宇野千代聞書集 の商品レビュー
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人形師天狗屋久吉…70年間浄瑠璃の人形のかしらを作り続けたお爺さんの話。淡々と一筋にものづくりを続ける職人の極意が普遍的な哲学として穏やかに柔らかく語られている。 おはん…岩国の城下町が舞台。半月亭の芸妓に夫をとられたおはんは、息子を女手一つで育てているが臥龍橋で夫と再会してから、よりを戻してしまう。二人の女の間でどっちつかずに揺れる男は子供可愛さにとうとうおはんと再度一緒になる事を誓うが、親子三人で暮らそうと引っ越したその日、息子は淵に流されてしまうのだった。
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『人形師天狗屋久吉』初出は1942年秋。著者が人形師天狗屋久吉の作った人形の面ざしが忘れられず、東京から四国へ会いに行き聞いたものがまとめられている。七十年間、人形を作る仕事をし、天狗久と言われた人。恵那市の指定文化財になっている大井文楽の人形頭も天狗久の作といわれている。
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