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二つ枕 の商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

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2024/09/19

121冊目『二つ枕』(杉浦日向子 著、1997年12月、筑摩書房) 表題作4話の他、短編6作を併録。吉原を舞台にした性と情の物語が集う。 どの作品も男女の心情の機微が詩的かつ的確に描かれており、そのあまりの巧さについ声が漏れてしまった。 まるで見てきたかのようなリアリティのある廓...

121冊目『二つ枕』(杉浦日向子 著、1997年12月、筑摩書房) 表題作4話の他、短編6作を併録。吉原を舞台にした性と情の物語が集う。 どの作品も男女の心情の機微が詩的かつ的確に描かれており、そのあまりの巧さについ声が漏れてしまった。 まるで見てきたかのようなリアリティのある廓内の描写も見事。圧倒的な漫画の才と、江戸文化に対する溢れる愛情、そして勉強/調査の量。どれをとっても一級品。「天才」、それしか彼女を評する言葉が見つからない。 北方謙三による解説も収録。 〈………… 聞かせ なんし。〉

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2023/01/03

遊郭における女郎と遊客の丁々発止のやりとりが楽しい。一見冷めているようで同時に情に湿ってもいるような、虚実のあわいで発される言葉たち。この緊張!

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2019/07/01

江戸・吉原の情景を点描した短編まんが集。 当時(というか本質は今も変わらないと思うけど)の男女の機微、嫉妬心などが活き活きと描かれる。 ふすま一枚で仕切られた部屋、遊女同士が行き来したりする距離感も意外で面白い。

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2017/04/01

「合葬」(1984)で日本漫画家協会賞受賞、「風流江戸雀」(1988)で文藝春秋漫画賞受賞の漫画家杉浦日向子さんの「二つ枕」、1997.12発行です。舞台は吉原、客と花魁の物語です。

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2017/02/22

吉原の花魁と旦那との やりとりが粋で楽しい‼ 吉原好きの私にわ、とってもすてきな漫画でした 絵もセリフもみんなすてきです(#^.^#)

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2016/05/05

小さな文庫版なのに、奥行きがとんでもなく広い、さすがの腕前。 言葉や衣装、その他時代背景のみごとな再現性(たとえこれが虚構でも大方の読者は、この中で表現されている”江戸”に心をとろめかすだろう)。 ゆったりとしたリズム。 粋な人々の仕草と会話。 それらを通して醸される、静かな間。...

小さな文庫版なのに、奥行きがとんでもなく広い、さすがの腕前。 言葉や衣装、その他時代背景のみごとな再現性(たとえこれが虚構でも大方の読者は、この中で表現されている”江戸”に心をとろめかすだろう)。 ゆったりとしたリズム。 粋な人々の仕草と会話。 それらを通して醸される、静かな間。 布団のこすれる音が響くような、淫靡さがある。 が、百日紅とは違い、夢うつつを行き来するような 美しさは足りない。 何事もなさの美学に頼りすぎて、キレが少ない。 突出した物語もなかった。 ここには杉浦日向子の原型のみがある、 その意味で、3点。

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2015/08/06

浮世絵漫画の決定版。時代考証とか花魁などの登場人物の考え方といい、この作者自体が江戸からタイムスリップしてきたとしか思えない。 私は話よりも作品世界に浸っていた。

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2014/01/04

「聞かせなんし」とか、 「あああ おおきに酔った……」とか。 駄目な男と花魁、という関係に涙してしまう。 そして浮世絵ふうの、「内面の謎」を感じさせる絵柄。 多才な作家だったんだなぁ。

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2010/05/18

花魁の話し言葉、廓のしきたり、調度品等、江戸時代の吉原を垣間見られる。 どの作品も暗くなく、さっぱりしているのがいい。

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2009/10/07

江戸は吉原の遊郭を舞台にした男女模様。 江戸風俗研究家でもある筆者による綿密な時代考証に基づき、錦絵を思わせる独特の絵柄で描かれている。 嘘と本音、気だるさと熱情が交錯し、その境界が少しずつ朧化していくのが面白い。 また、全編を支配する虚無感が艶っぽさに凄みを加えている。 「...

江戸は吉原の遊郭を舞台にした男女模様。 江戸風俗研究家でもある筆者による綿密な時代考証に基づき、錦絵を思わせる独特の絵柄で描かれている。 嘘と本音、気だるさと熱情が交錯し、その境界が少しずつ朧化していくのが面白い。 また、全編を支配する虚無感が艶っぽさに凄みを加えている。 「明鳥」などの吉原を舞台にした落語の副読本にもなるだろう。

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