夏至南風 の商品レビュー
「碧夏、誰かが自分のことをあいしてくれるんぢゃないかって、きみはまだ期待しているんだろう。やめてしまえよ。そんなこと、意味がないから。」 「期待なんかしてない。」 「それならいいんだ。誰も君のことなんか愛さない。きみも愛情をかけない。これは、カンジンなことだよ。」
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何か無性に読みたくなって、何十年ぶりかで再読。 腐乱した果実のにおいとか、肌にまとわりつく気怠い空気とか、知らないはずなのに生々しく、なぜかうっとりしてしまう。 自分の輪郭を確かめるように、肌を合わせる少年たち。そうしないと、膨張していくということか。 「誰かが愛してくれるってまだ期待してるんだろう」ていうクーランの台詞が当時は刺さったし、重要だと思ったけれど、今読むとそんなことはもうどうでもいいわって気持ちになった。 とにかく甘美な文体にずぶずぶ浸かりたいときに読むべき。
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手放し本。 '94当時の読書メモより。 碧夏はいったいどうしてあんな姿になってしまったのか。なぜ緑は死んだのか。 自分なりの解釈はしたが、納得はしていない。
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再・・・読。アジアのどこかの国の雰囲気の中、頽廃的な生活を送る人々。一人の男性の出現とともに、次々と少年が殺されていく。…何度目かのチャレンジでも謎は解けずorzカバンの中身も想像すらできませんでした。でも腐敗したもの、汚水、死体にすらなぜか美しく思えてしまうマジック。この雰囲気...
再・・・読。アジアのどこかの国の雰囲気の中、頽廃的な生活を送る人々。一人の男性の出現とともに、次々と少年が殺されていく。…何度目かのチャレンジでも謎は解けずorzカバンの中身も想像すらできませんでした。でも腐敗したもの、汚水、死体にすらなぜか美しく思えてしまうマジック。この雰囲気に浸れるだけ、ま。いっかな…。いやでも悔しい。
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腐臭と死臭漂う、生温い空気の楽園。 暴力的な兄に依存するぬけがらの主人公。 美しいものが理不尽に汚されバラされる。 嫌悪感すら込み上げそうな描写に当時衝撃を受けました。
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ここまで美しく腐乱を描いた人は他にいないのではなかろうか。主人公と碧夏の会話が好き。ラストも幻想的で良かった
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一番すきな作品。作中の雰囲気と結末がこれでもかというくらいに印象的。完全にひとつの世界が構築されてるかんじ。腐敗してて、官能的で、どっか切ない。美しいです。エロ・グロ・少年愛に耐性が在る方は是非。
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実は長野まゆみさんでは一番惹かれる話。腐敗しているんだけれど、美しいものはあるんだよ。ちゃんと誰に教えられる事もなく育っていて、その後は知らない。何処かベトナムな雰囲気。読むだけでぐるぐる頭がまわるのだ。
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氏の作品では一番好き。どれもそうだけど、この雰囲気だけで描かれているようなとこが一番顕著な作品だと思うわけです。
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きれいで、きたない。乾いた文章で描かれる、纏わりつくような暑さとか、湿気とか、南風とか、腐っていく食べ物とか。とにかく世界観とか主人公の特殊な設定とかが好き。お話は色々といかがわしいし、ラストはそんなに好きでもないんだけど、ともかく全体の雰囲気が好き。良いです。
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