自虐の詩(文庫版)(下) の商品レビュー

業田良家(著者)

2024/09/16

泣いたという評価が多いみたいだが、泣きはしないかな。良い話ではある。むしろ表面的に泣ける話よりよっぽど深い。
上巻の時点で内田春菊氏の解説が下巻までのネタバレを含みまくっているのはいかがかと思う。

2023/03/03

　上巻はそうでもなくても下巻は大感動の嵐みたいな評判で、ハードルが高々と上がっていたにもかかわらずまんまと大感動、特に熊本さんが素敵で最高だ。

　90年代に友達大勢と同じアパートに移り住んで暮らしていて、先輩の漫画家がこれを勧めてくれた。しかし、ちょっと読んであまり面白くなくて読むのをやめた。こうして20年以上経って、当時勧めてくれた先輩漫画家に同じ気持ちを共有できずまったく申し訳ない気持ちだ。この漫画以外にも、同じアパートで暮らしていた他の人にも同様の無礼を働いていたことがまざまざと思い出され心が苦しくなる。森田さんが熊本さんを裏切った時の気持ちの薄いやつだ。しかし、森田さんと熊本さんのような素晴らしい和解はしておらず、まったく疎遠になっている。

2022/10/02

4コマ漫画だからサクサクと隙間時間に読めるのがいい。
後半に入ってすごいテンポで物語が進んで面白かった。
恋愛も友情も絆を大事にする幸江。みんな登場人物不器用だけど人間味あって憎めなくて情や絆があると、それまで可愛いと思てしまうのには共感。
ヤンキーとか特に情に深い気がする。心を開くのは少しずつだったり、遅かったりするけど、一度好きになり信じたら、恩を忘れないし想いは消えない。

2022/03/23

嫁さんの勧めで『自虐の詩』を読みました。

久しぶりに漫画を読みましたね。

最初はときどき笑えていたのですが、、、
基本的に「幸江」の不幸をギャグにしているので…　なんだか途中から"笑うこと"に罪悪感を感じ始め、素直に笑えなくなりました。

悪趣味なギャグ漫画なのかと思いつつ、惰性で読み続けていたのですが、、、
次第に「幸江」の生い立ちに関するネタが多くなるに従い、しんみりする回想シーンが多くなり…　だんだんとのめり込んで行き、そして感動の最終話で締めくくり。

愛されることを渇望し、愛されることを求め続けた「幸江」が、小さな幸せをつかみ取るまでのヒューマンドラマでしたね。
前半の悪趣味とも思えた展開は、感動のラストへ持って行くための前降りだったのか…　。

ちょっとだけウルっとなってしまいました。　(ＴｗＴ。)

それにしても、、、
気に入らないことがあると、すぐにちゃぶ台をひっくり返す夫「イサオ」と父親「家康」。
あれって、一度、やってみたい気がしますね。

スッキリするのかなぁ…　でも、やったあと後悔しそうなので、やめておこう。

2022/01/08

下巻に入った途端に、作者がどんどん攻めてきてた。
もう心に刺さりまくるし、胸が苦しく切なくなるし、共感できる部分がたくさんあるし、感動するし笑えるし。
これを男性が描いたってのもすごいなぁ。
配達シーン、内職、お父さんのクズっぷり、人生に負けてしまいそうです、私は私が嫌いよ〜、熊本さん、幸江、、、。
熊本さんとの河原での喧嘩シーンなんか最高だったな。

映画の実写版も近々みます。

2020/01/02

ともかく不幸というか、実は尽くしたガールなゆきえちゃん。最初に惚れたのはイサオのはずなのに、付き合ってからはゆきえちゃんが尽くす方にまわるという、これは今から結婚する全ての男女は教訓として覚えておくべき。まぁ役に立たんけども。
ゆきえちゃんもなかなかだけど、イサオのひもっぷりも既に悟りの領域で、でも更に上を行くのは実はゆきえちゃんのお父さんで、イサオにも攻めていってなかなかツワモノ。
というわけで、基本的には男ってダメよね、それを支える女子達という、実にオーソドックスな話なのであった。
例外はマスターで、うん、まぁなんだ、頑張れ。

2018/10/12

さとなおさん

号泣せんかったけど納得。
「人生には明らかに意味がある。というか、人生には意味しかない。」

また、読み返すだろう！

2018/07/27

前に読んだことがあったけど、全く話の内容を忘れていた。
今回は不覚にも感動してしまった。
特に下巻はものすごい。

人生が幸か不幸はもういい、人生には明らかに意味が有る。

2018/06/25

後半に期待してたけど、やはり自分にはダメでした。絵とキャラと、あとギャグの方向性が、個人的には全然合わなかった。もちろん感動なんかしなかったし、読み返す予定もありません。

2016/11/19

上巻から比べて圧倒的にクオリティーが上がっている。至高のレベル。

４コマという制限の中で、ドラマを表現することで、詩や、歌、俳句のように行間に抒情があふれる。

登場人物たちのキャラ立ちぶりが圧倒的。
熊本さんのつよさ。藤本さんへの憧れと劣等感。

過去のストーリーが複雑に絡み合い、現在の貧乏な不幸な生活が立体的に浮かび上がる。

小林よしのりのあとがきが、上巻の内田春菊につづき、非常に鋭く的確な評。プロの表現者ならではの観察眼だと思う。