気分はもう戦争(アクションC版) の商品レビュー
買ったのは確か『童夢』の後。まず『AKIRA』を読んて、その後『童夢』を買ってこれに至るという道筋。当時の世界情勢やロマンが詰め込まれた寓話的な部分は矢作さんの手によるものだと思っているがそれが大友さんの筆致にかかるも妙なリアリティがにじみ出ている。必読。
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1979年 CIAの陰謀で、京城(ソウルではない)の大統領が暗殺された それで、どういうわけだか中ソ国境における緊張感が一気に高まって 戦争がおっぱじまってしまう 要するに、アメリカとソ連の企画した出来レースらしい 東西冷戦下、緩衝地帯となる東アジアでは 中国の支配力を弱めておい...
1979年 CIAの陰謀で、京城(ソウルではない)の大統領が暗殺された それで、どういうわけだか中ソ国境における緊張感が一気に高まって 戦争がおっぱじまってしまう 要するに、アメリカとソ連の企画した出来レースらしい 東西冷戦下、緩衝地帯となる東アジアでは 中国の支配力を弱めておいたほうが なにかと都合はよかったのだろう しかし実際のところ、この戦争の正体が何であるかは 最後まではっきりしない 日本にとっては、それも対岸の火事に過ぎなかったはず なんだけど 学生運動の時代も終わりを迎え 自分たちの誇りを見いだせなくなっていた若い世代には 義勇兵として、大陸に渡る者もあった 近代日本から受け継がれたロマン主義は 社会の歯車に収まることをヨシとしなかった…のであろうか そこで、命のやりとりに人間らしさを見いだそうとした そんな彼らの 実に軽薄な戦争を描いたコメディ作品である バカバカしくはあるが 子供騙しの正義を振り回すよりマシかな 国士舘出身の「はちまき」 左翼過激派の「めがね」 ベトナムに行きそびれた「ボウイ」 こんなデタラメな取り合わせの3人組がメインで 珍道中を繰り広げる一方 作者であるはずの矢作・大友コンビも登場して 戦争をダシに一山当てようとする
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大友克洋の初期作品。SFハードボイルド作品というジャンルがあるかどうかは分からないが、AKIRAの世界観とも共通する70年代から80年代の日本の空気感がよく伝わってくる。ショーケンや水谷豊、松田優作らの作品とも共通する匂い。今よりもきっと男尊女卑が強い時代だろうが男が肉食なのが普...
大友克洋の初期作品。SFハードボイルド作品というジャンルがあるかどうかは分からないが、AKIRAの世界観とも共通する70年代から80年代の日本の空気感がよく伝わってくる。ショーケンや水谷豊、松田優作らの作品とも共通する匂い。今よりもきっと男尊女卑が強い時代だろうが男が肉食なのが普通という感じで、翻って今がだいぶ草食系に変わってきているのを感じる。こういう男の人はきっと嫌がられるだろうなあ。少し野蛮に感じるかも。それだけ洗練されてきている気がする。漂白に近いのかも知れないが。いずれにせよ時代は戻らない、今後もより草食の方へ進んでいくのだろうか。骨太が復権するのだろうか?筋トレブームなんかも来てるからなきにしもあらずではありそうだがいかに。
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昔に読んだときもそうだったが国際情勢などの細かい背景がわからないので今ひとつピンとこない。確かに絵はうまいんだけど。
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「もはや戦後ではない」という時期に起きた中ソ戦争に、なぜか日本人が参加する話。妙なリアリティがすごい。当時の細かい描写も凄い。フィクションだけど、歴史の本として読み応えあり。
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もう40年近く前の漫画になるけど、混沌とした状況は全く変わっていない。 フィクションだったけど、恐ろしいほど今の世の中と一致する部分があるような気がする。 先見の明があるのか、世の中進歩していないのか、どちらなんだろう?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今日ふと、このマンガに出てきたヤラレちゃった日本のことを思い出してそこ読みかえしたくなって、もちろんずっと本は所有してるはずだけど部屋のどこに埋もれてるか探し切れないので売ってるよね?とビレバン行ったらあったので買って読んだらやっぱ面白れー!ってなった。一般書店にもあるかなどうかなあるかな名作だし。ソ連と中国で戦争始まってそれに引き寄せられてく日本人数名とかも死んだり死ななかったりするんだけどこの軽やかっつーか乾きっぷりっつーかがすごいしアホやなーってとこもあるしきゅんとなることもあって、通したい自分のスジとは?とか考える。1982年、第1刷。2007年の58刷目を今日買った。おうこの本も出来てほぼ十年か。ストーリーなんかソ連が出てくるからそらもう上坂すみれもこの世に存在する以前に出来てるわけだけど、ちかごろのわかいもんも読むといいと思うよ?ホント。
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「気分はもう戦争」は、漫画アクションに連載され、81年に単行本が発売されたたマンガです。 大友克洋と矢作俊彦が、自身もキャラクターにして、ソ連とアメリカとの冷戦の最中に、中国とソ連の国境付近で大国間紛争が起こり、日本が戦争に突入してしまった世界での群像劇をオムニバスと続き物とがご...
「気分はもう戦争」は、漫画アクションに連載され、81年に単行本が発売されたたマンガです。 大友克洋と矢作俊彦が、自身もキャラクターにして、ソ連とアメリカとの冷戦の最中に、中国とソ連の国境付近で大国間紛争が起こり、日本が戦争に突入してしまった世界での群像劇をオムニバスと続き物とがごっちゃになりながら、大友・矢作の作家コンビと、左翼と右翼とアメリカ人傭兵の3人組とがハチャメチャやってくれます。 とにかく、「ぼくたちは戦争がしたいんだあ」というアイロニーをシンプルに受け止めて、シンプルに読むのがベストな傑作です。
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思えば、世の中を斜めに見るひねくれ根性を身に付けたのは、矢作俊彦のせいかもしれない。聖俗を反転させ、意味を破壊し、無意味なものへこじつけられたスノビズム。歴史や権力はおちょくられ、愛はアイドルタレントに捧げられた。かっこいいかどうかが唯一の基準だったが、何がかっこいいかの定義など...
思えば、世の中を斜めに見るひねくれ根性を身に付けたのは、矢作俊彦のせいかもしれない。聖俗を反転させ、意味を破壊し、無意味なものへこじつけられたスノビズム。歴史や権力はおちょくられ、愛はアイドルタレントに捧げられた。かっこいいかどうかが唯一の基準だったが、何がかっこいいかの定義などなかった。アーガイルの靴下に黒のウイングチップ、キャメルのブレザー、3つボタン上2つがけ・・・ 「大切なのは、人はパンと民主主義のみによって生きるにあらずということだ。米だって食うし酒も飲むし、渡哲也以外のたいていの男は女がいないと生きていけない。流れ者だって生きるには洗面道具が要る。」
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銃声が「パン」と鳴りヘッドライトの光跡が描かれ、大友克洋によってマンガが新しい表現に踏み出した。198×年に起こった(架空の)中ソ戦争の「気分」を描くにはこういう描き手が必要だったのだ。今日のマンガがリアルな肌触りを描けるようになったのはここから始まったように思う。湾岸戦争以降今...
銃声が「パン」と鳴りヘッドライトの光跡が描かれ、大友克洋によってマンガが新しい表現に踏み出した。198×年に起こった(架空の)中ソ戦争の「気分」を描くにはこういう描き手が必要だったのだ。今日のマンガがリアルな肌触りを描けるようになったのはここから始まったように思う。湾岸戦争以降今日に至るまで「対岸の戦争」に抱くバーチャルな感覚とも、ヒッピームーブメントとも違う、本作の「戦争への気分」は、本格的なサブカル消費文化に入る前の80年初頭という時代のまだ70年代の残り香漂う空気を感じられて懐かしい。
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