歴史のなかの科学コミュニケーション の商品レビュー
2011 4/24パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 「情報学の視点から見た、情報学のための」科学史/コミュニケーション史。 著者自身が冒頭で二次資料に基づくと言明しているとおり、多くの引用を含む。 紀元前から20世紀までの科学コミュニケーション(メディア...
2011 4/24パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 「情報学の視点から見た、情報学のための」科学史/コミュニケーション史。 著者自身が冒頭で二次資料に基づくと言明しているとおり、多くの引用を含む。 紀元前から20世紀までの科学コミュニケーション(メディアや学会、大学制度等)について、250ページ程度に濃縮している。そのため例えば個々の科学者の業績等にはそれほど言及しない。 古代~中世については科学史というよりは文化史全般に近いものにも触れているが、いわゆる科学者が全く確立していない頃だし当然か。 科学史補強月間の一環で借りた本であるが、内容が濃くてどこもかしこも付箋を貼りたくなる・・・ので、自重するのに苦心した。 以下、メモ。 ・p.106-108 世界初の学術雑誌について。フランスでJournal des scavansが創刊されたのが1665年1月、イギリスでPhilosphical Transactionsが創刊されたのが1665年3月で、前者の方が先、かつ後者には前者の影響も見られる、との記述有り。もっとも現存しているのは後者の方なわけだが。 ・初期の学術雑誌は記事集めに苦労した/科学者はすぐにはそれを利用しようとしなかった、との記述有り。 ←・科学者は新たなメディアには保守的に振舞う、ということの先例として使える? 今や一般化した学術雑誌ですらそうであった、と。 ・1770年代に学術雑誌の専門化が始まる ・19世紀には科学者が産業に携わる機会が増加する ・特許制度の確立 ・p.213- 研究者、技術開発、実務の区別と関係について ・7-11節には20世紀の科学コミュニケーション研究の成果が他にもコンパクトにまとめられている。その手の研究をやる際には日本語レビューの1つとして使えそう?
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ヨーロッパ圏とイスラム圏の間で、科学がいかに交流し、互いの文化が保存されてきたかを初心者にも分かりやすく包括的に書いてて面白かったです。
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