現され、読み易く心に残る本でした。もっと知りたくなる本です。
Posted by
上巻に引き続き、読了。 第一線と内地の温度感の違いはこんなにもあったのかと思った。 スケール違うけど、会社とかでもこんなことあるよね。
Posted by
大空のサムライ(下巻)。 いよいよ,敗色濃厚となった時期からの回顧録。 戦争の非情さや空しさがにじみ出ている。 坂井さんが瀕死の重傷を負って帰還する場面は手に汗握ります。 パイロットとして,一瞬一瞬の戦闘のために,坂井さんが重ねられた数々の努力には脱帽です。 敵と渡り合う苦しさ...
大空のサムライ(下巻)。 いよいよ,敗色濃厚となった時期からの回顧録。 戦争の非情さや空しさがにじみ出ている。 坂井さんが瀕死の重傷を負って帰還する場面は手に汗握ります。 パイロットとして,一瞬一瞬の戦闘のために,坂井さんが重ねられた数々の努力には脱帽です。 敵と渡り合う苦しさよりも,自分の能力を作り上げていくまでの悩み,怠け心,妥協しようとする心,人をうらやむ心等の煩悩に打ち勝つことの方がずっと苦しかったと書いておられる。この姿勢は忘れたらいけないな。
Posted by
ガダルカナル島への空襲時に、坂井氏がアメリカの大船団を目撃したシーンがとても印象的だった。その圧倒的な物量の差を目の当たりにし、日本は負けると確信したという。それはまさに歴史の変化点を感じさせるシーン。その中でも、戦い続けた兵士の姿を決して忘れてはいけない。 あとがきに書かれてい...
ガダルカナル島への空襲時に、坂井氏がアメリカの大船団を目撃したシーンがとても印象的だった。その圧倒的な物量の差を目の当たりにし、日本は負けると確信したという。それはまさに歴史の変化点を感じさせるシーン。その中でも、戦い続けた兵士の姿を決して忘れてはいけない。 あとがきに書かれている、坂井氏のパイロットとしてのストイックな努力には感服。空戦の一瞬一撃のために、万事の努力を積み重ねる姿は、まさにサムライ。
Posted by
【読書その109】大空のサムライの下巻。上巻の中では、日本海軍の伝説的なエースパイロットとなった坂井三郎氏。下巻では、一気に米軍の猛攻に遭い、防戦一方の中で、零戦に乗り、奮闘する。次々と死にゆく戦友。坂井もその戦いの中で負傷する。その後、航空隊の教官となり、一線を退くも、再度、硫...
【読書その109】大空のサムライの下巻。上巻の中では、日本海軍の伝説的なエースパイロットとなった坂井三郎氏。下巻では、一気に米軍の猛攻に遭い、防戦一方の中で、零戦に乗り、奮闘する。次々と死にゆく戦友。坂井もその戦いの中で負傷する。その後、航空隊の教官となり、一線を退くも、再度、硫黄島までの空戦など、戦地の最前線に戻る。終わりになればなるほど、敗戦濃厚の状況で奮闘する旧日本軍の姿が見えてくる。その中で坂井氏の大空への飽くなき情熱は変わらない。個人的に印象に残ったのは、あとがきに書かれている、坂井氏のパイロットとしてのストイックな努力。あの驚異的な飛行テクニックは先天的なものではない。また、坂井氏は驚異的な視力の持ち主(視力2.5!)でそれを武器に敵の爆撃機等を発見しているが、その視力も努力で訓練して身につけている。全て努力のたまものである。そのひたむきな姿勢は分野を問わず大いに参考になる。
Posted by