惑星のさみだれ(2) の商品レビュー
東雲半月によって登場人物が動き始めた印象が強い第二巻。物語そのものは第一巻で始まっていても、地球を砕く物語は夕日とさみだれ、そしてノイしか知らなかった為ある意味狭い世界の遣り取りで済んでいた それがさみだれより強い半月の登場によって、彼をどうやって打ち倒すのか、彼との交流の中でど...
東雲半月によって登場人物が動き始めた印象が強い第二巻。物語そのものは第一巻で始まっていても、地球を砕く物語は夕日とさみだれ、そしてノイしか知らなかった為ある意味狭い世界の遣り取りで済んでいた それがさみだれより強い半月の登場によって、彼をどうやって打ち倒すのか、彼との交流の中でどの様な想いに目覚めるのかという部分が描かれ始める 大人と子供という視点は本シリーズで重要なポイントとなってくる要素。それが半月によって提示されたのは後々の展開を思えば感慨深い 特に「大人が笑うのはな 大人は楽しいぜって子供に羨ましがられるため 人生は希望に満ちてるって教えるためさ」という台詞は何年経っても忘れることの出来ない この発言や地球が壊れなくても長生き出来ないさみだれの境遇を知ったことで夕日の中で少しずつ地球を砕く行為について考えが変わり行く描写は中々のもの もう一つ本シリーズで象徴的に扱われている要素がヒーローについて。 正義の味方を名乗る半月は4体目の泥人形が現れた際に何かよく判んないポーズをとって登場する。 また、危うく揺れ動く夕日にしつこく絡み様々な想いを教え導こうとする。 その在り方はヒーローのようでいてとても格好いいものだが、実は彼こそヒーローに憧れる人間だったと判る展開。 それらによって発生した認識の差が悲しい結末を呼んでしまうのは… 夕日は元々自分に価値を感じられていなかった状態に加え、半月という理想の大人を目の前にしてしまった。だから、半月が自分を庇うなんてしないだろうと考える 半月は正義の味方になろうとしてなれなかった人間であり、正義の味方という名刺を持ち歩くのは今度こそ正義の味方になろうという意気込みの現れ。だから泥人形から夕日を庇ってしまう その死はあまりにあっけない。それでいて衝撃的 突然現れてあっという間に消えてしまった半月。だというのに残された人物たちに与えた影響はとても大きくて。 半月に背中を押された夕日と半月の背中を追った三日月。彼等が出会ったことで物語の本編が始まるという演出はとても素晴らしいね
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半月さんかっこよすぎ。 大人論とか、なんていうか、心に響く。 読んだ当時、十代だった自分は、こうなりたい、で、二十代となった今でも、こうありたいと思える。
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淡々と書いているのに泣けた。夕日には自己投影出来ないが決して考えが伝わらない訳ではないと思った。 そして戦闘するとパンツ見える事に気づいた。
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惑星を砕く物語、序章終了。 今巻は犬の騎士・東雲半月に始まり、東雲半月に終わるといっても過言ではないだろう。半月が語った大人論を忘れることはきっとないと思う。 序章に幕を引き、新たな幕開けを促してみせた半月さんに心からの敬意を。 夕日に少し心の変化が表れたり、新しい騎士が登場した...
惑星を砕く物語、序章終了。 今巻は犬の騎士・東雲半月に始まり、東雲半月に終わるといっても過言ではないだろう。半月が語った大人論を忘れることはきっとないと思う。 序章に幕を引き、新たな幕開けを促してみせた半月さんに心からの敬意を。 夕日に少し心の変化が表れたり、新しい騎士が登場したりと引きもばっちりで、これからますます楽しみだ。
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「俺の大人論」「呼ばなきゃウソだろ 必殺技なんだから」「さみだれちゃんのヒーローになるんだ」「この間夢を見たんだ」嘘みたいだろ…、これ…、全部繋がるんだぜ…!中でも大人論は最高。東雲さんから皆受け継いでいくんや…、ツェペリ魂なんや…!
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後半で大きく物語が動く。ここで張り巡らされる伏線が完全に回収されるのは、確か8巻だか9巻まで進んでから。この巻までは序章と言っていい。
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前巻の終わりに出てきた東雲半月の活躍と別れを描く第二巻。主人公・夕日に多大な影響を与えることになる。大人とはどのような存在かを指し示すシーンは非常に印象深い。 氷雨が泣くシーンは本当に胸にきます。
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かわいらしい絵柄や朝日奈家での朝食の場面など全体に流れる日常的なゆるい雰囲気と、夕日の冷酷な考えや姫の常軌を逸した野望とのギャップは相変わらずクセになります。 この巻では、姫のためならどんな汚れ仕事もいとわなかった夕日の心がある事件をきっかけにゆらいだり、姫の野望の理由が少しずつ...
かわいらしい絵柄や朝日奈家での朝食の場面など全体に流れる日常的なゆるい雰囲気と、夕日の冷酷な考えや姫の常軌を逸した野望とのギャップは相変わらずクセになります。 この巻では、姫のためならどんな汚れ仕事もいとわなかった夕日の心がある事件をきっかけにゆらいだり、姫の野望の理由が少しずつ見えてきたりしてキャラクターの背景を掘り下げて魅力が増しています。さらに新しい騎士もあらわれて次巻への引きもバッチリです。
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大人が笑うのはな 大人は楽しいぜって子どもに羨ましがられるため 人生は希望に満ちているって教えるためさ …おれの大人論 ひひひ (第11話 朝日奈姉妹と父帰る)
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前回めっぽうウザそうな登場をした東雲半月が、いつのまにかたたみかけるようにいい人に! どんなたたみかけだ、それは。 まあ途中の青臭い大人論は少々青臭いと思ったが(いや半月が言うのはともかく2児の父がさあ。それともあの人もまだ訳ありなんだろうか)、とりあえず氷雨さんに惚れた時点で、...
前回めっぽうウザそうな登場をした東雲半月が、いつのまにかたたみかけるようにいい人に! どんなたたみかけだ、それは。 まあ途中の青臭い大人論は少々青臭いと思ったが(いや半月が言うのはともかく2児の父がさあ。それともあの人もまだ訳ありなんだろうか)、とりあえず氷雨さんに惚れた時点で、なんていうか「敵」ではなくなったので、良し!(ひでえ表面的な評価) そのへんも含めていろいろと好感度を上げた矢先に、「騎士 東雲半月(前編)」 こ、このタイトルと内容の不吉なフラグは! 淡々とのんきに進む話の中で熱血と哀切を感動的に描くんだから、つくづく変なマンガだ。感動的なんだけど、変だ。 正義の味方にはどうあがいてもなれない「魔王」さみだれとその騎士のために、正義の味方が尽力するという構図がそもそも皮肉だ。 夕日とのやりとりで半月が矛盾めいた表現で提示していたのは、たぶん夕日にさみだれを救ってやれる「大人」になれという、魔王が星を砕くのと正反対のもう1つのゴールの形なのだろう。 夢の中で夕日とさみだれがいる場所がビスケットハンマーなのだとしたら、それを振り下ろすのも彼らなのかもしれず、まだそのゴールへの道のりは遠そうだが……。 (※身も蓋もないことを言えば、騎士の願いを使ってさみだれの病を治すとものすごくスピード解決に繋がるのだが、残念夕日はすでに祖父に使っているし物語上祖父を救わないわけにはいかないのだ。なんとも意地の悪い構造……) さて最後に登場した三日月だがこれまたイカれた男で、本当このマンガは狂人が多いな。彼の狂気に思わず引く夕日には「お前が言うな」の言葉をあげよう。 しかも三日月、またも兄弟そろってウザそうな登場だ。まあ性格が性格で、しかも半月という「経緯」を通している分、兄貴の登場時よりリスキーでない気はする。これからは三日月の成長譚としての性格も持ってくるんだろうか。
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