大島弓子選集 ジョカへ(3) の商品レビュー
大島弓子さんと言えば、世間的には「綿の国星」、自分的には「いちご物語」なのですが、「ジョカへ…」は友人のイチオシの話でした。 今読んでも、他の話とはやはり違う、特別な話だなぁと思います。 「最後がどうなったんだっけ?」といつも思うのですが、今回再読した後も、読んだのが昨日のこと...
大島弓子さんと言えば、世間的には「綿の国星」、自分的には「いちご物語」なのですが、「ジョカへ…」は友人のイチオシの話でした。 今読んでも、他の話とはやはり違う、特別な話だなぁと思います。 「最後がどうなったんだっけ?」といつも思うのですが、今回再読した後も、読んだのが昨日のことでありながら、やっぱり「どうだったっけ?」と見返せなければならない話で、この寄る辺なさと言うか、淡い印象と言うか、願望が見せた幻と言うか、これも狙った効果なのかなぁとか思って読んでいます。 別の意味で「野イバラ荘園」もインパクトの強い話でした。 この時期特有の少女漫画の幻想。 決して砂糖菓子ではない、しかし現実感の乏しい、おとぎ話の王子様に匹敵するほどの夢物語が、決して甘い訳ではない、そんな時代の少女まんがの代表作でもあるんじゃないのかな。 幼いとはいえ、同じ時代を生きた人間には、理屈ではなく分かるけれど、そうでない世代には、もしかして「なんだこりゃ?」に映ってしまうのかなと思えば、それはすごく寂しい。 もっと別の何かを読み取ってもらえればな、と願わずにはいられません。 収録されている「罪と罰」からの話を漫画化した「ロジオン~」は、名作の力を感じずにはいられません。 そして大島さんの「きっとここを描きたかったんだろうな」という気持ちも。 いい本をありがとう。
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*1973〜74*春休み/ジョカへ/花!花!ピーピー草・・花!/野イバラ荘園/季節風にのって/ロジオン ロマーヌイチ ラスコーリニコフ/キララ星人応答せよ:など集録。孤独や秘密がキラキラ光る。
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