楳図PERFECTION 4 おろち(4) の商品レビュー
おろち最終巻 表紙は、門前家にいるおろちの絵 扉絵がとてもかっこいい。 目玉に、恵子ちゃんとさとるちゃんが正面を指差している。 その次の扉絵もまた良く、大きな瞳の中に恵子つゃんがいる絵 眼 恵子ちゃんは盲学校へ通っている。 ある日家で殺人事件が起きた。恵子ちゃんは父親が帰って...
おろち最終巻 表紙は、門前家にいるおろちの絵 扉絵がとてもかっこいい。 目玉に、恵子ちゃんとさとるちゃんが正面を指差している。 その次の扉絵もまた良く、大きな瞳の中に恵子つゃんがいる絵 眼 恵子ちゃんは盲学校へ通っている。 ある日家で殺人事件が起きた。恵子ちゃんは父親が帰ってきたと思い扉を開けてしまう。 家の中で殺人が起き、犯人は逃げてしまう。 その後に帰ってきた父親が犯人扱いされ、 盲目ながらも日頃の五感の良さを証言するが、全く相手にされず。 読んでいて気の毒になった。 だが、恵子ちゃんの賢さと強さとるちゃんが純粋で。 話は社会問題の複雑さだった。 みんな近くの化学工場で働いている。だが、その工場から排出されている煙や水は有害なものだった。 逃げた犯人のことも近所の住人はわかっていたが、自分たちはグルになっていた。 恵子さんとおとうさんは遠くへ離れていったが、 最後おろちが、 「これが文明社会というものだろうか?」と言葉を残していたのが印象。 血 大きなお屋敷に住んでいる2人の姉妹がいる。 姉の一草と妹の理沙 理沙は小さい時から姉の一草にことごとく比較されていた。 劣等感はずっと消えないままでいた。 大人になり、2人とも家を出たが、その後2人は結局家へ戻ることになった。 最初は、理沙がかわいそうでたまらなかった。 こんな環境ならばおかしいを通り越してしまう。自尊心を失うと思う。 結局、人からやられたことをやってしまう。 まともと思った姉も、結局は自分が一番で、 おろちも言っていた、いったいだれが悪かったのだろう? 周囲も何もかも最悪な環境だった。 この物語、前半、ページが贅沢に使われており、 楳図かずお先生の、白黒なのに陰影のある素晴らしい線密な絵。 なんだか怖いのに、ケーキが凄く美味しそうで。 理沙の精神の中の絵?柄の表現も素晴らしかった。 この話でおろちに変化が起こる。 おろちって確か不老不死だったかなぁ? 眠りに落ちるのだが、ただ眠りに落ちるのではなく、 門前家と薄い血縁関係であるという程で佳子という登場人物が出てくるのだが、 その子に分身してしまう。 話は終わってしまうが、楳図かずお先生の世界観は面白く、またなんたって絵が素晴らしく、どんどん引き込まれていった。 どれも、非現実的な話のように感じるが、 実際、どこかで起きたこと、起こったこと、 それがまた我々人間が起こしていることが、 さらに一番の恐怖と感じる。
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1巻から4巻まで短編構成なんだけど,もう本当に凄い. 凄いとしか言いようがない. めちゃくちゃ面白かった! おろちが恐ろしい存在だと思ってたのに,人間でないおろちが一番まともで優しいのがたまらなくいい.
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「眼」「血」 エンディングはオープニングと同じく姉妹モノ。 この「血」と第1巻の「姉妹」を掛け合わせて作られた 映画版『おろち』も素晴らしかった。
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毎度毎度のどんでん返しが。 でも何故か常に新鮮で、「えぇっ!」って思ってしまうw それほど私自身が見入ってしまっているのでしょうねw あと、おろち、寝過ぎw
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ホラーとは美しいものだと再確認させてくれる。特に108ページから193ページが感動するほど美しい。 その中でも特に美しいコマを表紙に使った装丁も素晴らしい。 このままでも十二分に美しい本だし野暮は言いたくないが、これで糸綴じならどんなに美しい本だろうと思ってしまう。
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復刊です。 文庫の4巻だけ持ってなかったので朗報でした。 おろちはストーリーテラーがいる形式のホラーですが、語り部が全部を見通しているわけではないっていうのが絶妙。 最終話には鳥肌がたちました。
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