夢魔のふる夜 の商品レビュー
「手のとどかないものは、こちらが一方的に焦がれているものとは限らないよ。あの星は、おまえに思いを寄せているのさ」 これは、母親が子どもに贈った言葉。 そして、その子は、スターゲイザーに、天文物理学者になります。 なんだか、こんなセリフを読むだけでドキドキしてきます。 ほぼ一...
「手のとどかないものは、こちらが一方的に焦がれているものとは限らないよ。あの星は、おまえに思いを寄せているのさ」 これは、母親が子どもに贈った言葉。 そして、その子は、スターゲイザーに、天文物理学者になります。 なんだか、こんなセリフを読むだけでドキドキしてきます。 ほぼ一人称で語られるSF小説で、しかも、「わたし」が「ヨハネス・ケプラー」。 この作者、ただものではありませんね。 まだとても、魔法と科学が近かった時代。 このあたりの時代の物語をもっと読みたいと感じさせてくれる1冊でした。
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ヨハネス・ケプラーを主人公に、チコ・ブラーエの怪死、ガリレオの変節、異端審問と魔女狩りと中世ヨーロッパを舞台にした伝奇的物語が展開。 天体と時間と宗教の真実を追い求めるケプラーの姿を追いつつ、死んだ少女の夢というピュアSFで包み込んだあたりがとても素敵。
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