合葬(文庫版) の商品レビュー
杉浦日向子にはまっている。なぜここまで、出会わなかったのか。たぶん漫画だからだろうけど。自分も江戸という時代へのある種の憧れを持っているのに手に取る事がなかった。 彰義隊を歴史の中での位置付けという視点ではなく、その中にいた若者自身の気持ちの揺れや、歴史に流されていく小さな命を...
杉浦日向子にはまっている。なぜここまで、出会わなかったのか。たぶん漫画だからだろうけど。自分も江戸という時代へのある種の憧れを持っているのに手に取る事がなかった。 彰義隊を歴史の中での位置付けという視点ではなく、その中にいた若者自身の気持ちの揺れや、歴史に流されていく小さな命を軸に、描かれている。その分、客観的に物語を眺めるのではなく、その場に入り込んでしまうような臨場感。 150年ほど前に確かにあった、青春と言われる時期をこのような形ですごした、若者たちのせつない物語。 名作だった。
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杉浦日向子さん、はまってます。 合奏は戊辰戦争の一つ上野戦争を描いた漫画。 杉浦さんの画風は浮世絵っぽさがあります。 登場人物は10代から20代前半の彰義隊のメンバー。 戦争や隊の話というよりは登場人物の上野戦争前後の出来事に重きを置いた作品だそうです。 読後、なんとも言え...
杉浦日向子さん、はまってます。 合奏は戊辰戦争の一つ上野戦争を描いた漫画。 杉浦さんの画風は浮世絵っぽさがあります。 登場人物は10代から20代前半の彰義隊のメンバー。 戦争や隊の話というよりは登場人物の上野戦争前後の出来事に重きを置いた作品だそうです。 読後、なんとも言えない気持ちに…。 小沢信男さんの解説の言葉に大きく大きく共感。 「…本篇には、従来の彰義隊戦記にとかくつきものだった怨念や、負け犬びいきの力瘤がない。仰々しくない代りに、のびのびしていて、そして奇妙なナマナマしさがあります。ふしぎなほどに。なぜだろうか、第一に、想像と実証がしっかり噛み合っているのでしょう。…」 杉浦さんの深くて広い知識と愛情が、作品のナマナマしさにつながっていくんだなぁ。 派手さはないけれど心に静かに重く響く作品。
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47冊目『合葬(がっそう)』(杉浦日向子 著、1987年12月、筑摩書店) 江戸風俗研究家でもある漫画家、杉浦日向子の代表作。彰義隊に所属する幼なじみ3人の運命を描き出す。 上野戦争を舞台とした合戦絵巻であり、物語が進むにつれ若人たちの危うい血気がむんむんと立ち上がってくる。そし...
47冊目『合葬(がっそう)』(杉浦日向子 著、1987年12月、筑摩書店) 江戸風俗研究家でもある漫画家、杉浦日向子の代表作。彰義隊に所属する幼なじみ3人の運命を描き出す。 上野戦争を舞台とした合戦絵巻であり、物語が進むにつれ若人たちの危うい血気がむんむんと立ち上がってくる。そして、その緊張感がピークに達すると同時に全ては儚く消え失せる。戦争に散った若き隊士たちへ捧げられた、まるで線香花火のような哀歌である。 お世辞にも絵が上手いとは言えないが、爽やかで時に耽美的なタッチが胸を打つ。 〈あゝ 鳳凰が。〉
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合葬 杉浦日向子 筑摩書房 幕末の彰義隊を描いた歴史小説漫画 ほぼドキュメントタッチでもあるかのように描くリアリティがすごい 特に立ち居振る舞いなど 細部の髪型や小道具で酔わせてくれる
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この時代に漫画ってあったかな?と思ってしまうほど当時の空気が感じられる。 そして、内容に浸ってから読むあとがき「日曜日の日本」、これがたまらなく心が揺れる。
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江戸をこよなく愛された杉浦さんの江戸レクイエムでした。彰義隊は、ビジョンも名分も軍略もない烏合の衆でした。これに飲み込まれる末端士分の若者たちの視線で、江戸が消えてしまう上野戦争の惨劇を描いています。「維新とは実質上、末期幕府が総力を挙げて改革した近代軍備と内閣的政務機関を明治新...
江戸をこよなく愛された杉浦さんの江戸レクイエムでした。彰義隊は、ビジョンも名分も軍略もない烏合の衆でした。これに飲み込まれる末端士分の若者たちの視線で、江戸が消えてしまう上野戦争の惨劇を描いています。「維新とは実質上、末期幕府が総力を挙げて改革した近代軍備と内閣的政務機関を明治新政府がそのまま引き継いだにすぎない」とは杉浦さんの醒めた近代史観です。文庫サイズではなく、大判で味わいたかったなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
杉浦日向子さん。 まえがきに、志ん生のマクラとして「上野の戦争」の話が出てくるのですが、ハテ上野?東京の?戦争?と、のっけから「?」だらけになってしまいました。 スイマセン、上野の戦争も彰義隊も、さらに西南戦争のこともさっぱり知りません^^;。これを機会に少し勉強したいと・・・思いました(思っただけで終わるかも知れません)。 ともあれマンガ作品ですが、その彰義隊と上野戦争のことを、隊の端くれに参加した若き3人の志士の目から描いたものとなっています。 幕末という時代の流れに巻き込まれていく青年たち。その困惑やもどかしさを含んだ一途さが、独特の間と陰影とともにつづられており、大変せつないものを感じました。 「合葬」というタイトルは、その3人の死を言うとともに、これもまえがきにある通り「江戸の風俗万般が葬り去られる」その転換期の空気を描きたいという作者の思いがあったようです。 なお、小沢さんという方による巻末解説がまた凄い。いかに杉浦さんの“考証”が深く、リアリティとして反映されているかを示してくれて興趣三倍増です。
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先月、深川の杉浦日向子展に行って、未読のものを読んでいこうと思った。 それぞれの事情で彰義隊に加わった3人の若者の行く末。未熟さゆえに時代に翻弄される切なさ。映画版も見てみようと思います。
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なんて素晴らしい作品なんだろう。「歴史」とひとくくりにされがちな戦争からかつての人の息づかいを強靭に甦らせる。小沢信男による解説がまた素晴らしくて、一冊の本として満足感がすぎます。
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著者を江戸の「師匠」と慕っている。2005年に鬼籍に入られた今となっては全てが遺作なのだが、師匠の漫画を読むのは久しぶりだ。上野戦争を若者の視点で描いた本作は、解説にもあるとおり類書に抜きんでているのだと思う。江戸っ子の落首「うえからは明治だなどと云ふけれど 治明(オサマルメイ)...
著者を江戸の「師匠」と慕っている。2005年に鬼籍に入られた今となっては全てが遺作なのだが、師匠の漫画を読むのは久しぶりだ。上野戦争を若者の視点で描いた本作は、解説にもあるとおり類書に抜きんでているのだと思う。江戸っ子の落首「うえからは明治だなどと云ふけれど 治明(オサマルメイ)と下からは読む」は秀逸!
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