残暑 の商品レビュー
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7作が収録されている短編集 はじめの数作は幽霊の少女を共通のモチーフとしており、女性(少女)を官能的かつ妖艶でミステリアスな理想的対象として客体化していくヘテロ男性(男子)のミソジニーな欲望がごろんと曝け出されている。 ヘキに素直すぎて笑ってしまいもするが、鬼頭莫宏の細い線で描かれる華奢な体躯と、緊迫感のある画面構成によって、どこかカラッとした質感のある物語に仕上がっている。とはいえ、その渇いた具合が余計に欲望の鋭さといやらしさを引き立てているようにも思える。 ヘテロ男性の独りよがりなヒロイズムという本質は一貫していながらも、後半からは物語のトーンが変わる。ラスト三編「AとR」「パパの歌」「ポチの場所」はなかなか好き。 「AとR」 カワサキのバイク(男のロマンの権化)を、同じくロマンの権化である学生時代の少女が引き継いで乗ってくれるという構造にはやはり気持ち悪さを覚えるものの、さすがに好きです。 「パパの歌」 妊娠した女性の実家まで車でゆく道行きの夫婦の会話が良い。男のロマン(良い車)要素は継続 「ポチの場所」 老いさらばえた男(牡犬)の生き様を若い男たちが継ぐ。クラスの真面目女子には分からないだろうけど……というヒロイズム
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ほとんどスッキリしない短編集。もやもや感が残るが、それが儚さとなり切なさとなり懐郷になる。一応テーマ的にはシリアスではあるが、それ以外の要素に青春や煌びやかさを感じるから読みやすい。モヤッとする暑さが残る「残暑」という題にセンスを感じる。
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鬼頭莫宏氏の作品『鬼頭莫宏短編集 残暑 (2004)』を読了。 この作品、この夏にまた読み返したいなって思っていたのですが・・・ 全然、読めてなかった・・・ 読み直してみると・・ 儚くて・切なくていいですね・・・特に”残暑”と”AとR”が好きだなー。いつ読んでも。
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むっちゃいい。短編集だけど、そこに冷たさや温かさがいっぱい詰まってる。だんだん今の画風に近づいていく様子もわかって楽しい。あんまり意識しなかったけど、コマ割り面白いよねこの人……
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鬼頭さんは「ぼくらの」を読んで以来作家買いです。長編も面白いですが、個人的には短編が好き。重苦しすぎず、それでいてすっきりしすぎない良い按排。「ポチの場所」が特に好き。
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のりりんなどで知られる筆者の短編集。 繊細な線に一見淡く見える語り口でありながら、きちんと読むとかなり染み入る作品が多い。最後の作品、とても素敵です。
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「残」暑。 残されてしまった諸々がテーマの短編集。黒い・怖い・重い・辛いといった話がなく、表紙の印象ままの漫画ばかりで安心してご覧いただけます。 ラスト2編が特に良い。
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未レビュー消化。大人の考えができるようになった瞬間、子供時代の自分が亡くなるというワケではないが一種の消失感があるのは確か。失ったものを後悔するのは良くないことと今でも思ってますが、忘れてもいけないことなんだなとこの短篇集みて思いました。
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材質が悪いのか、この単行本、紙の臭いがキツいです。 そんな鬼頭先生の作品集です。 「パパの歌」に出てくるお父さんのキャラが素敵です。(のりりんに通じますね) あとは「ポチの場所」のキメ細やかさなんかは、この方の作品の好きなところです。
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鬼頭といったら「ぼくらの」のイメージがあって、暗いというか、救われないイメージがあるんだけれど、この短編集には割と明るい。デビュー昨の「残暑」に始まり、2004年までに描かれた短編が六つ載せられている。 でも1994年の作品から既に鬼頭氏らしい雰囲気が出ているような気がした。 好...
鬼頭といったら「ぼくらの」のイメージがあって、暗いというか、救われないイメージがあるんだけれど、この短編集には割と明るい。デビュー昨の「残暑」に始まり、2004年までに描かれた短編が六つ載せられている。 でも1994年の作品から既に鬼頭氏らしい雰囲気が出ているような気がした。 好きなのは「AとR」と「ポチの場所」。どっちもオチの付け方がいい。
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