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日本の10大小説 の商品レビュー

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著者の小説も魅力的だ…

著者の小説も魅力的だが、コレを読むと小説観がよくわかりますし、いい小説の読み手としてもすごく魅力的です。

文庫OFF

2023/11/01

図書館で借りた。 読書好きで小説を書いたことのある医師、加賀乙彦氏が小説を10作品取り上げ、それぞれに詳しく解説・論評された本だ。 10作品とはそれぞれ、夏目漱石『明暗』、有島武郎『或る女』、島崎藤村『夜明け前』、志賀直哉『暗夜行路』、谷崎潤一郎『細雪』、野上弥生子『迷路』、武田...

図書館で借りた。 読書好きで小説を書いたことのある医師、加賀乙彦氏が小説を10作品取り上げ、それぞれに詳しく解説・論評された本だ。 10作品とはそれぞれ、夏目漱石『明暗』、有島武郎『或る女』、島崎藤村『夜明け前』、志賀直哉『暗夜行路』、谷崎潤一郎『細雪』、野上弥生子『迷路』、武田泰淳『富士』、福永武彦『死の島』、大岡昇平『レイテ戦記』、大江健三郎『燃えあがる緑の木』 その作品だけ的を絞って論評しているわけでもなく、「この作者はこのテイストが多い~」といった見方もするため、これから読書の幅を広げていきたい(ちょうど私のような)人にはうってつけではないかと思う。 また逆にタイトル見て「あぁ、あれね」と言える読書好きの方にも、視野を広げるネタになるのではないかと私は考える。 私はこの中で、レイテ戦記に興味を持った。読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2021/11/20

 もう、古い本ということになるのでしょうが、精神科医で、小説を書いていた加賀乙彦さんが、選んだ日本近代文学の10人でした。  ラインナップはこんな感じです。 「愛の不可能性」―夏目漱石『明暗』 「女の孤独と聖性」―有島武郎『或る女』 「故郷と山と狂気」―島崎藤村『夜明け前』 「愛...

 もう、古い本ということになるのでしょうが、精神科医で、小説を書いていた加賀乙彦さんが、選んだ日本近代文学の10人でした。  ラインナップはこんな感じです。 「愛の不可能性」―夏目漱石『明暗』 「女の孤独と聖性」―有島武郎『或る女』 「故郷と山と狂気」―島崎藤村『夜明け前』 「愛と超越の世界」―志賀直哉『暗夜行路』 「四季をめぐる円環の時間」―谷崎潤一郎『細雪』 「愛と戦争の構図」―野上弥生子『迷路』 「根源へ向う強靱な思惟」―武田泰淳『富士』 「暗黒と罪の意識」―福永武彦『死の島』 「人間の悲惨と栄光」―大岡昇平『レイテ戦記』 「魂の文学の誕生」―大江健三郎『燃えあがる緑の木』  漱石から大江までというのが「近代文学」というフレームをオーソドックスに表していて、面白いのですが、漱石では「明暗」、武田泰淳では「富士」、特に大岡昇平の「レイテ戦記」が選ばれていて、女性は野上弥生子さんお一人です。福永武彦の「死の島」が入っていて、鴎外、三島、川端が入ってこないところが加賀乙彦さんなのでしょうね。  あやふやな記憶ですが、選ばれた10人の10作、面白いことは間違いありません。それぞれ、読み終えて、ため息をついた思い出があります。大作ぞろいで、読み直すには半年くらいかかりそうですが、それぞれ、個人全集とか借り出してきて、もう一度、読み始めるというのも、老後のヒマつぶしとしては悪くないかもしれませんね(笑)。  ブログにも何やら書きました。覗いてやっていただければ嬉しいです。   https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111080000/  

Posted byブクログ